日本暗殺秘録の作品情報・感想・評価・動画配信

「日本暗殺秘録」に投稿された感想・評価

『大虐殺』の予習?も兼ねて。
日本近代史における暗殺事件の数々をオムニバス、オールスターキャストで描く。
『駿河城御前試合』をコミック化した『シグルイ』に構成が似てる。
『シグルイ』も1エピソード「無明逆流れ」をメインにそれ以外のエピソードは可也端折ってたけど、本作も連続テロ事件「血盟団」を中心に数々の暗殺事件はダイジェスト映像みたいな感じ。
るろ剣でも描かれた「大久保利通暗殺」は袴スタイルの若者達が走って馬車追い掛けて飛び移って短刀で襲いかかるという、るろ剣で瀬田宗次郎がやったのとほぼ同じ暗殺方法だったのが驚き🔪
「大隈重信暗殺未遂事件」は外務省の前で「友人と待ち合わせをしています😊」って帽子に傘、コートの紳士スタイル🎩✨の人がいきなり爆弾投げつける💣💥
このテロリストは玄洋社のメンバーであり、あの夢野久作のお父さん杉山茂丸は大物右翼であり玄洋社創設メンバーの一人。
ギロチン社による資金調達の為の「銀行員襲撃殺害事件」の古田大次郎を演じるのは高橋長英さん。
ベテランの無数の映画・ドラマに出てる役者さんだけど流石に若い!
そしてカッコイイ!
何か今はなき小出恵介みたい。
『シュトルム・ウント・ドランクッ』でも見たけどギロチン社による一連のテロは出来の悪いコントみたいなので他の暗殺事件にくらべて実にマヌケでその緊張感の無さも見事に再現されている(悲しい)
本作の中心エピソード「血盟団事件」はごく普通の青年・小沼正(千葉真一)が貧困から流転の人生を歩み最終的に右翼思想のカルト集団を率いるカリスマ的運動家・思想家の井上日召の下でテロリストとなる迄を描く。
当時、小沼正氏は御存命で撮影現場を見学に来て自分を千葉ちゃんが演じてるのを見て喜んでたとか(Wikipediaより)
若い頃の富司純子さんが石原さとみを更に美形にしたみたいで超キレイ✨
満を持して登場するのが片岡千恵蔵演じる井上日召。
この井上日召という人、北一輝や出口王仁三郎等、日本が戦乱・混乱期を迎えると必ず現れる霊的指導者であり、満鉄で諜報員をやってたり帰国後は日蓮宗の住職をしながらカルト集団を作りあげ軍過激派の藤井斉と暴力革命を画策したかと思うと晩年は近衛文麿邸で用心棒部隊を指揮してたって何か『るろ剣』の四乃森蒼紫みたいな人物。
過激派海軍将校・藤井斉中尉を演じるのは田宮二郎。
もう問答無用でカッコイイ。
藤井斉中尉は兵学校時代、お勉強はからっきしだったけど弁が立ち目立つ存在で人気者、カリスマ性がある、いわゆる「人たらし」だったみたい。
だから人を惹きつけ藤井の周りにはどんどん過激思想の軍人が集まり後に要人暗殺計画=5・15事件の中心人物となるも上海に異動で決行の現場にはいなかった。
2・26事件のプロローグと言える「相沢事件」の相沢中佐に高倉健!
陸軍のカーキ色の軍服が超似合う。
出番はちょっとだけど日本刀で「天誅~!!」と斬りまくる狂気の姿は貴重である。
(相沢中佐は精神疾患説もあるらしい)

どんどん潰れていく店。
そして死んでいく人達。
「政党は党利党略に走り国民はエログロナンセンス」
「子供達は弁当も持っていけない子もいる」
政治・権力の腐敗は昔も今も変わらない…というよりも一周回って今の日本は又この頃と見事にシンクロしているかの様。

それから最近また盛り上がってる【三島由紀夫】界隈。
もし三島由紀夫の自衛隊体験入隊、自衛隊が三島を宣伝に利用しようとし、三島が小説から現実世界でのポリティカル・アクションへと活動の場を移していた時に井上日召の様な「霊的指導者」自衛隊の中に藤井斉の様な「過激派」のリーダー的存在がいて互いに手を組んでいたらどうなっていたのかな~とか思ったのでした。
cov

covの感想・評価

3.5
井伊直弼、大久保利通、大隈重信、財閥安田、ギロチン社、吉田大次郎『死の懺悔』…。桜田門外ノ変から二二六事件までの近代日本の暗殺事件を時系列に追う。どんだけ暗殺シーンが続くのかと思ったら、突然血盟団事件に至るまでのエピソードが丁寧に描かれはじめる。なぜ青年がテロリストになってしまったのかを千葉真一が熱演。これ、この小沼正の物語一本でよくない?と思わんでもないが、近代日本の歴史をさくっと学ぶのにはよいのかなと。
ひとつの店が潰れることの重み、つらさ。

