恐怖の報酬の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「恐怖の報酬」に投稿された感想・評価

higa

higaの感想・評価

4.5
まもなく沖縄でもウィリアム・フリードキン版が公開されるので、予習として鑑賞。

前半と後半の構成が見事で、前半も後半も過酷そうであったが、これを達成すれば幸せがあるかもしれないと思うとハラハラせずにはいられない。

爆破性の高いニトログリセリンを運ぶわけだ。ちょっとの油断が命取りになる。モノクロの荒々しい映像もまた、どこかきつそうで、特にジョーという男の気持ちに観客は1番同情しやすいだろう。

後のセルジオ・レオーネにも繋がりそうな友情も熱い。

全編がレオーネの『夕陽のギャングたち』に観ていて、『夕陽のギャングたち』同様冗長な印象を受けるが、レオーネ映画にもあるように芸術と娯楽が合わさったようにも感じる。アートとエンタテイメントが見事に融合した見事な映画だ。

これを観たら、フリードキン版を期待せずにはいられない!
フリードキン版を先に観てました。クルーゾー版の人間関係は政治的な話もなく、もう少しシンプルで理解しやすかったです。みなさん愛嬌と人情味があってこちらの方が好きです。でかい岩を爆発させるシーンもこちらのほうが手に汗握りましたね。爆破した岩が飛んできてニトロに接触しないかこわかったですよ。爆破後の立ちションもいいシーンでしたね。ただ、ニトロ運搬のハラハラドキドキは全体的にフリードキン版のほうがアクション性があって好みでした。
peco

pecoの感想・評価

4.8
フリードキン版はニトロ運搬のアクションが素晴らしくて、逆に特に前半の人間描写が退屈な気がした。個人的には、こちらのクルーゾー版の方が遥かに好み。

恐怖 — ジョーだったらヤクザな生活での体験、ビンバだったらナチスの迫害 — それ自体は過ぎ去った過去なのに、頭に取り憑いて現在の思考を左右してしまうことこそが恐怖なのかな。
画面が暗くなって、ニトロ運搬を辞退した男の言葉通り、マリオにジョーの恐怖が″感染する″ような様子は恐ろしい。恐怖に取り憑かれて倒れても、周囲は″疲れたんだろ″って軽く受け流すだけなのも現実味があってゾッとする。

前半、酒場の主人の情婦でもあるリンダが、胸元も露わに床掃除をし、マリオに頭を撫でさせるといった描写は異様にも感じるけど、あからさまな生命力の表現なのかな。ラテンアメリカのピエドラスという街の吹きだまり感を盛り上げるのにはピッタリ。

「年老いたらみんなこう(臆病に)なる」と言うジョーが酒場の音楽を極端に嫌がるのは、自分の弱さを認めて素直に現実を楽しめない自分自身への嫌悪のように思える。

爆発の直前に身の上話をするのはフリードキン版も同じだけど、こちらでは、いつ死んでも恥ずかしくないようにヒゲを剃るのが俺の家族のしきたりだ、とアクションで見せるのは気が利いてる。

スーパーマリオのマリオとルイージってここから来てるんだなー
2019/1/9 新文芸坐
昨年末のリメイク版の完全版で興味が湧いて
ハラハラドキドキ感や派手さやリメイク版の方が強いけど、こちらは人間関係の描き方が丁寧
始まり方も終わり方もオシャレ
素晴らしい名作
フリードキン版はハードボイルド
こちらは主演イブ・モンタンということでロマンス要素も少し加わったアドベンチャー・ヒューマン・ドラマかな
ほし

ほしの感想・評価

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やはりフレンチサスペンスは苦手。全部ヤマ場だからヤマ場じゃなくなる。よって緩和しまくりでむしろ出発前の高揚感の方に好感が持てる。絶命顔にも失笑。
2019.1.9@新文芸坐
《新春興行 魅惑のシネマクラシックス Vol. 29》
2019.01.09.(Wed) 「魅惑のシネマクラシックス Vol.29」 新文芸坐@池袋
新文芸坐魅惑のシネマクラシックスにて。昨年、フリードキン版を観て是非観たいと思っていたクルーゾー版、スクリーンで観れて嬉しい。

ナルホド、プロットは確かになぞったものだけれど、別の映画として楽しむべきだな。
シャルル・ヴァネル演じるジョーの顚末など、より人情味があるというか、妙な愛嬌があるのがクルーゾー版か。

ゆったりとした語り口で、フリードキン版に先に触れてしまっていると、序盤のストーリーが転がりはじめるまでがどうしても冗長に感じてしまうのは致し方ないか。

しかし、そこは巨匠アンリジョルジュ・クルーゾー。一度走り出せば道中のサスペンスの組み立て方が本当に見事でどんどんのめり込んでいってしまう。半世紀以上前の作品とは思えない力強さ。

撮影方法や予算などで後続のフリードキン版の方がスケールが当然大きいのだけれど、サスペンスの造りの骨格自体はクルーゾー版で既に完成されていて、それを超えられていないとも言える。偉大だ。
(だからこそ、フリードキンはこの偉大な作品を違うアプローチで迫っていてリメイクとして、とても真っ当で大いなる成功を収めてるとも言える。)

あと、序盤のヴェラ・クルーゾーのお色気(死語)はフリードキン版には無い魅力かなぁ。「俺のオンナ、いいだろぉ?」的なやらしさで、微笑ましいですねぇ。いらないっちゃぁ、いらないけれどw
どっちがいいというより、両方のいいとこを足して世界のどん詰まりを反芻して楽しむのが正解
Polaroid

Polaroidの感想・評価

4.0
フリードキン版を先に観てしまっていたので大体のストーリーは知っていた。それでもドキドキハラハラ、手に汗握る二時間半。不思議なことに、モノクロ映画にも拘らず後半はカラーに見えた。クルーゾー恐るべし。どんどん鍍金の剥がれていく「兄貴」の転落が悲しい。
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