タル・ベーラ作品を観るのは初めて。
全てのショットにおいて行間が読む余裕がありつつ、観ていて飽きることもない程良いバランスの長回しなのが非常に好ましい。
嵐の前の静けさと嵐の後の束の間を現す広場のシ…
結構抽象的な映画は見てきたつもりだったけど、大抵そういう映画はワンショットごとのまとまりごとに、このシーン良かったなって個別で魅力を感じる場合が多かった。だけどこの映画は、全体として物語の起承転結が…
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最近、人間の「悪」はどこから来るんだろうとか、人間の心はどうして壊れるのだろうとか考えていて、観たらさらに考える事になってしまった。
効率的な音律や、ルールへの抵抗。バラバラの音符のように広場に…
天動説を信じるということは、神を信仰すること、地動説を信じることはそれを終わらせること
その中で男たちはうまく踊れなくなる
星が揺れるようにざわめきながら、停滞していくのがわかる
ドゥルーズより…
ただニヒリズムや実存主義に言及して止まるのではなく、そこからさらにそれらを踏まえて人は何ができるかについても言及した傑作映画。
人の営みを無だと定義づけた上で、その営みが作り上げたハリボテのような幻…
タル・ベーラさんってよくわからないストーリーで閉塞感と虚無感を長回しで押し付けてくるイメージだったけど、長回しを採用しながらこんなメッセージ性ある映画撮れるんだ、と驚愕した。しかもなぜか異常にみやす…
>>続きを読む観た直後は色々圧倒されて言葉もなかったけど、思い返すと全然難解ではなく。
むしろ現在の日本の世相のようで、すごく怖かった。
暮らしの不満、不穏な世相、未知のものへの恐怖からくる怒り、見えない扇動者…
鑑賞後、改めてタイトルについて考えさせられる。調和や美が崩壊していく過程をつぶさに撮った作品なのだろうか。しかし、崩壊が起こるその時に流れる音楽もまた、哀しく美しい。
見世物のクジラも圧倒的な存在…
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