まだ百年もたっていないんだな。

タイトルバックで声が出た程のオールスターキャストだが、主役は千葉真一。
幼い純真と大人の疲れた美しさを演じ分ける藤純子、すごい。
中田騒動でじっくり故人を偲ぶこともできなかったけど、一応千葉真一追悼で何本か見た。

「仁義なき戦い 広島死闘編」(1973年 深作欣二監督)

 もう何十回と見ているので今さら何も書くことはないが、ここでの「大友勝利」役は、千葉にしては異色、というか、それまでこんな下品で粗暴で荒っぽい役はやったことがなかったわけですよ。東映のニューフェースとして、将来を嘱望されて映画界に入った。TVドラマ「キィハンター」(1968~)で大人気になり、アイドル的アクション俳優として一躍人気者になった。そんな千葉が、それまでのアイドル的・ベビーフェイス的なイメージをかなぐり捨てて、「わしらうまいもん食うてよ、マブいスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの。それもゼニがなきゃできゃせんので」という(ほかにももっとヤバいセリフがあるが自粛)、欲望剥き出しの強烈すぎる大友像を作り上げたわけです。この役をやって、彼の芸域は大きく広がったと言える。次の作品も、同じ系統の役。

「沖縄やくざ戦争」(1976年 中島貞夫監督)

 本土返還直後の沖縄の暴力団抗争を描いた作品で、千葉の役は直情な武闘派だが、沖縄民族主義というか「本土のヤクザは沖縄の地に一歩も入れるな」と主張して本土のヤクザ組織に真っ向から対立する親分役。粗暴だがどこか憎めない愛嬌があるのが千葉真一がやるヤクザ役のいいところ。千葉がコザのスナックで、本土のヤクザを前に沖縄空手の試技をするシーンは実録映画史に残る名場面でしょう。千葉ちゃんの見得の切り方はかっこいい。
千葉ちゃんは大友勝利役や、「殺人拳」シリーズや「直撃地獄拳」シリーズなどカンフーアクションものの印象が強いけど、それだけじゃない。たとえばこれ。

「日本暗殺秘録」(1969年 中島貞夫監督)

 「仁義なき戦い」の笠原和夫が脚本。全共闘運動まっさかりの時期に作られたもので、幕末の桜田門外の変に始まり、昭和の2.26事件まで、日本の数々の暗殺事件を再現したオムニバスドラマで、革命運動に於ける暗殺=テロリズム=武力闘争の是非を問うという作品だった。紛れもない政治ドラマで、なんとなく大島渚あたりが作ってもおかしくない作品だけど、そこは任侠映画全盛のころの東映なので、テロリストたちの生き様、死に様を任侠映画タッチで描く。筋を貫き義理と仁義を重んじる任侠映画の主人公と、不正や腐敗を許せず、弱き者、虐げられた者、貧しい者を救おうと立ち上がる革命家たちの生き様は、どこか重なるということだろう。鶴田浩二、高倉健、菅原文太、藤純子といった当時の東映の看板俳優がこぞって出演し、千葉はその中で一番長いパート(140分中の100分)である「血盟団事件」の小沼正を演じていて、実質的にはこの映画の主役だ。革命を志し、正義感が強く一途で純粋で寡黙でストイックな青年役は、当時30才だった千葉によく合っていて、太い眉とくっくりした目鼻立ち、強い意志とエネルギーを秘めた佇まいは、魅力的だ。共演した藤純子も本当にキレイ。映画としての出来は、まあまあというところですが……
 千葉はこの役で同年の京都市民映画祭の主演男優賞をとっている。同じ寡黙でストイックな役といえばこれ。

「魔界転生」(1981年 深作欣二監督)

 山田風太郎原作、魔界から蘇った妖怪たち(魔界衆)と剣豪・柳生十兵衛の死闘を描いた荒唐無稽なオカルトアクションで、沢田研二演じる魔界衆の親玉・天草四郎時貞の悪魔的な美しさが見ものだが、千葉ちゃん演じる柳生十兵衛のストイックな剣の求道者ぶりも素晴らしく、クライマックスの千葉と魔界に落ちた父・柳生但馬守(若山富三郎)の決闘シーンはチャンバラ映画史に残るだろう。映画としても大変面白いが、暗いシーンが多いのでDVDの画質はいまひとつ物足りない。レストアして4Kリマスターブルーレイで出してほしい。

 千葉真一の映画は基本的に肩の凝らない娯楽作品が多いので、楽しく時間を過ごせますね。出演作品はいっぱいあるので、また紹介します。
オールスターキャストで日本の暗殺事件を数珠繋ぎに描くという狂った最高の映画。
その中で1番尺が割かれているのは、千葉真一演じる小沼正をテロリストに追い立てた血盟団事件。
自分の知る限り、1番泥臭く人間臭い千葉真一がいる映画で、どうしても忘れ難い。
直情と愛憎が純朴な青年をテロへと導いたのだが、それを見事に体現した俳優・千葉真一の随一の仕事。だと思う。

