鯨神(くじらがみ)の作品情報・感想・評価・動画配信

「鯨神(くじらがみ)」に投稿された感想・評価

鯨にそんなに…と置いていかれながら観た ゴジラみを感じる造形
yukiko

yukikoの感想・評価

3.6
CGの無い時代に、表現の限界を越えようとした熱さはすごいと思った。
高度な技術の特撮に慣れた自分の想像力の退化を感じた。
チャチだと馬鹿にする気にはならなかった。
(志村喬の存在だけで、映画としての格が上がる感はある)

セリフも「人間、死ぬまで生きりゃ十分じゃ!」とか、よくわからないけど、深いような、パワーのある言葉が多かった。

「みんな狂っとる!もうすぐ死ぬ人間ば前にキチガイゴトばよしてくれ!」
からの
「鯨神は俺だ!俺は鯨神だ!」には、なんかよくわからんけど圧倒された。

最後の、棺桶で死を待つシャキが鯨神の頭に語りかける場面は、シュールレアリズムの絵画のようだと思った。

(田中徳三監督特集で鑑賞)
田中徳三と新藤兼人の作品というより宇能 鴻一郎原作で芥川賞受賞作というところでしょうか。宇能 鴻一郎は、官能小説家として個人的に有名。でもこの映画の原作を以前から知っていて、見たい映画の一つでしたね。話は、「白鯨」と「ゴジラ」が混ざったような変な話。音楽が伊福部昭だからだろう。大映特撮陣の奮闘がわかる映画で見応えはありますね。でも同寸大の鯨は、迫力無く、ほとんどミニュチアで撮影したそうな。志村喬、藤村志保、江波杏子と脇が固まっている。
koyamax

koyamaxの感想・評価

3.0
「鯨神」と呼ばれる凶暴な鯨と漁師との死闘を描く。


大映の特撮。

孤高の漁師VS荒ぶる鯨の一騎打ちの物語。

そして音楽はあのゴジラの伊福部昭。


主演は勝新!、これほど血が滾るシチュエーションは無い!



と思っていましたが、



なぜかわくわくする感じにはなりません。

そして勝新は主役ではない。。orz
(私の早合点ですが、確信犯的にジャケットもまた紛らわしい。)


前半とラストに鯨との死闘が描かれますが、それ以外は、鯨を巡る村人それぞれの思いが描かれています。



いろんな村人たちの様々な思いを乗せて、

ついに、ついに、ついに鯨を!!

というところ、

そこがどうも感情移入しにくいというか、、、。

シンプルに「人間」VS「自然」
みたいなものを期待してしまったので、、。

「そもそもそういう方向では描いてない。」ということなんだとおもいます。

映画自体、「鯨を巡る人間たちの話」です。

鯨を「神」と呼ぶように、自然と密着して生きる社会。
「神」に背くような行いをして、その矛盾を抱えながら生きていかざるをえない、閉ざされた村で生きることのつらさ、気味の悪さなど禍々しい人間の営みが浮き彫りになります。


このやりとりが、鯨神を倒すことへの執念、そして倒すまでの映画的カタルシスとつながっていけば良いのですが、、

村での諍いごとは、鯨との対決の盛り上げに直接結びつかず、映画としての着地点が二つあるように感じました。
その為、流れもモヤッとした印象が否めません。


私の目当ての勝新はというと、主人公に対抗する漁師役なんですが、

この人物は主人公の恋人を無理矢理手篭めにするとか、村人を殴りまくり、熱湯をかけたりするようなやつです。。。
正直、鯨よりこの男を先に捕獲するべきではないかとはとおもいました。
とりあえず一番目立ってます笑

怪獣とちがって、、実際にいる鯨であり、設定も意図を超えた意味合いも多く含まれることになり、結論が難しい題材だなともおもいました。

一方、鯨神自体の造形は、リアルと違う方向で形容しがたい薄気味悪さがあり、
これは子供のころに見たらトラウマになったかもしれないやつですね。
特撮としては面白い試みが見られます。

個人的には勝新の黒光りした猛々しい筋肉を観れるので満足です笑
大映では初となる巨大生物が登場する映画作品、らしいです。
巨大すぎるために地元漁師から"鯨神"と呼ばれ恐れられている化け鯨と、その鯨に父と兄を殺され、打ち取ることに執念を燃やす若者「シャキ」の物語。
あらすじを読むとエイハブ船長とモービーディックのような話かと思いきや、話中びっくりするほど鯨が出てこないです。
何度か鯨に挑戦し、仲間が殺されたりしながら何とか打ち取る展開みたいなものを想像して見てみると、意外にも鯨が出るのは最初と終盤のみという、基本的に人間ドラマが中心の内容でした。

