稲垣浩監督が1943年に制作した不運の名作を自らの手で15年後にリメイク。
大日本帝国とGHQという、対極に位置する勢力からズタズタに切られた前作の雪辱を晴らすかのように、今作では松五郎が吉岡良子…
無垢で、気前が良くて、強くて、素直で、優しくて、前向きで、人情があって、意思を貫く誠実な男。そういう無法松みたいな男でありたい。
本当に強い男は、たとえどんな事があっても愛する人の幸せを願える男だと…
「吉岡さん、と呼んでください」って、デコちゃんのセリフは衝撃的。
豪放磊落な無法松のキャラは阪妻にぴったりだったが、三船敏郎も負けず劣らず似合っていた。デコちゃんはじめ、芥川比呂志、田中春男、笠智…
アグファカラーの発色が綺麗。
この映画の一番の売りはこれだと思う。
凝ったカメラワークを多く施していたけれど、被写体より先行している予定調和なカメラでそちらはあまり好きではなかった。
ネガ反転を…
こういう話に弱い。
最後は泣けた。
話の筋は全然違うけど、心にずしんと残る切ない感じが「ごんぎつね」とかそういう系。
運動会のシーンが3人とも笑顔で楽しそうなのにすごく切なかった。
胸がギュッとな…
なぜか阪東妻三郎のオリジナル版より先に観た三船バージョンの『無法松』。稲垣浩も戦後、ヴェネチアで金獅子取ってウハウハだった事だろう。(黒澤明並みの巨匠にはなれなかったが)
カラー映像が綺麗。さすが…
レ・ミゼラブルにも共通するテーマになるが、愛を与える側の人間は報われることがないけれど、それは惨めなことじゃなくて、人として美しく生きることができたという貴さを描いた作品だと思う。
三船敏郎の演技も…