たとえギリシャの知識がなくても、約4時間にも及ぶこの映画が持つ映像の力には圧倒されてしまう!
この映画はタイトル通り、“記録”。旅芸人の一座が旅する際に、ギリシャでの歴史の移り変わりを見ていく記録…
【虚構に見える空間は地続きで現実を映す】
社会主義新聞の批評家であったテオ・アンゲロプロスが秘密裏に制作を行ったこの叙事詩は、文学と歴史を旅で繋ぎながら政治と地続きの関係にあるものを紐解こうとしてい…
叙事詩の意味
ようやく、スクリーンで観ることができた。なぜ、私たちは、映画に惹かれるのだろうか。その一つの理由がここにはある。
ギリシャ田園劇を上演し続ける旅芸人の一座の13年間、それは、メタクサ…
何度も再見したが難解すぎる…。
ギリシャ現代史を、旅芸人一座の歩みに重ねて描くという詩的構造。
1939年から1952年まで、独裁政権、ナチス占領、内戦。
激動と分断の続いたギリシャ現代史を、アンゲ…
旅芸人、難民、孤児。アンゲロプロスが繰り返し描く"根無し草"の絆と解体。表情がほとんどわからない引きの画が多い点など、個人ではなく旅芸人一行の集団としての描写であることが叙事詩的な印象を強めている。…
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