鯨神(くじらがみ)の作品情報・感想・評価

「鯨神(くじらがみ)」に投稿された感想・評価

大映の特撮映画、モビーディック版。

的場徹氏たちの特撮が凄くて、迫力あり。

勝新太郎主演と思って観たら、本郷功次郎がメイン。

特撮の何が凄いかというと、巨大なクジラの迫力のみならず、クジラの周囲の「波」が凄かった。

しかし、原作=宇野鴻一郎というのは驚きで、宇野鴻一郎はこういう骨太な物語も書くのか。
勝新映画なのかと思いきや、ストーリー自体の主人公は本郷功次郎。
勝新は嫌われ者の乱暴者な上に藤村志保をレイプして妊娠させちゃう肉食系ライバル。

鯨討ちシーンは特撮なのだが、鯨神の粗さを隠す為か、泳いでいるシーンではやたらすぐ画面が切り替わって落ち着かない。
勝新が体に飛び移ってからはもはや微動だにせず、模型である事を隠そうとしない。如何なものか。
buccimane

buccimaneの感想・評価

3.5
無策なのはしょうがないとしてせめてモリ突く練習でもすればいいのにみんな酒ばかり飲んで本当に勝つ気あるの?と思ったけどいざ本番では結構命中率高くてきっと影ながら練習してたんだなエライと思った。
勝新がケンカ特別に強いわけじゃないけど紙一重のところを非情さで勝ってる感じのパワー設定が後々で効いてた。
藤村志保さんはSoftest Hardさんに似てる。
プライムビデオで鑑賞

村人が鯨神と呼ばれる鯨を倒そうとする話。鯨が序盤と終盤にしか出てこなくて少し物足りない気はしたが、鯨の特撮シーンは結構迫力あった。特に終盤の鯨を倒そうとしている場面はモンスター映画のように鯨が描かれていたから良かった。ただ中盤が少しイマイチ。志村喬は偉い老人役がよく似合ってる。

追記
撮影時には巨大プールに高さ7メートル、重さ3トンの実物大背実鯨の頭部模型を操り話題を呼んだらしい(解説より引用)
和製『白鯨』。
鯨神の特撮がショボいのは仕方ないにしても、決戦時の緊張感に欠けるのはいただけない。
陸で本郷功次郎が葛藤しているパート(人も家もものすごい黒い!)の方が面白い。
素晴らしい。これぞ特撮映画の醍醐味。

原作は芥川賞だって。言わば和製「白鯨」。
鯨神なる巨大クジラに対し戦う漁師の話。時代背景は明治?の九州の漁村。何人もの漁師を葬ってきた鯨神に、村全体が復讐に狂うという異常な世界。
文明の利器がほとんど無いので江戸時代か?と勘違いするけど、かろうじて唯一まともな村民が「長崎に行き医者になる」と言うので、それで明治だとわかる。でもくたびれた着物にモリしか武器がない、近代的な文化感が一切ない。脂ぎった黒光りする肌に野獣のような村民に、文明から取り残された世界観が読み取れる。

とにかく村が完全に狂気じみてる。興味深いのはくじらの「神」だってこと。ただの捕鯨じゃない。言わば『神殺し』の話なんだよ。
白鯨のモービーディックが「悪魔」と表されるのに対し、アミニズム的な自然に対する畏敬の神なんだよね。
更に興味深いのが、劇中の村がキリスト教なんだわ。実際外国人の神父の「悪魔に挑んではいけない」ってセリフ。ココだけ劇中で悪魔と呼んでる。

本郷功次郎が主役の漁師シャキ。イケメン。しかもフンドシ。
勝新が余所者の漁師の紀州。凶暴。
村の長に志村喬。鯨神を倒したものに娘(江波杏子)を与えるという。エキセントリック。

シャキと恋仲の娘エイ(藤村志保)は紀州に凌辱され身籠る、がシャキはそれでもエイと添い遂げる。それを思ってか気性の荒かった紀州はシャキに手柄を譲るように死ぬ。

監督は悪名や眠狂四郎の田中徳三。
音楽は伊福部昭!土着的な重厚なサウンドよ。
さらにウミネコなどのアニメ合成はうしおそうじ!
特撮的な見所も多いんだよなー。巨大プールに鯨の巨大模型。ミニチュアのシーンがカットインする時ももスピード感があって違和感ない。鯨にモリを刺すと血がビューっと吹き出すのも良くできてる。

ラスト「俺は死んでお前になる…鯨神になる」は唐突に感じるかもしれないけど、アミニズム的な視点で観れば至極論理的な結論だと思う。畏怖する自然=神を殺し、死して自然に帰る=神と入れ替わる。は狂気の果てに辿り着いた境地ですわな。

しかしデアゴスティーニの大映特撮のラインナップから外されたんだよ。何か?やっぱり捕鯨ネタはタブーなのか?
『白鯨』みたいな話です。鯨の特撮がよくできていて気にならない。
むしろすごい。
ラスト25分で鯨が登場するのだが、それまでは「鯨神は、、、、この俺が倒す!!!」みたいな中二病なセリフを延々と繰り返しているだけなので正直「いいかげん鯨出てこいよー」って気分になるよ!
画面の遠近感の強調によるケレン味が出ていてよい。登場人物の顔も漁師なだけあり濃くて黒々としておりその画面とマッチしている。
特撮はあんまりクジラが大きく見えないので微妙だが、話は異様なテンションで面白かったが、理解はできない。
小学生の時に「侍ジャイアンツ」番場蛮のオヤジの鯨に食べられ消化液で全身ドロドロになりながらなかから腹を裂いて出てくるとというのを見てるから・・・あまり驚かないや
法一

法一の感想・評価

3.6
 勝新の肌の、ぬらっとした光沢がやばい。さすがスター。
 全編にわたってローキーの画面が力強く、田中徳三がこんなのを撮っていたんだなあと驚いた。足元からずるずるカメラが上がって江波杏子の冷徹な無表情が映しだされるショットとかゾクゾクする。あとめちゃくちゃ訛った外人宣教師もなんとなく不吉な登場シーンからして忘れられない。しかし何といっても勝新でしょう、勝新がよく出てくる前半が最高である。当たり前だがラストでさえ勝新が持っていく(というか、本郷功次郎の言ってることはちょっと文学的すぎる)。