ああ、ちょっと気が動転してる。
マジかよ。ふざけんな。
コロナが憎い。

でも、ありがとう千葉真一。
映画は生きているし、その中の千葉真一も生きている。
大友ちゃんもサイコーだぜ。

でもやっぱりツライ…

(昔は幻の映画だったけど今はDVD出てるからみんな見てね)
buccimane

buccimaneの感想・評価

4.0
映画のボリュームも凄いけど最後の文言もズシーンときたな。
俺たちがやるのではなく俺がやるんだという千葉ちゃんのセリフも良かった。
正直がモットーで騙される側の商売人を小池さんがやってて珍しかった。
富司さんは侠客モノもやりつつこの可愛さは反則急。
ぬーこ

ぬーこの感想・評価

3.6
監督 中島貞夫
脚本 笠原和夫、中島貞夫

現代、暗殺を超える思想はあるか?
最後に問いかけるようなテロップ

2時間20分のうち、多くの時間が割かれるのは血盟団事件で井上準之助の暗殺犯・小沼正(千葉真一)の半生。茨城の田舎で正直に生きて無職になった父、高利貸しに倒産に追い込まれたカステラ屋の一家、不治の病を負った地元の恋人、全てに絶望し、海に身体を投げ打つも死ねず、小沼は気がつくとお題目を唱えていた。
師・井上日召は弟子の海軍士官・藤井(田宮二郎)の説得により、ついに現状打破、革命の嚆矢となることを決意する。

その小沼の事件の前に時代別に桜田門外ノ変、紀尾井坂の変、大隈重信遭難、安田善次郎暗殺、ギロチン社事件と先の暗殺事件とその犯人の顛末が描かれる。暗殺犯の末路を相討ち、自死、刑死と様々に示すことで、小沼の最期を暗示するかのようだった。(ただし史実では小沼は無期懲役、その後恩赦で戦後も生きながらえている)

最後に2・26事件が30〜40分程見せるのは何故か。血盟団事件を契機に同じ現状打破、国家改造思想を持った事件が出てきたことを描きたかったのか。はたまた高倉健さん鶴田浩二さんとか大物をキャスティングできたからか。小沼の話で終わりにしてもよかったけど226事件は白黒映像でこれはこれで見応えがあった。

話を戻すが小沼。時代は不況の只中で失業者が街に溢れ、庶民はエログロナンセンスに明け暮れ、政財界や軍幹部は腐敗して己の私服を肥やすことばかりしている。どこか現代と似たような状況下。しかし今と違って若者はこの国を何とかしたいという憤怒近い情熱で暗殺を決行していくのである。ギロチン社事件の古田大次郎が言っていたテロリズムは民衆に残された抵抗?だよと話していたのが印象に残る。

暗殺は暴力に訴えることでもあるので、現在の感覚では絶対悪である。また、暗殺犯は殺されるか長い刑期を受ける為、個人の命を重視する時代においては動機付けが厳しいのかなあ。思想に殉教するよりも安穏と平和と諦念に行き着くのだろうか。
また江戸時代から続いてきた日本人特有の死の捉え方。文字通り、生命を懸けてひとつの主張をする、その事が美徳であるという赤穂浪士的精神が戦前まで続いてきたんだなあと。

井上日召との師弟関係も良かった。師は逃げれるなら逃げろよと銃を渡すが、銃の扱いが下手だった為、確実に一人一殺を果たす為に至近距離で銃を放ち、逮捕される。 

それにしても小沼がカステラ屋で出会うたかちゃん、地元で持病を患っていた農家の子、2人ともとても美しく見えた。主人公が絶対に幸せになれない、手に入らない女性だからこそ美しく見えたのか。

昭和恐慌時代の庶民の生活を見たのも初めてかもなあ。役人ひどい奴らだわ

千葉真一がだんだん劇団ひとりに見えてしまった笑
 
○シーン
226事件の首謀者らが処刑されるシーン、天皇陛下万歳に交じって、こんな国だめだ〜とか軍幹部批判の声をあげる

安田善次郎暗殺をの時の菅原文太の凄み

2021.140
〈東京裁判から75年 映画を通して戦争や日本の歴史について考えよう〉
20:05開映(18:00開映『あゝ同期の桜』) 
ぴよ

ぴよの感想・評価

-
「なにがきみのしあわせ
 なにをしてよろこぶ
 わからないままおわる
 そんなのはいやだ」 

(やなせたかし)
タイトル通り日本の暗殺、テロを描いたオムニバス映画だが、実質血盟団事件とその影響による二二六事件の顛末が中心

小沼正に寄り添って、テロリストも普通の人というか誰もがそうなるかもしれないという描写が面白い

ただ宗教とか国とか個人より大きいものに取り込まれるとやっかいだなと

また理想を持って暗殺しても、権力やその内部の権力構造に搾取されているのがむなしい

顔の上半分だけ白い布で覆われて「天皇陛下ばんざーい!」とか言いながら口元だけ見える処刑シーンが印象に残った
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