宮本武蔵 二刀流開眼の作品情報・感想・評価

「宮本武蔵 二刀流開眼」に投稿された感想・評価

宝蔵院の坊主どもの、戦時の日本軍指導者っぷりに嘆くシーンから吉岡道場の清十郎との戦いまでです。小次郎が出てきます。このいけ好かない野郎を高倉健が演じます。又八も久々の登場でクズっぷりをまた発揮して辟易してしまうかなと思いきや、人間の陽の部分を担う武蔵に対して陰の部分を又八が担っているのかと思うとかわいささえ感じ始めます。二人はコインの表と裏なんでしょうね。ちなみに武蔵は一振り清十郎の肩を砕いてしまい、私の腰が砕けました。もっと競り合う戦いを期待していました。
1SSEI

1SSEIの感想・評価

4.0
内田吐夢監督、中村錦之助主演「宮本武蔵」五部作の三作目
今作は武蔵ではなく、それを取り巻く人々の方にスポットを当てた作品になっている

まずライバルである佐々木小次郎が初登場。演じるのはまだ若かりし大スター高倉健。だが…まあ似合わないこと似合わないこと。健さんもやらされてる時期があるんだね

個人的には圧倒的な天才を前にした凡人たちの物語が大好きなのでたまらないものがあった
一作目から登場している武蔵の幼馴染又八を演じる木村功。彼の無様に地を這ってでも生き延びようとする人間臭さがたまらない
そして実質今回の主役でもある名門吉岡家の二代目清十郎。プライドと初代から引き継いだ家の名前のため、武蔵と戦うことになるが実力に差があることはわかりきっている。それでも挑み、無残なまでに打ちのめされ、それでも気丈に振る舞おうとする
この無様さがなんとも切ない
三樹夫

三樹夫の感想・評価

3.5
柳生石舟斎という達人と手合わせを願う武蔵。しかし、もはやお馴染みのパターンだけど、邪魔が入ってその願いは成就せず。見事な腕前で花を刀で切る石舟斎、自身も刀で花を切るが石舟斎程のうまく切れていないと落ち込む武蔵、石舟斎と武蔵の切り口の違いが分からない他の侍たちという見せ方で、武蔵は既に凡人の域ではないことを示し、また石舟斎はその武蔵をも上回ることを示すという、剣豪番付を花の切り方で提示している。
しかし、今作では武蔵の出番は少なく、主役は吉岡清十郎と佐々木小次郎。佐々木小次郎初登場で、高倉健が演じているのだが、ニヒルな佐々木小次郎でどことなく成田三樹夫チック。
二代目というプレッシャーに押しつぶされる吉岡清十郎。ついに武蔵VS吉岡清十郎が実現するが、この宮本武蔵シリーズはチャンバラよりも武蔵の青春映画というのに力点が置かれているため一瞬で片が付く。一応二刀流開眼だが、二刀流の影は薄い。
mingo

mingoの感想・評価

3.6
バガボンド読んでたからめちゃめちゃストーリーわかるけど、読んでない人が急に本作から観たらちんぷんかんぷんだなと思った。何より高倉健の佐々木小次郎より木村功のニセ小次郎の方が佐々木小次郎っぽいというのが一番笑える。おばばが浪花千栄子なのは少し若い気がしたが適任は北林谷栄だろう。ラスト見せ場で吉岡清十郎の江原真二郎が武蔵に2秒で負けて爆笑したし、赤壁八十馬役の谷啓は出落ち。助監に山下耕作。
一

一の感想・評価

-
高倉健の佐々木小次郎より木村功のニセ小次郎のほうが小次郎っぽいという逆説が起こっている。
シリーズ第3作で、充実していて見ごたえたっぷり。これまで登場してきた人物が交差していく展開で面白い。
剣豪が互いの技のすごさをささいな手掛かりから気付く場面が多くて、いちいちツボだった。それだけだったら中2的な作品かもしれないけど、果し合いに不安になり、破れる者にも焦点を当ててるのが良いと思う。

俳優さんも適材適所で、特に江原真二郎は完全にボンボンに見えるし(衣装もボンボン)、健さんのいやーな感じの佐々木小次郎(目が怖い)も似合っていた。

「錦之助映画祭り」@ラピュタ阿佐ヶ谷
Hiro

Hiroの感想・評価

3.9
Retrospective
シリーズ観賞。武蔵、悟りの境地に。
五輪の書の起源と真髄がここに
錦之介さん、素敵‼️
二刀流の極意がここに
私は、断然錦之介武蔵です。
宿命の好敵手、佐々木小次郎(高倉健)が初登場してくるシリーズ三作目
見始めたら、止まらない
宮本武蔵シリーズ第三作。

とうとう宿敵・佐々木小次郎が登場! しかも演じるは高倉健!
そしてこれが何ともミスマッチ! 
寡黙で真面目な健さんが、白粉を塗ったような優男になって、前髪を垂らし、桃太郎のような白い羽織を着て、ニヒルに口元を歪ませているのを見ていると、なんだかむずがゆくなる。
イメージに合わない役を俳優にぶつけて化学反応を起こそうという内田吐夢監督の試みは非常に好きだし、『宮本武蔵』で枯れた坊主の役をギラギラの三國連太郎に、『たそがれ酒場』で清純派の津島恵子をストリッパーの役に宛がって大成功しているが、健さんは健さんでしかなかったか(笑)

道場の二代目というプレッシャーに耐えきれず女に逃げる悪役が、武蔵との決斗で敗れるも最後の最後に男の意地を見せる場面で盛り上がったところで幕というのがニクイ。
小次郎初登場のシーンで舟の後ろでアニメのカモメが飛んでいたが、あれは何だろうと思ったが、やはり東映アニメーションという強力なバックアップが飛ばしたものだろう。本当に東映を総決算させるシリーズということが伺われる。
シリーズ第3作。
大変面白かった。

これまで描かれてきたキャラクターたちが絶妙に仕上がっている。
冒頭の花の茎の切り目を巡る攻防。
お通さんと悲劇的な再会から失踪する武蔵。
そこに高倉健演じる桃太郎みたいなコスプレで若々しい変な芝居をする高倉健。
無口ではなく結構喋る。
が、意外にお茶目で面白い。
そこからサブキャラたちのその後が描かれていく。
相変わらず演技が危うすぎるお通さん役の入江若葉。やんちゃで可愛い城太郎。ダメダメな感じの中に物悲しさを感じさせる木村功。武蔵を付け狙う踏んだり蹴ったりな又八の母。

とにかく群像劇として楽しい上に、それぞれの運命が交錯して作劇的にも盛り上がる。

柳生石舟斎への接近をひとまず断念し、そこから一切劇中に武蔵の登場はなくなる。
狙いを吉岡清十郎に定めて、挑発に次ぐ挑発を繰り返すが姿をまっあく見せない武蔵。まるで暗殺者となりジワジワと追い詰めていく演出が見事。

そして武蔵の影にこれまたジワジワと追い詰められ恐怖に怯える吉岡清十郎の物語。
ラストは壮絶。
一本調子になりがちなストーリーを様々な要素や斬新な演出で多層的に見せている内田吐夢監督の手腕。さすが。
3作目にして宮本武蔵を主人公にせず、姿の見えない不気味な相手として描いているのが凄いです。

柳生一族の里の描き方や、花を使った強さの比較、一瞬でつく決着、最後に真っ赤に染まる空など演出がとても見事でした。

題名は偽りあり、というか二刀流開眼の瞬間は一瞬で特に重要ではないです。
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