スペードの女王の作品情報・感想・評価

「スペードの女王」に投稿された感想・評価

ギャンブルに距離を置いてる寡黙な良識派だと思ったらとんでもない金の亡者。ラブレター指南書をまんま書き写しても恥ずかしさの欠片もなさそな厚かましさ。そしてそれに負けない老伯爵夫人のいけずな造形と執念。異形の脇役陣。酒場、道、市場や舞踏会でも画面の隅々まで動きがあってくらくらする一方、鏡や窓使いの巧みさや恐怖をそれだけで具現化する一陣の風の力強さに唸る。よかった。
horahuki

horahukiの感想・評価

4.4
名作サスペンスホラーとして名高い作品!
最初はちょっと眠かったんですけど、中盤あたりからグイグイと引き込まれ、気づいたら夢中で見てました♫

先月レンタル開始したんですけど、TSUTAYAの近隣店舗全部取り扱いなし…。本当にお取り寄せって良いですね!時間はかかりましたが、見れて良かったです👍

あらすじ…
1800年代初頭。主人公は工兵隊長。今まで堅実に出世してきたが、これ以上の出世には強力なコネか莫大な金がいる。そこで偶然見つけたとある本。そこにはギャンブルで勝てる必勝手の存在とそれにより大金を手にし、唯一その手を知っている公爵夫人のことが記されていた。公爵夫人が存命なことを知った主人公は、何とか取り入ろうと計画をし始めるが…という話。

人は本質的には善良なのか。欲に目がくらみ悪に心を売ったとしても、その奥底に善は残っていないのか。そういったことをテーマにしたサイコホラー。

主人公は出世のために悪に心を売ってしまう。自分のためなら、他人なんてどうでも良い。序盤は堅実そうに見えるシーンもあり、迷いがありそうな主人公でしたが、出世欲に負け、真実かどうかもわからない事柄を盲信し他人を貶めようと行動し始める。主人公の行動を象徴するようにナポレオンの名前が度々出てくるのが印象的。そして、目的の達成が目前に迫った時の狂気の表情はまさに悪魔のよう。冒頭の堅実な主人公とはまるで別人で、その変貌ぶりがこの映画の1番怖いところだと思います。

音をうまく使ってるのも良い。公爵夫人が歩く時に必ず聞こえる衣摺れの音。それを恐怖シーンに取り入れることで、何も映さなくても公爵夫人の存在を感じさせ、それが恐怖へと繋がっていく。カーテン越しの人影、ドアの開閉、吹き込む風等、恐怖演出は本当に素晴らしい。

タイトルの『スペードの女王』とは、そのまんまトランプのカードのこと。劇中でトランプを使った賭け事をやるんですけど、その中で不運な引き札としてジンクス的に言われてるのがスペードのクイーンなんです。ただ最後まで見ると、このスペードのクイーンが非常に大きな意味を持ってくる。どれだけ悪で塗り固めても、心の奥の奥に、人間の本質として、微かだけど確かに存在する「善」を表現する素晴らしいアイテムになっている。傑作でした♫
加賀田

加賀田の感想・評価

4.5
ずっと微妙だったけどラスト20分で持ち直して嬉しい ヒロインの部屋がつげ義春の「外のふくらみ」っぽい気もした 人間の映る鏡やガラスが頻繁に出てくるが、死ぬことになる伯爵夫人だけそれらに映るシーンがなかったように思う
同監督の「ガス燈」もなかなか傑作だったが、本作品も閉塞感漂う中、人々が奔走しながら狂気を紡いでいく傑作サスペンス。ホラー要素あり。ウォルブルックがやってることが「ガス燈」とほぼ同じで、安定の高貴な悪党。原作、 プーシキンの短編だとさすがに短いのでゲルマンが切り札について知る経緯やキャラ作りなどにおいて脚色が加えられ、こってりしていて充実。意外と心の声が多くて心情を吐露しまくってるが、台本は軽妙。"Don't interfere with my plans, you insolent young puppy!"とか傑作。あと"Your queen is lost!"でサンプリングしたい。鏡の存在感とか、時計の秒針と伯爵夫人の命が連動してるのとか、とにかく映像表現が秀逸。 番犬がダメすぎるのはご愛嬌。

2017/4/30 DVD
人生ベスト級に素晴らしくて衝撃を受けている。一人のギャンブラーが悪魔に魂を売るという映画。
精神が侵食される様子を見事に画面で表現している。ちょっとこれは衝撃だ…
イギリスは回転といい、こういうタッチの映画撮らせたら最強かも。

画面の豊かさが半端ない。屋敷の裏通路から逃げ出した主人公が朝の雪の積もった往来を走るときに馬車とすれ違うとこなんて神がかってるし、家についてからの風と扉、跳ねるコップの水、、、表現が豊かすぎる。

音の使い方も滅茶苦茶いい。
犬の鳴き声、風、時計の音、、、
いやーー、すごかったまぢで。
こんな映画あるんだなー。
世界は広い。
KENNYBOY

KENNYBOYの感想・評価

2.3
オペラ『スペードの女王』の劇場版。分かりやすく、ストーリーが展開されてゆく。