このレビューはネタバレを含みます
ひまわりとひきしお。隔てた川を跨ぎ、此岸と彼岸を繋いだはずの橋はまた分断される。もし今が1999年12/31だったなら世紀末と新世紀を分けるその狭間に新たな橋をかける事ができるのだろうか。新世紀を迎…
>>続きを読む圧倒的映像美。
アンゲロプロスの国境三部作の第一作として、本作はまさに「越えられないもの」を見つめ続ける。
川は流れている。でも、その向こうには誰も渡らない。
橋の上で立ち止まる人々。
鉄条網、軍服…
テオ・アンゲロプロス監督、国境三部作二作目。
映像や一つ一つのショットのインパクトが凄まじい。
抽象的なもののみならず、明確に国境が映し出され、そこから物語が展開する。
一歩踏み違えば殺されかねな…
国境とは何か?東西冷戦が終了し、シェンゲン協定のもと、実質的に国境を消失した欧州で、この作品の情感はすでに失われているのであろうか。河を挟んでの結婚式、このシーンにすべてが連れ込まれている。ラストの…
>>続きを読むまたも説明最小限で分かりにくいアンゲロプロス作だが、魔術的ショットの数々も相変わらず素晴らしい。終わる頃には「まるでSFのよう」と感じてたら、やはり1991年に制作されるも、舞台は1999年(らしい…
>>続きを読む前々作『蜂の旅人』も素晴らしい作品だけど、この作品におけるマストロヤンニの素晴らしさはそれを遥かに上回っていると思う。
この作品におけるアンゲロプロスのシグネチャー(ロングショット、大人数の動きと…
このレビューはネタバレを含みます
居場所を求め続ける人達をただ遠くから静かに眺める目線。
<政治家・男>と<婦人>の再会の場面が本当に素晴らしいかった。DVDのブックレットで監督本人が、「婦人は「彼では無い」と一言、突き放すよ…
【鑑賞メモ】
寒々とした木立を背に、鏡面のように滔々と流れる河。
仄暗いホテルの階段や、橋での面会、河の儀式、電線を張る作業員など、冷たく曇った色彩の中に、引き込まれる美しさが散りばめられていて、印…