主人公は村の若者「シャキ」と、「紀州」と呼ばれる流れ者の捕鯨師。
2人は反目しあっているのですが、最終的には紀州がシャキに力を託す形で、2人で鯨神に打ち勝つ様な展開となります。
ただ、そこまでの紆余曲折が不必要に遠回りに感じました。
序盤に村の権力者が鯨神討伐の褒美に土地と娘を差し出す展開があったり、その権力者の娘がシャキを気にするような素振りを見せたりするのですが、それらはストーリーの根幹と関係無いんですね。
映画の雰囲気は暗く、会話に妙な間があってテンポも悪く感じました。
モノクロの映画であることもあり、途中猛烈に眠くなったので注意が必要だと思います。
シャキと紀州のやり取りでストーリーが進む部分は良いんですけどね。
どうも恋愛要素がノイズに感じてしまいました。
私的には本作はふんどし姿の漁師たちが、ワーワー言っているだけで良かったと思います。

ただ、ラストの鯨神と戦うシーン、ここはすごく良かったです。
投じられたモリを全身に雨霰のように受けながら勇猛に海を行く巨大鯨に飛びつく荒くれ男・紀州。
そのまま海に潜り、あわや取り逃がしたかと思いきやその姿を現す、や否やシャキが飛びかかり小刀を突き立てる様は勇猛果敢。
こういう巨大生物に小さい人間が立ち向かうような特撮映像を久しぶりに見ました。
このシーンのために本作は見ていいと思います。
なお、鯨神は等身大のモデルを800万円投じて作ったそうです。
この頃の大映は勢いがあって良いですね。
 その後ガメラシリーズや大魔神シリーズに繋がる大映特撮のご先祖様。

 この頃は大映が本郷功次郎を猛プッシュしていて、勝新は隠しきれない存在感をボカしてサポートに徹した感じですね。

 神であり仇である鯨神を
、ムラ全体で仕留めることに執念を燃やす異様なギラギラ感がよく出てます。

 もしも捕鯨にNO!の立場の欧米人が観ちゃったら、「クジラの刺し身食べたいねー」なんて迂闊に喋れない雰囲気ですよ。
ハテナ

ハテナの感想・評価

2.6
田舎特有の狂気が見れる。クジラも頑張って作った方ではあるけど、なんだかなあといった感じの造形。

観た日:2013/07/27
鯨捕りを生業とする漁村で、鯨神と呼ばれる巨大で強力な鯨との戦いを描く

祖父、父、兄、その他多くの村の者が鯨神の為に命を落とし戦ってきた、それ故の憎しみと鯨捕りの誇り、全てを賭けた戦いです

正直見る前は明らかにB級っぽいなーと思ってたんだけど、最初のクレジットで製作に永田雅一の名前があることで少し期待をし、そして劇中においてその本気度、リアリティ度はかなりのもので、認識を改めさせられました

志村喬いるのもあってなんか東宝っぽい、黒澤明風?な気がする
大映って小綺麗な作品のイメージだからボロボロの服、泥まみれ、汗まみれ、水びたしの描写にリアリティ感があって、撮影自体もかなり壮絶そう

事実上の主役は本郷功次郎、今まで見た出演作ではベストだと思う、上っ面だけじゃなくちゃんと演技してるって感じ
一応もう一人の主役に勝新太郎、ジャケ絵にもあるように格ではスター、らしいキャラクターで好演しているが、出番は少ない
たぶん忙しかったんだろうね、当時座頭市、悪名の両シリーズ、その他多数の作品に出演しているバリバリの頃、限られた中でも魅せるみたいな感じです

鯨神のスケールもほんとすごかった、なんかFFのシンみたいな圧倒さがあって、人間のちっぽけさがより強調されて、うまく言えないけどとにかく凄かった
ラストの独白は印象的ではあるけど、戦いの熱を持ったまま終わって欲しかったかなと
Jimmy09

Jimmy09の感想・評価

3.0
大映の特撮映画、大映版モビーディック。

的場徹氏たちの特撮が凄くて、迫力あり。
勝新太郎主演と思って観たら、本郷功次郎がメイン。

特撮の何が凄いかというと、巨大なクジラの迫力のみならず、クジラの周囲の「波」が凄かった。

しかし、原作=宇野鴻一郎というのは驚きで、宇野鴻一郎はこういう骨太な物語も書くのか。
勝新映画なのかと思いきや、ストーリー自体の主人公は本郷功次郎。
勝新は嫌われ者の乱暴者な上に藤村志保をレイプして妊娠させちゃう肉食系ライバル。

鯨討ちシーンは特撮なのだが、鯨神の粗さを隠す為か、泳いでいるシーンではやたらすぐ画面が切り替わって落ち着かない。
勝新が体に飛び移ってからはもはや微動だにせず、模型である事を隠そうとしない。如何なものか。
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