真剣勝負の作品情報・感想・評価

「真剣勝負」に投稿された感想・評価

相変わらずほんのり卑怯な錦之助武蔵vs獣のごたる三國梅軒。
タイトルに反し、クライマックスでは2人は碌に斬り合わない。
あまつさえ錦之助は赤ん坊を人質に取って逃げ回り、三國連太郎は絶対当たらない距離でヒステリックに鎖鎌を振り回し、沖山秀子は唐突に母乳を吹き散らし、ブリキ人形丸出しの赤ん坊が戦場を這いずり回る。

真剣勝負というタイトルを反語的に冠したとしか思えないカオス時代劇。
無駄な部分がなくリアル
平気で子供を人質にする武蔵にちょっと引いた
三國蓮太郎が終盤ゴジータ
uuu

uuuの感想・評価

4.0
武蔵VS梅軒&梅軒の嫁も熱いが、颯爽と現れた梅軒が野に火を放つシーンのクライマックス感に痺れる。

梅軒の嫁が「乳が張って狂いそうだよー!」と絶叫したあと後に、黙々と母乳を絞りだす姿があまりにも衝撃的すぎて目眩を起こす。

止めの画でモノローグを流す演出はストーリーの流れが止まってしまうので、あまり馴染めなかった。
マジで狂ってる。
赤子の前で鎖鎌をぶん回す宍戸梅軒の嫁とか平気で赤子を人質にする武蔵がヤバいんだが、「乳が張って狂いそうだよ!!!」と絶叫する嫁が極めつけにヤバい。
ラストの炎上する背景と錦之助のすさまじい表情は圧巻。
この狂気こそ映画。
内田吐夢監督の遺作となった宮本武蔵番外編。説明すっ飛ばして面白いことしかやってない。大福餅のあんこだけ。これは凄い!
人質となった子どもを挟んで、武蔵の兵法と、梅軒夫婦のキャラクターが浮かび上がる憎いほど上手い脚本。反則とも言えるようなストップモーションとモノローグ、発狂する梅軒のやり過ぎ描写などなど、内田吐夢監督の演出は遂に武蔵の兵法と一体化。勝つ為には手段を選ばず。映画は畢竟暴力、 殺人剣即活人剣!

このレビューはネタバレを含みます

宮本武蔵五部作を見てから見るもよし、見ていなくても単独で見てもいい作品だろう。自分は、キネマ旬報のベストテンを追いかけてこの作品を先に見てしまったのだが、宍戸梅軒の子供の太郎次を盾にしている武蔵に面喰らってしまったし、決闘結末を見せぬままのエンディングを迎えるこの作品に驚愕させられた。ストップモーションになり、武蔵や宍戸梅軒の心情が語られる様子もいいタイミングで使われているな。死ぬことの中に生きることを見つける宍戸梅軒。三國連太郎のラスト近くの脂ぎった顔が強烈だ。竹筒の中に太郎次にやる乳を絞り出しているお槙の様子も印象に残ってるな。オープニングの武蔵の今までしてきた勝負を次々と見せていく様子が素晴らしいな。
電信柱

電信柱の感想・評価

5.0
映画からいらない要素を色々剥ぎ取っていくと、最終的な残るものはこんな感じになるのかも。映画監督志望の人なんかは観ておいた方が良いでしょう。ここにはただ映画しか無い!
法一

法一の感想・評価

3.7
 ぶっとび映画。80分に満たない映画とはいえ、こんなことが許されるのか……。しかしあの冥界のような梅軒宅はすごい。
 モンテ・ヘルマンの西部劇のような趣があります。
巨匠・内田吐夢の遺作にして尋常じゃない一作。
あまりに乾いたリアリズムに満ちた伊藤大輔の脚本とそれを具現化する見事な美術(中古智・セットのみならず衣装にも注目!)も去ることながら、画面が異様な迫力に満ちているのはやはり内田吐夢の演出に寄るものだろう。
シネスコ画面の中央に役者の顔面を置き少しずつクローズアップしていくことで"内面"を描写する、ストップモーションで心中を喋らせる、あまりに非道な宮本武蔵(中村錦之助)像、燃え盛る野火の中で武蔵が「殺人剣即活人剣」という悟りを開いて終わるラスト。こうして羅列してみると無茶苦茶で、実際無茶苦茶なのだが、なぜかそこには説得力がある。怪作!

このレビューはネタバレを含みます

勝負の物理的な決着ではなく、武蔵の内面の決着を以って、「終」を出すあたりに顕著なように、全体を通して内田吐夢にプログラムピクチャーを作るつもりはなかったようだが(健康の問題かもしれないけど)、それにしてはやたら面白い。
まるでこの後何本でも撮れてしまいそうな若い映画である。本当に。
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