必死剣 鳥刺しの作品情報・感想・評価

「必死剣 鳥刺し」に投稿された感想・評価

こもえ

こもえの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

母と弟がいいよと言っていたのでずっと観たかった作品。こんなに悲しい物語とは思わなかった。

豊川悦司が藩のためと思ってお役目を果たしていたのに、実は上手く利用されていたことに気づいた時はえーっていう驚きがあった。

必死剣鳥刺し、その剣を出す時は半ば死んでいる…なるほどそういうことか!
なっこ

なっこの感想・評価

2.7
【あらすじ】
天心独名流の剣の達人・兼見三左エ門(豊川悦司)は、海坂藩藩主の妾を殺める。しかし処分は軽く、その腕を買われた三左エ門は藩主の命を狙う別家の帯屋隼人正(おびやはやとのしょう)殺害の命を受ける…。自らの正義を貫こうとする武士が政治的策謀に翻ろうされていく様を描いた人間ドラマ。

池脇千鶴演じる亡き妻の姪の所作がとても美しくて、惹きつけられた。
時代劇はドラマも映画も少なくなっている印象があるけれど、細々とでも良いから撮り続けて欲しい。着物を着た日本人ならではの美しい所作を後世に残せるように、見る人の目に焼き付いて、その美しさが分かるように、残していって欲しい。
くぅー

くぅーの感想・評価

3.7
“半ば死んでいる”状態での秘剣である鳥刺し…うむ、凄まじいクライマックスの執念の斬り合いはかなりの見応えがありましたね。
ただし、見終わってあれこれ思い返すと、やや物足りなさを感じたのも否めず…剣の流派の名前が幾つか出てくるが、殆ど見せてくれないし。
時間軸をずらすのもいいが、むしろ冒頭の謀反に至るまでを掘り下げて欲しかったかなぁ。
しかし、武士の生き様は格調高く描かれ、平山監督のこだわりも随所に。
豊川悦司…落武者頭が改めて似合いすぎと感心。
よしこ

よしこの感想・評価

1.0
藤沢周平作品の隠し剣シリーズとしては山田洋次監督に続き3作目の今回。
たそがれ清兵衛、隠し剣鬼の爪、武士の一分と面白かったため今作も当然同じ様に期待したが、監督が変わるだけでこうも違うものかと思った作品のひとつである。


時は江戸時代、寒村を領内に置く海坂藩は側室の連子が藩主・右京大夫をそそのかし豪奢な暮らしを続けていた為に困窮の一途を辿っていた。
悪政に苦しむ領民の嘆願を通称「御別家」の帯屋隼人正が従兄弟として藩主に意見をするも連子・右京大夫は意に介さずこれを追い払う始末で、見かねた家臣の兼見三左衛門が殿中で連子姫を手にかける所から物語が始まる。


要はお家騒動と家中の人間に焦点を絞った王道的なお話なのだが、いかんせん監督に時代劇の知識が無いのか魅力を全く感じられなかった。
劇中で豊川悦司扮する兼見が閉門を命じられるが彼が行ったのはその上の屋敷の一室に籠る蟄居であり、翌年にそれが解かれるも湯浴みの際にはまるで今そこでシャワーでも浴びてきたかのように綺麗な身体を晒している。普通1年も風呂に入らなければ体中垢まみれで薄汚いものだと思うのだが、汚れひとつ無い。
そしてその裸身はとても武芸百般に通じる武士の引き締まったそれでは無く、たかだか貧乏藩の御家来衆であるにも関わらず豊かな贅肉を披露している。

その身体を洗うのは一度は他家に嫁いだ出戻りの姪(池脇千鶴)であり、兼見はいつまでも下働きとして世話をさせる訳にはゆくまいと姪の身の上を想って縁談を強引に進めるも、結局は一夜を共にしてしまうのである。が、その寝所に向かうのは姪では無く主人の方からというから驚きである。
自制心がこの様にブレては兼見三左衛門という男が刃傷に及ぶまでの覚悟に説得力が生まれず、総じて何がしたいのかがよくわからない。
そもそもトヨエツは何をしてもトヨエツなのだから、どうせなら別の映画でもっと怒気を含んだ鬼の様な配役の方が彼に似合うのでは無いだろうか。

