サイレント期映像のほとんどが失われ、泉鏡花の世界を描いて第一人者の溝口健二監督の「瀧の白糸」と並ぶ価値ある一作であり、山田五十鈴、夏川大二郎主演のフレッシュさと人生流転の残酷さ女の悲哀が凝縮された傑…
>>続きを読むサイレント映画。
泉鏡花原作。
持ってかれる。
この映画に鷲掴みにされた。
ストーリーは悲惨な人情噺というような暗い話だが、
セット、照明、エキストラに至るまですべての役者が印象に残り、画面に映…
学問を修めるためには金がいる。その金をどう稼ぐのか。人間は、ほんとうのみじめに陥ると地べたに這いつくばって泣くのだと見せつけられる。自分たちを憐れんでくれるのは仏様だけ。折鶴が飛び立ち、山田五十鈴の…
>>続きを読むお千さんが折り鶴ふうっと飛ばすだけで泣けてくる。
瀧の白糸で入江たか子が兼六園で強盗されるあたりの一連も良かったが、妄想病棟での山田五十鈴の身体性。あっちとこっちの狭間にいるモノの幽玄をみた気がした…
「慚愧の念」という言葉を初めて知った。活弁であることで、距離感を持って観られてほんとに良かった。
夏川大二郎のぶりっ子っぷりがなるほど楽しい。山田五十鈴が白く光ってて美しいかったな。動きがある所も素…
日本映画の監督で大好きな溝口監督。
慈悲深く姉のようであり母のようでもあるお千さん。
ある時は菩薩のようなお千さん。
悪党の喰い物にはされるけど、どこか強さもあるお千さん。
儚く、けれど、それでも映…
池袋・新文芸坐で鑑賞。
「活弁士付き上映」(活弁士は澤登翠さん)で、とても楽しい映画鑑賞だった。
溝口健二監督の1935年マツダ映画社の無声映画。
当時18歳の山田五十鈴が美しい。
冒頭は、…
冒頭の回想シーンの描写は今観ても秀逸。
(その後語られる物語の掴みとしても)
お千が発する言葉がこの上ないほど美しい。
溝口作品は音楽も抒情を誘うのか...。
終盤の展開は『瀧の白糸』同様、綺…