2人の別ちがたさと恋情が昂まっていく納得感。
その分水嶺は罪人になった時ではなく、生への諦めの瞬間にあった。
意地汚くともただ共に居たいという心が、むしろ生きたいすらも超えていく、恋愛なるものの狂気…
おさんが茂兵衛に抱きついた動きで船首が奥に向いてじわりと流れていく。この辺りから茂兵衛の父の元へ帰って追っ手に捕まる辺りであちら側の世界という感じが極まって、そこからまた現実に戻り、最終的には愛を描…
>>続きを読む雨月物語のやばさ(あれはやばい)は無かったが、外の景色を撮った瞬間のやばさや音楽のやばさがやばかった
あと舟のシーンや二人が引き離されるとこもやばいし、女の家のお母さんとのやりとりもやばいし、茂兵衛…
「死ねんようになった」
愛って実はけっこう単純なものなのかも。
流されもするけど、これさえあればなにも怖くないって思っちゃうし。ピュアか否かっていうのはあんまり問題じゃなく、それ(愛)が自分の中のど…
偽りの愛がいつしか真実となる逃避行。
無実だが権力を前にしたどうしようもなさがある中、周辺人物の温かみに触れる。これまで築いてきた人物像が窺える。特に主人公の父親の言動が印象に残った。
映像面で…
京都烏丸を舞台に、大店を営む大経師の若妻と腕利きの経師職人があらぬ疑いをかけられたことに端を発する逃避行や、二人の道ならぬ恋を描く。
不義密通が死罪とされていた時代、おさんに対する茂兵衛の恋心は淡…
長回し期待して見たらほぼなく、座敷の襖の開けしめで手前/奥、あるいは障子に映る影をつくりだすレイアウトに物々しく語らせながら進行してく感じだった。ドス黒い水。不義密通で磔にされたカップルのカットが中…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
NHK BS4Kでやっていた日本の古い映画を何作か連続で見ている。
この近松物語も溝口健二監督で、他の作品とも共通するが、女性の情念やたくましさがモノクロームの映像と相まって独特の世界観を生み出し…
京都の大経師、以春(進藤英太郎)は、大儲けしており、後妻のおさん(香川京子)をもらいながらも、女中のお玉(南田洋子)にも手を出しているケチで傲慢な男です。
お玉は、店で腕利きの茂平衛(長谷川一夫)に…
このレビューはネタバレを含みます
溝口健二監督の映画は初めて。
時は江戸時代。 京都で朝廷御用達の、大経師が翌年の新暦の専売権を独占し大儲けをしていた。
大経師以春(進藤英太郎)には、若い後妻おさん(香川京子)がいるが女中にも手を…