動乱の予兆漂う町の広場で、息を潜める鯨の巨軀。
寡黙に歩む群衆の弩迫力。立ち尽くす男らの相貌を舐め続けるカメラの異様。低空から男を睥睨するヘリコプターの不気味、耳を圧する羽音の轟き。タル・ベーラが…
始めのうちは話がさっぱり分からず眠かった。しかし映像は終始緊張感を漂わせ(この緊張感はどこから来るのだろう。モンタージュなど存在しないのに)、話も分からなさを含みながらもわかってきて、緊張感はどんど…
>>続きを読む長尺で、クジラを乗せたトラックのライトが住宅を照らすして進むだけ、銀のトタン屋根のトラックが通過するだけ、暴徒が固まって歩くだけなのにずっと見ていられる。他のことを考え始めたりなんか出来て楽しかった…
>>続きを読む146分でわずが37カット。タル・ベーラが7時間半の大作「サタンタンゴ」に引き続きクロスナホルカイ・ラースローの小説「抵抗の憂鬱」を映画化した。
トップカットはストーブの火、本作は広場の焚き火、暴動…
長回しの巨匠タル・ベーラ監督作。
主人公ヤーノシュは、天文学が趣味の郵便配達員。彼が居酒屋で、おっさん3人を太陽・地球・月に見立て解説を始めるユニークなオープニング。
ヤーノシュが身の回りの世話をし…
本能と理性
未知を恐怖と解釈するか未知を期待と感じるか
最初の3カットで今まで見てきた映画という芸術の価値観をぶち壊された
平面上に存在する人間に初めて溺れた
人の波にリズミカルな足音と不規則な…
太陽がそこにいて、地球がその周りを回る。その地球の周りを月が回る、ただそれだけのこと。
たしかダムネーションを観たあの日も雨だった。普段は憂鬱でしかないこの雨、三位一体が生んだ産物であるこの雨を、今…