『キッズ・リターン』のハヤシが出来上がるまでを見たような気分。
「初めてお前を見た時思った。芯のない男が立ってるぞと」
あのまま、ただただ老いていくんだろうか。
この時期のステーシー・キーチは心に…
【終わった人たち】
ジョン・ヒューストンのうらぶれた文学趣味、嗜好性が発揮されたボクシング映画の名編でジェフ・ブリッジスとステイシー・キーチが体当たりの名演技を疲労する。
寂れたBARで飲んだく…
70年代特有の閉塞感が、1人の男の先の見えない毎日とリンク。
リングから降りても、勝者と敗者に分かれ、片や光は当たらない。そして、そのまま敗北すら受け入れる感覚すら鈍る。
気づいた時には孤独であり、…
薄汚れた街角にたむろするオヤジ達。ぱっと見お洒落と思ってしまうがどんよりした空気と臭いが伝わって来るファーストカット。
若いボクサーの描写が絶妙だった。ブラッドとかキャロルキングが流れる車内で若い彼…
クッソ面白い。おっさんと若造のなんたらと見せかけて、とにかくおっさんの映画で素晴らしい。
まずそうな飯。うるさい人間。でもうるさくない奴といると、喋ることがない。世界は良し悪しなく無慈悲で、故に何が…
キーチとティレルが酒場で戯れ合うシーンの痛さ。頭突きでジュークボックス叩き割って「俺を信じて、君を信じる!」とか口ずさみながら肩で風を切って2人で外へ繰り出す。その浮かれぶりに戦慄。彼女であるキャン…
>>続きを読むボクシングはあくまで手段であり、酒を飲んだりタバコを吸ったりを禁忌的に描かないのが実に清々しい。
渡辺いっけいの若い頃みたいな顔した主役(30歳なわけない見た目)のオッサンのペーソス、ペーソス、ペー…
もはや緊密な語りといったものは、この時代においてなお過去のものであり、重苦しく、やるせないムードがみなぎる。
「人生の敗者」というような紋切型ではなく、敗者にさえなりそびれた男の肖像を、丹念に、慎ま…
ボクサーとトレーナーと興行主と娼婦とピンプ全員その業界の中で大したことのないやつらの映画。大したことないやつしか出てこない映画。
ジョン・ヒューストンって戦前から晩年80年代までその時代の潮流に応…