成瀬巳喜男の作品には、日本人的のようでいてその実広く世界中でも共有できるのではないかと思われる"身内の厄介さ"を中心に描いたものが多く、夫婦はもとより親子、兄弟姉妹、親類縁者などおよそ血縁地縁などの…
>>続きを読む今見ても古さを感じられないストーリー。
この時代を考えるとカットが多く、移動ショット多いのには驚きを隠せない。ラストの娘のドリーイン、母親のドリーバックのカットバックに山の風景のオーバーラップ。そし…
一つの情景を二重化させる、成瀬の比類なき超絶技巧は『浮雲』などにも認められる。
本作ではズーム・イン/アウト(つまり回想の可能/不可能)の対比によって、それを演出する。遠く離れた父親に、娘は思いを…
一家の主人は長らく東京の家を不在にし、淋しさを募らせた妻は恋慕の思いを綴った短歌ばかり詠んでいる。ひとり娘はあくまで気丈に振る舞って、また三人で仲睦まじく暮らす日々が戻ってくることを夢想している。ト…
>>続きを読む6/29@新文芸坐
夢を追って長野に行ったきり顔を見せない父親に会いに行く娘。
こういう話で現れる二号さんて大体嫌な人が多い印象だけど、凄く人間が出来た人だった。それもあって親父の解消の無さが際…
現妻のみまるで侵入者かのような異常な落ち着かない行動をする、空間を率先して繋ぐ女を映画のいい女だと思うのは私だけだろうか、少なくともこの映画は彼女をいい女としている。叔父さん宅人間移動で空間構築、ク…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
君子と清二のテンポの良い掛け合いが良かったです。
遠くから見ると喜劇、近くで見ると悲劇とまさにこういうことで、くすっと笑えるような掛け合いや場面が沢山あった。
父の息子が三回続けて、大人になれば分か…
90年近く前に作られた作品とは思えないほど見やすい。
構成に無駄がなく、上映時間が短いためか、登場人物を端的に描いて、その関係性で話を繋ぐ。
また音楽の印象が強い。和歌、「私の青空」の口笛、義太…