歴史をつかまえる大きなまなざしと、人を描くための鋭敏な耳。
観るべき映画ほど、見づらい場所にあることを嘆かわしく思いながら、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の代表作を、ようやく観ることができた。そして…
ヤクザとして日本政府と渡り合った林一家が戦後、二・二八事件に翻弄されつつ、兄弟たちがそれぞれ様々な暴力の犠牲になってゆく。
台湾語、日本語、広東語などの諸言語、春雷、銃声、爆竹、賭博札、台所とさまざ…
人物相関が分かりづらくて色々調べながらになったけど、歴史もので一歩引いた目線から淡々と録られているのと画面から落ち着きや風格が感じられて信頼できた。坂本龍一を思わせる音楽も九份の町並みもトニーレオン…
>>続きを読むホウ・シャオシェンの台湾現代史三部作の1作目で第二部にあたる映画で、日本が降伏した1945年から国民党が台湾に逃亡してくる1949年までをある台湾人の大家族を主人公に描いた群像劇。日本植民地時代と国…
>>続きを読む冒頭、玉音放送と産声の重ね合わせに鳥肌を立てられ、歴史を観察するカメラの距離感に結末まで惹き付けられ続けた
台湾映画に心を動かされるのは、単純に表層的な文化が似ている(日本文化が植え付けられている…
終戦の玉音放送から始まって、「あ…」という静かな衝撃。
見終わったあと反芻してしまう悲情城市というタイトルも素晴らしいけど、A City Of Sadnessという英題も良い
トニーレオンを使いた…
侯孝賢は「歴史を語る」ことの困難さと誠実さを、形式美と抑制された感情で描き切る。
ロングショット、ワンシーン・ワンカット、低めのカメラ。
どれもが観客の視線を導くのではなく、その場に居合わせる感覚を…
侯孝賢の代表作の一本。脚本は呉念眞、朱天文という侯孝賢の常連。45年から'49年までの激動の4年間を背景に林家の4人の息子たちの人生を通して、台湾史を描いた力作。息子たちのキャラを作り過ぎているよう…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
本作は、物語的に進行しない。終戦と、それにともなう環境の激しい変化が、本作の社会的背景であるが、そのなかで特定の人物に焦点を当たることがない。終盤の内容から巻き戻し、全体を見渡すことによって、本作の…
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