このレビューはネタバレを含みます
正常に狂うとはこのことを言うのだと脱帽。
百合子のことを、統合失調症を患ったと言えば容易い。だが、結婚して家庭での時間が長くなれば、閉塞感は強まっていくだろうし、孝との関係も良くも悪くも雑になる。…
穏やかな日常を過ごしている夫婦の関係が、妻の不可解な行動をきっかけにゆっくりと崩れていく。
観ていて強く印象に残ったのは日常がじわじわと歪んでいく不安感。妻が少しだけ奇妙な行動をとることで、どんどん…
ずっと異様。'静かな美しさ'という怖さ
『或る夜の出来事』ように薬指がキラッと光ったり、『ゼイリブ』のような陰謀論的な会話だったり、『アブラハム渓谷』のような歩くカットだったり、、
なーんていうこ…
風に揺れる白カーテン。曇りガラスの向こう。ダイニングに用意される朝夕の食事。手前と奥を歩く逆光の人影。突っ立ち眺める。背中の後ろからの視点。窓枠で仕切られる。発つ電車を追う。急に走り始めて逃げる。話…
>>続きを読む遅く帰ってきた寺島進が「どうしたんだよこれ」と笑いながら食卓にならんだ料理を見つめる。でもローアングルだから、料理はミニトマトが見きれてるくらいであとは殆ど隠れてる。仕切り直しと言わんばかりに夫婦で…
>>続きを読むローアングルとアオリによって印象的に撮られるショットは役者を影に落としその内奥を妻は隠し、夫は晒す。部屋のショットは柱によって分断される。冒頭のベランダから見下ろす背中のショットから漂う怖さ。寺島進…
>>続きを読む「おかしいのは私じゃないよ、わかんないかなあ。」そうだよね。
誰かに助けてもらいたい気持ちはずっと持っているけど、その気持ちがあるうちはパートナーとか求めちゃいけないなと思う。優しいひとの心を削って…
言葉にするのは難しいけれど、強く胸に迫るものがあった 辛さや切なさよりも、覚悟か諦観か、希望か絶望か、わからないけれどそんな感じ 些細な台詞が効いているなと思った 「大事な電話を待ってるんだ」とか…
>>続きを読む