他にもこの映画には徹頭徹尾キャラクターにそれを作り上げる台詞や動機(魅力)のようなものが無く、結果として覇気の無い間延びしたやり取りをさも時代劇特有の間とでも言いたげに見せられ、長ったらしい殺陣をスローカットでウンザリする程撮るしか見せ場を作れなかった監督は杉浦日向子氏を呼んで時代考証からやり直してみてはいかがだろうか。
初)藤沢作品は数あれど平山監督の今作は随一じゃないかなと思わせる良作。まず役者がいい。無駄口を言わせてない脚本も素晴らしく山田演出とは違う過剰がない抑えた演出。良い。それでもきちんと豊川サンと池脇サンの濡れ場を撮るところなど平山監督のセンスの良さを感じました。御別家が殿を殺害しようとするに至った心の描写をもっと詳細に描いていたら満点に近い出来…BSで藤沢作品特集やってくれたらなぁ~この作品の出来の良さが解ると思うなぁ…
『隠し剣鬼の爪』『武士の一分』等に続く封建社会の不条理を描いた藤沢周平の時代小説の実写映画シリーズ。本作はそのなかでは地味な部類の話だが、映画としては最も緊迫感があり、そして何より血生臭い。
兼見三左エ門は、斬首・割腹は勿論のこと、お家お取り潰しをも覚悟で悪政の原因である藩士の妾を殺害するが、老中の嘆願によって余りにも軽い沙汰を受けることとなる。その温情に報いるために裁きを受け入れ、老中から下されたある密命を受け入れるのだが、なおも悪政治は続き…。
主人公が武芸に秀でた剣豪だということは前半で説明されず、中盤の家老の台詞で初めてわかるのだが、それが明かされるまでは序盤の能楽や、粛清の名のもとに民が無情にも処刑されてゆく場面などをテンポよく描くことで、こちらの興味を物語に一気に惹き付けようとする演出に感心した。何度も時系列が前後し、回想シーンの中にもうひとつの回想シーンが重なったりと、所々語りが拙い部分もあり集中を要するが、多くのカットがどれも美しいので一見の価値ありなのは間違いない。
豊川悦二と吉川晃司の斬り合いをする場面は、静的なアクション性が強調されていて、相手との間の取り方や鋒を向けた角度など、そのすべては相手の殺傷を目的とした所作であり、実際の命のやり取りとはこういうものだったのだろうと感じさせる眼が離せない場面だ。刃物で斬りつけられると血が出て痛いくて立っていられないし、そんなものを向けられるのは酷いし怖い。そんな当たり前のことを、卓越したリアリズムでもって克明に描き出している!
襖に血が飛び散る場面は、三池崇史あたりが監督していたら笑ってしまいそうなスラッシャーになっただろうが、本作の血飛沫は品のよい映画演芸としてみることができた。
緊迫と不条理を内包しながら、ラストの剣劇にこれまでのすべてを集約させてゆくダイナミズムは、多くを雄弁に語らない。日本映画として、時代劇として、この上なく正しい。
solosolo

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3.8
時代劇でしか出せない静寂と緊張感。
あの時代の有り様がそうさせるのか。
作家藤沢周平の描く愛と義が胸に迫る。
kuma

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3.0
鬼の爪が凄く良かったので、それと比べると若干物足りず。
でも殺陣は凄かった!
pier

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3.7
後半の殺陣がやはり見どころです。
時代に翻弄される男の話ではありますが、最後は少し希望が見えたかなと感じました。
鳥刺しは居酒屋にはありませんでした。
「必死剣 鳥刺し」というものの、それがメインの物語ではない。しかし、関連付けるきっかけとなる部分が取って付けたような出かたなのも興ざめ。
三左エ門の心情を、初っ端時点で描ききれてはいない上に、後に理由もわかることはない。第三者的に見て、お上の側室の悪女なのはわかるが、なぜ殺害にまで至ったかが不明なまま。

しかし、終盤の畳み掛けは良かった。
殺陣や老中の策士感などは魅せてくれるじゃあないか。
鳥刺しに関しても、おそらくそこで使うのだろうなという期待に答えてくれた。予想ができたが、シーンとしての出来はいい。
死亡フラグを立てるのはベタ過ぎるが。
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