必死剣 鳥刺しの作品情報・感想・評価

「必死剣 鳥刺し」に投稿された感想・評価

小森

小森の感想・評価

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鳥刺しがかっこいい
初)藤沢作品は数あれど平山監督の今作は随一じゃないかなと思わせる良作。まず役者がいい。無駄口を言わせてない脚本も素晴らしく山田演出とは違う過剰がない抑えた演出。良い。それでもきちんと豊川サンと池脇サンの濡れ場を撮るところなど平山監督のセンスの良さを感じました。御別家が殿を殺害しようとするに至った心の描写をもっと詳細に描いていたら満点に近い出来…BSで藤沢作品特集やってくれたらなぁ~この作品の出来の良さが解ると思うなぁ…
その技 必死なり
『隠し剣鬼の爪』『武士の一分』等に続く封建社会の不条理を描いた藤沢周平の時代小説の実写映画シリーズ。本作はそのなかでは地味な部類の話だが、映画としては最も緊迫感があり、そして何より血生臭い。
兼見三左エ門は、斬首・割腹は勿論のこと、お家お取り潰しをも覚悟で悪政の原因である藩士の妾を殺害するが、老中の嘆願によって余りにも軽い沙汰を受けることとなる。その温情に報いるために裁きを受け入れ、老中から下されたある密命を受け入れるのだが、なおも悪政治は続き…。
主人公が武芸に秀でた剣豪だということは前半で説明されず、中盤の家老の台詞で初めてわかるのだが、それが明かされるまでは序盤の能楽や、粛清の名のもとに民が無情にも処刑されてゆく場面などをテンポよく描くことで、こちらの興味を物語に一気に惹き付けようとする演出に感心した。何度も時系列が前後し、回想シーンの中にもうひとつの回想シーンが重なったりと、所々語りが拙い部分もあり集中を要するが、多くのカットがどれも美しいので一見の価値ありなのは間違いない。
豊川悦二と吉川晃司の斬り合いをする場面は、静的なアクション性が強調されていて、相手との間の取り方や鋒を向けた角度など、そのすべては相手の殺傷を目的とした所作であり、実際の命のやり取りとはこういうものだったのだろうと感じさせる眼が離せない場面だ。刃物で斬りつけられると血が出て痛いくて立っていられないし、そんなものを向けられるのは酷いし怖い。そんな当たり前のことを、卓越したリアリズムでもって克明に描き出している!
襖に血が飛び散る場面は、三池崇史あたりが監督していたら笑ってしまいそうなスラッシャーになっただろうが、本作の血飛沫は品のよい映画演芸としてみることができた。
緊迫と不条理を内包しながら、ラストの剣劇にこれまでのすべてを集約させてゆくダイナミズムは、多くを雄弁に語らない。日本映画として、時代劇として、この上なく正しい。
taku

takuの感想・評価

4.0
豊川悦司と吉川晃司が戦うとこが好き!
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