さよなら子供たちの作品情報・感想・評価

「さよなら子供たち」に投稿された感想・評価

eirina

eirinaの感想・評価

4.8
大好きな映画は、と聞かれたらこれを答えるようになっていた。
きっといつまでも、そういう映画だと思う。
ルイ・マル監督作品。
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品。
1944年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。クリスマス休暇を終え、カトリックの寄宿学校に戻ってきた主人公ジュリアン・カンタン。学校に戻ると3人の転校生が来て、その内の一人ジャン・ボネはジュリアンのクラスに入ることになるが・・・という話。
ルイ・マルの自伝的作品。

撮影、キャスト、ファッションがとてもいい。ネイビーのニット、ウールのコート、軍のジャケット。主人公が持ってるリュックが特に欲しい。

話は割りと日常をたんたんと描くけれど、戦争の影が随所に入る。竹馬合戦と、『チャップリンの移民』の生伴奏付上映の多幸感が良かった。おでこに母親のキスマークを付けて、車窓から主人公が風景を見つめるオープニングからして素晴らしい。

ゲシュタポが教会に乱入してくる時の緊張感がすごい。目が画面に釘付けになる。最後の神父と子ども達のさよならの言い合いが悲しい。
にへ

にへの感想・評価

4.4
自分は小学校の絵画コンクールで4回ほど学校の代表に選ばれて県から賞を貰ったことがあった。別に絵が上手かった訳ではない。現に技術が求められる中学の美術になると成績は中の上くらいになった。

じゃあなんで、と聞かれると自分で言うのはおこがましいのだが、発想が他の人とは違かったのだと思う。「運動会」をテーマに絵を描いた時も、周りがスナップ写真を参考に写実を試みる中で、自分は一人空想的な、やや岡本太郎っぽい絵を描いていた。勿論、小学校でそんな現代画家を意識するような鼻につく考えは持っていなかったし、周りと違うことをやりたいなんて天邪鬼もなかった。筆のゆくまま、自然と自分はそういう絵を描いていたのだと思う。

賞を受けた時に周りの大人から褒められるのは嬉しかった。その一方で同級生からの反応はイマイチだったし、自分でも絵は上手くないのに褒められている理由を咀嚼しきれていなかった。むしろ後ろめたいという気持ちの方が強かったかもしれない。周りと違う自分。僕は周りと同じが良かった。だから昼休みはサッカーをした、放課後は公園に行った、カードゲームやベイブレードなんかも集めたりした。だからいつもは皆んなと同じで居られると思った。

なのに絵を前にすると誤魔化せなかったし、それは国語の時間の感想発表でもそうだった。白い画用紙と物語はそれを見逃してくれなかった。体育館に並べられた絵と、教室に並べられた詩は僕の孤独を晒し上げた。おそらくその頃からぼくは自意識過剰だったのだろう。周りはそんなの気にしてないのに。周りは僕を知ろうともしていないのだが、僕は次第に周りは理解する能がないと考え始めた。感性の優越なんて考えてすらいたかもしれない。

ただ、それが知られるのはまずいと子供ながらに本能的に感じ取っていたから慎重でいられた。そのために道化は便利だと考えた。だから道徳の時間には敢えて不道徳な意見を投げかけた。時には「嘘っぱち」なんて言葉を使って物語という概念自体を揶揄ってやろうともした。先生は失意を浮かべるが、周りは笑った。色々書いたが、結局僕は一人で居られるほどしなやかでなく、人を必要とした。

ジュリアンは僕より優秀だが、ボネが来るまではおそらく僕と同じことを感じながら生きていたのだと思うし、ボネだって彼と出会う前はそうだったのだと思う。いや、それ以上の苦悩が、死んだ蝿の羽を毟るボネからは感じられる。感情がないからいいんだ。屈折した二人の感情。

僕はついに出会えなかったが、お互いの感性を認め合える友人に初めて出会った二人の気持ちが、美しい映像を通じてひしひしと感じられる。対戦下のヨーロッパを覆った冬の冷たい空気の中で暖をとるように二人は親密な関係になっていく。寒色と暖色の淡いコントラスト。特に校長室での告解場面と、逢魔時の森での宝探しのなんとも言えない空気の色はずっと忘れないと思う。

にしても分かっては居たけどラストは胸が痛い。一緒に肩を並べて映画を観ていた友人と僕らの違いってなんだったのか。見た目も変わらない。同じことで笑ったし、怖がった。宗教は違えど、皆んなが夜寝静まってから一人で蝋燭を立てて熱心に祈っていた彼の顔を僕は知っている。なのにどうしてなのだろう。幼い日に犯した罪は僕たちに一生残る傷を与えるとともに、僕たちはそうして世の中を知っていくのだ。
さよならしているのは大人の方か、子供の方か。
あ

あの感想・評価

4.3
子供たちの学校生活という平凡な風景の中に、戦争の不穏な空気が近づいてくる、しかしそんな中でもチャップリンを観て笑い、ピアノを弾いて笑う、あったかくて美しいシーンに胸が詰まる、最後ゆっくりと静かに溜まっていく涙にこちらも泣きたくなる、子供にこんな哀しいさよならを言わせちゃだめだよ
ぎこちなくピアノ弾くシーンが好き。そんな終わり方ある?
りさ

りさの感想・評価

4.5
大学生の時、この作品のシナリオを和訳する授業があり出会いました。率直に、悲しくなります。こんな事が当たり前に起きていたんだろうと思います。音も少なく静かな映画。観る年齢によってまた感想がかわってくる気がします。またもう少ししたら観直そう。
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