荒野の女たちの作品情報・感想・評価

「荒野の女たち」に投稿された感想・評価

酢

酢の感想・評価

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ジョン・フォードはこの映画を最後に「長編映画からは」引退し、1973年に逝去したらしい。つまりフォードは『荒野の女たち』から8年は生き延びた。その間ドキュメンタリーを撮ることはあっても、長編映画はとうとう手がけなかった。この事実に妙な納得を覚える。いささか後出しじゃんけんの感想かもしれないけれど、それは『荒野の女たち』が「何かを使い切った」映画に思えてならなかったからだ。「使い切る」というのは、才能とか、体力・知力・気力等、元来備わっていたものが失われていく過程をイメージするけれど、この場合は違う。むしろ能動的に捨てていく姿を想像している。何が必要で、何が必要でないか。そこで最後に残るもの、それをそれ足らしめるものは何か。あるいは、それさえも捨てるのか。『荒野の女たち』はその熾烈な選択をおこなっていたように思う。何故ならフォードの過去作を1本でも知っていれば、この作品をもっとどのようにでも撮ることが出来たと想像することができるからだ。だがそうはならなかった。それらの選択肢は捨てられた。『荒野の女たち』は「捨てた」映画だ。だからこの映画は、畢竟信仰の核心、尊厳の臨界を問わざるを得なくなった。この映画に登場する人たちは限界状況の中、その問題に対して「揺れ続ける」。時に愚かに、時に毅然と。カメラはこの揺れを運動として捉える。答えという静寂は最後の一瞬まで訪れない。だから納屋で呆然と佇む女たちに、仲間たちへ別れを告げ暗闇の廊下をただ歩いていくアン・バンクロフトに、我々はあそこまで息を呑まざるをえないのだと思う。馬賊たちについても書きたい。女で構成された修道院と対比される馬賊は男社会の象徴だと言って差し支えないと思う。それはフォードが映画の中で長年「ユートピア」として描いてきたものだ。馬賊同士の決闘のコミカルさを見ても、その名残を感じることができる。だが彼らは同時に、理解不能な残虐の装置としても機能する。かつてのユートピアを、同時に異郷として眼差し直すこの態度にも、『荒野の女たち』の「使い切り」を感じてしまうといったら感傷的過ぎるのか?今は「遺言」とはこういうことを言うのだろうとただ納得してしまう。『荒野の女たち』を見た後でなければそれはわからなかった。
イシ

イシの感想・評価

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フォードはホントにすごい監督やと思ってるし、大好きでしょうがない映画がたくさんあるから、遺作のことをこういう風にゆうのは悲しいしおこがましいんやけど、
なんていうか、最低やった。

終始見てるのが苦痛やった。

自覚しないで本気で自己犠牲を誉めがちな人ってだいたい、
自分は犠牲にしないよな、って思う。

「奇跡の人」のサリバン先生のこと思い出して切なくなった・・・。
BB

BBの感想・評価

5.0
ジョン・フォードの遺作。男不在。女たちの物語。凄まじく、過剰で、異色。
『卒業』『奇跡の人』のアン・バンクロフトが男まさりで格好良いんだが、後半は馬賊の残虐行為を前になす術もなく。それでも最後まで抵抗する勇ましい役。強烈。クリスチャンの長を演じるマーガレット・レイトンの怪演も超強烈。エマ役のスー・リオンは『ロリータ』のロリータ役の人。本当に何ちゅう映画だ、これは…。フォードのフィルモグラフィを追ってくと最後ここに辿り着くってことに、見終わってしばし絶句。
鮭とば

鮭とばの感想・評価

5.0
見てよかった。モーパッサンを超え、10余年後の地獄の黙示録を差し置いて、もはや神話の様相。馬車なんて異界からの脱出にしか見えない。馬賊の長の初登場のところ等、強烈なバストショットがいくつかでてくる。ドアの開け閉めに演出の血が通いまくっており嬉しい。
cinemaQ

cinemaQの感想・評価

5.0
フォードは最後に人類のどこか想像もつかない場所へと行ってしまったのか
アノ

アノの感想・評価

5.0
これがフォードの遺作、恐ろしい。
既に映画史上最高の監督だったのに、最後の最後でもとんでもないところへ飛んでいってしまった。

盗賊団が登場してからずっとイカれたテンションで突っ走る。
なんなんだあの照明は。
主人公の女性(アン・バンクラフト)の生き様に痺れる。
登場人物達の精神性の変移が豊かで面白い。普通にストーリーも面白いし、時間もベスト。
ジョン・フォードの遺作。
ラストの衝撃。あまりにあっけない。
アンバンクロフトの台詞…

相変わらず、酒ビンぶん投げる。フォードの映画らしく。
cym

cymの感想・評価

5.0
あらためて、ジョンフォードの奇跡としか言いようがない仕事の数々に我々は黙々と額づくしかない。
RyoIkeda

RyoIkedaの感想・評価

4.2
とにかくアン・バンクロフトが男前すぎる!
まさに男が惚れるヒロイン。
見る前のイメージと内容はかなり違っていましたが、久しぶりにグッときた一本。
観れて良かったです。
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