名作「ベニスに死す」のヴィスコンティ監督の作品と聞いて楽しみにして見ていたが、ただ長いだけで何の面白みも無かった。
冒頭の展開から名門貴族が落ちぶれて、そこから劇的な展開があるのかと思っていたが、革…
物語は公爵ファブリツィオが壮麗な邸宅で家族と祈る場面から静かに始まる。
はつらつとした若さに満ちた甥のタンクレディがやってくる。彼も貴族であるがふさわしい資産は持っていない。自らの将来をその手で切…
虚栄心は貧困にも勝る。
時代の波にのまれ沈みゆく貴族の悲哀が、豪華絢爛な舞踏会の狭間に描かれる。
監督自身も貴族出身の城育ち。加えて完璧主義者ときたものだから、こだわり抜いた貴族の描写からはいけ好…
ヴィスコンティ作品はどうにも傲慢さが感じられて苦手だけど、この映画には圧倒されてしまった。
時代の激流が見事に映像に落とし込まれているように感じる。
とにかく映像に隙がないというか、“本物”という言…
衰退への道を辿るイタリアの名門貴族を描いた長尺の映画。
ヴィスコンティらしくリアリティを追求した貴族の館、そこで開かれる舞踏会の豪奢さが圧巻。大量の蝋燭が灯されたシャンデリアと燭台、それを点けて消し…
17世紀の産業革命をいち早く果たしたイギリス、18世紀フランス革命以降のブルジョワジーの進展をみたフランスと同時期にイギリスからの独立を果たしたアメリカを、先進近代国家とするなら、ドイツ、日本、イタ…
>>続きを読むネタバレ
統一イタリアに翻弄されるシチリア島の貴族
鬼門ヴィスコンティの長編大作。
19世紀半ばイタリア統一直前直後のシチリア島が舞台。
島の名門貴族がガリバルディ革命軍の蹂躙をいかに回避し、イタ…