1999年の夏休みの作品情報・感想・評価

1999年の夏休み1988年製作の映画)

製作国:

上映時間:90分

ジャンル:

3.6

「1999年の夏休み」に投稿された感想・評価

ごじ子

ごじ子の感想・評価

2.5
死の香りが常に張り付いた大自然の夏。時代性や地域性を排除、全編に渡って凝りに凝った映像で極限までfictionalな世界を追求した意欲作だが、拙い演技、ハマっていない声優のセリフ、絵葉書のような情景の一部になりうるにはちょっと無理のある容姿(平凡な日本人顔がfictionalな世界の中で浮き立っている)等々、作品に没頭させない一貫した不自然さにより、面白さより「珍しいものを見た」という満足感。
学生時代にオタクのアメリカ人留学生に熱烈に薦められて観たが、女子キャストだけで男女を演じていて、良さが分からず。乃木坂あたりのドラマっぽいPVに印象が近かったような。
yuki

yukiの感想・評価

4.2
原作の「トーマの心臓」の雰囲気がきちんと漂っていていい。
内容的にはBLだが、少女が演じることによって成長期の美しさが際立っているように思う。なんとなく肉体的なものを排除して、精神的な世界を表現してる感じがする。

近未来が舞台でSF味があるのに、古めかしいトランクや制服が不思議で癖になる。
Tyga

Tygaの感想・評価

3.3
サナトリウム的というべきか、友人の死で心を痛めている少年達が、閉鎖的な学園で4人だけで過ごす的なお話。
を、少女4人が演じる。

10代の少年(少女)4人だけのひと夏のお話とは思えないくらい、季節感も性のにおいもない。
唯一それ(性的)っぽいのは人工呼吸だが、あれはどちらかというと恋人の真似事をしているように見えて、性的というよりは、特別な関係への憧れのように感じた。

むしろ、そこにある問題はひとりひとりの心の問題で、だからこそその心を包み隠す肉体は究極の話をすると、男でも女でもないように感じられるものが適当だったのでは、と思った。

ドアを全部がちゃがちゃ開けていく廊下のカメラがいい。

カーテンを揺らすあの風は間違いなく外からのものだし、外からいつか夏休みを終わらせにやってくるのだ、というどうしようもない事実。
最後戻ってくる薫は、おそらく則夫にとっての(この時間が終わらないかもしれないという)希望である。

今だったら絶対にそのまま少年4人キャスティングするんだろうけど、そういう性別という概念とか背徳感的なものから切り離された物語感を出すのには、このキャスティングはありだった。
三樹夫

三樹夫の感想・評価

4.0
少年の役を少女が演じるということにより、映画内で行われていることは少年同士のBLだが、観客にとってはGLにもなるという入り組んだ構造をしていて、この倒錯している構造で、入り組んでるがゆえに余計変な気持ちになるという、BLとGLの狭間で揺さぶりをかけてくるのが快感。
登場人物は一応6人だが、役者は少女4人だけしか出てこず、映像も淡い光が降り注ぐような画で、舞台は夏休みだが夏の暑さを感じさせない(登場人物も夏の暑さゆえに汗をかくということをしない)と、完全に異空間が構築されている。異世界という感じでもなくて、異空間というのが適当のように思える。耽美というか出てくるものがすべて綺麗になるという(登場人物の葛藤や嫉妬さえも美しいという)異空間で、そこには入れるのは登場人物のような、少年を演じている少女だけと感じさせる領域ゆえに魅力がある。

監督は金子修介で、金子修介はガメラ3でも少女映画として撮っていて、ガメラ3では前田愛を中山忍が人口呼吸しているのをガメラがじっと見ているシーンがあったが、今作品でも人工呼吸があって、14番目の標的知識によると気道確保できてなさそうだったが、人工呼吸の最後の一歩踏み込んだのとかたまらん。櫻の園の糸を口で切るシーンもそうだけど、一歩っていうのが大切なんだろうなと再認識。人工呼吸してるから最後のやつなわけで、人工呼吸というクッションが無くてやると三歩四歩とかの踏み込みになっちゃうし、少量だからこそ魅力大みたいな反比例が琴線に触れる。
「トーマの心臓」も未読の中学の頃、人の家で何故か見せられて観た。が、高校になってから聴いたフリッパーズ・ギター監修のコンピレーション「ファブギア」に入ってたモーマスの曲に同名のものがあり、コレは中学の頃観たアレか…?!と気付いてから何となくメモリアルなイメージに変わりました。

全員女子が男子役をやってるのが意外と悪くなかったんだけど、声優さんが声をあててた(人もいた)のは分かってなかった。
未成熟だけど、その分生っぽい熱さがあったと思う。25年前に一度観ただけの割に覚えてるなあ。今観たらどう感じるんだろう。
mnm

mnmの感想・評価

3.6
サナトリウム、プラトニックな同性愛、世紀末、夏休み、レトロフューチャー、希死念慮、儚さ、夢想、有限なモラトリアム、夏の終わり...
原案は萩尾望都のトーマの心臓。

深津絵里デビュー作。

出演者は たったの4人!

少年たちの愛と孤独の物語。

ボーイズラブやね。
記憶に残る一夏の思い出。レトロフューチャー感と、随所の違和感が素晴らしすぎる。
Mayashico

Mayashicoの感想・評価

4.0
息苦しい思春期の不安定さから、少年(少女?)は早く大人になりたいと願う。しかし同時に抱く成長への恐れや、永遠なる現在への憧憬。そして繰り返し提示される時計。白いカーテンを動かす風や、薄暗い廊下の奥行きが見える画面からは、そんな葛藤や慕情を内包し時間を永遠にとどめているかのような印象を受ける。
少年愛的な世界観は割りとどうでもいいけど、撮影・照明がかなり好き。確かに演技も酷いがそれもどうでもいい。最後の方で花火が出てくる映画には傑作が多いような気がする。
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