極楽特急の作品情報・感想・評価

「極楽特急」に投稿された感想・評価

No.65[ウィットの濃度が濃すぎる] 再評価案件

古き時代の映画はスクリプト重視型の映画がほとんどで、私の好みに合うことが多い。この当時から青田買いをしていたハリウッドに移ったルビッチがMGMで作り上げた本作品は”ルビッチ・タッチ”と呼ばれる彼独特の表現方法を用いて”ハリウッド・コメディ”の一時代を築いた。トーキー出現直後は猫も杓子も歌を歌っていたため、ミュージカル嫌いの私としては暗黒時代なのだが、本作品では誰も歌わないので安心できる。

男女ふたりの泥棒が香水会社社長の未亡人との結婚詐欺を繰り広げるという内容なのだが、如何せん会話のウィットが富みすぎている。教科書にしたいくらい上手い会話の連続なのだが、あまりに多すぎて疲れる。82分で助かった。この濃度で150分とかあったら卒倒するわ。

会話以外でもノックする部屋の掛け違えや泥棒カップルのイチャイチャなど楽しめる要素はいくらでもある。ありすぎるくらい。

でも、この手の映画って時間が経てば記憶自体の濃度が薄まるから適正濃度になった時に評価し直すよ。と言いつつ、世界ではルビッチ映画が不足している気がする。Criterion CollectionとかからBlue-rayが出ることを心待ちにしとります。
オシャレなルビッチ・タッチを堪能できる傑作。

「大泥棒が居て、女泥棒が居て、二人が手をとりあって大金を狙う」などと聞いた時、普通は物騒な物語を想像してしまうであろうが、エルンスト・ルビッチ監督の手にかかると、とってもお洒落なウィットに富んだ楽しさあふれる物語になる。

物語は意外にシンプルであるが、観ていて楽しい。

3人の紳士たちに好かれる貴婦人(ケイ・フランシス)が美しい。

他のルビッチ監督作品『ニノチカ』・『桃色の店』・『生きるべきか死ぬべきか』などといった具体的な描き方ではなく、「愛」をピックアップして表現したような類をみない素晴らしい作品であった。
ENDO

ENDOの感想・評価

3.8
ルビッチは古き良き映画の粋な技法が駆使されていてお洒落である。泥棒カップルとと麗しの未亡人との三角関係。確かに演出は素晴らしいと思う。しかし心情描写がどうにもよく分からない。あまりに短絡的で前時代的なソフィスティケートされた倫理観。ヘイズ・コード前の貴重なトーキー。ルビッチはサイレント期の方がその個人的には好き。
ルビッチの中で最高に好きな作品。三角関係をステキに描き出し、会話も非常に上品で洗練されたなかにユーモアが含まれている。"重要なものは見えないところで行われている"を表現するルビッチタッチの真骨頂が寝室のシーンにあるのだが、ベッドシーンをありありと書くのではなく、ドアの動きと時計の動きだけで見せる例のシーンは本当にセクシーである。
なお

なおの感想・評価

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これがヒッチコックとかだったらゴリゴリのサスペンスになるんだろうな 最後の2人が最高にキュート!
「○○エクスプレス」 連続投稿 第12弾♪

オ~ソレミィヨ~♪→ 夜のヴェニス → 逃走する賊 → ホテルの床に横たわる男 …

冒頭数分間のまったく無駄のない場面展開に惚れ惚れしてしまいます♪

エルンスト・ルビッチ監督の作品を観るのは、「ニノチカ」以来たぶん10年ぶり。

今さらですが、さすがはビリー・ワイルダー監督の 「心の師匠」!
ロマンチックコメディというジャンルが、すでにこの時点 (WWⅡ以前) で完成しているという事実を再認識致しました♪

ただ私、「上流社会 / 社交界を舞台に繰り広げられる恋の鞘当て」 というお洒落なテーマが、昔から大の苦手でございます。

そこでこの映画の完成度とは関係なく、今の正直な気持ちを申しますと …

おぇーい、そこの金持ち連中さんよぉ。
貧乏人がさんざん苦しんどる「世界恐慌」の真っ只中に、何をちゃらちゃら着飾って、ええ酒呑んで旨いもん喰い散らかして、贅沢三昧かましとるんじゃーい!
「嗚呼、もうこんな退屈な暮らしはウンザリだわ…」 とか言う前に…

やや、これはいけません。
ついつい心に秘めた本音を吐露してしまいました。

ちなみにこの映画に機関車、電車、列車の類いはいっさい登場いたしませんのでご注意願いますプワ~ン♪)))


次回は 「○○エクスプレス : クラシックス編」 partⅡでおま! ("⌒∇⌒")))


追記

上流階級の贅沢三昧をさんざんコキ降ろしましたが、誰もが貧しい時代だからこそ、庶民は映画にゴージャスな夢の世界を求めたんでしょうね。
ルビッチの主峰であり、めくるめく様な筋立てで面白さは頂点へ。演出が呼吸しているかの様で、監督が自己ベスト作だと云っているのがよくわかる。超間接的な暗喩の洪水がルビッチタッチ。これはその原点にして臨界点だ。
コレ夫人が不憫で仕方ない。ぼくはあまり幸せな気持ちにはなりませんでした。
横移動のダイナミズムはびんびん感じます。
「極楽特急」はトーキー初期におけるエルンスト・ルビッチの傑作である。

世界をまたにかけるハーバート・マーシャルとミリアム・ホプキンスの泥棒カップルが次なるターゲットに選んだのは、ケイ・フランシス扮する香水会社の美人社長。

難なく社長の秘書として近づくことに成功したマーシャルだったが、次第に社長の美しさに惹かれてしまう。

やがて社長に言い寄る金持ちが登場するが、この男(演じるはエドワード・エヴァレット・ホートン。トンマを絵に描いたような容姿が素晴らしい)は以前マーシャルが金品を盗んだ相手である。

男の方もマーシャルの顔に見覚えがあるのだが、誰だか思い出せず頭を抱えるのが面白い。そして口に出すのが次の台詞。

「いい奴なら覚えてる。嫌な奴なら忘れない。つまり、思い出せないのは取るに足らない人間ってことだ」

これ、わたしのお気に入りの格言の一つです笑

伏線が張り巡らされた脚本、秀逸なカメラワークなど、ルビッチの手腕がいかんなく発揮されているが、特にBGMを効果的に使った演出に驚いた。

1932年ですよ、32年。トーキー時代が始まって間もなくの頃に、これだけ音と心理描写が上手くマッチした演出ができる時点で、ルビッチはやはりタダ者ではない。

また、別の部屋の窓からカメラが移動し、建物(勿論ミニチュアだが)の周囲をぐるっと回ってまた別の窓の中に入り人物に焦点をあてるカットなど、のちにヒッチコックがやりそうなシーンを平気でやっているのも凄い。

ちなみに大泥棒役のハーバート・マーシャルは第一次大戦従軍中に片足を失っていたそうなのだが、階段を颯爽と登り降りしているシーンを観ていると、とてもそうとは思えない。
いずみ

いずみの感想・評価

4.0
ルビッチってホークスよりスピーディーなコメディ撮るんだな、と笑
金持ちのコレ夫人から財産を奪うためにあれやこれやと転倒しながら繰り広げられるドタバタコメディ。序盤とラストの二人のスリの掛け合いにめちゃくちゃニヤニヤしていた。コメディなボニー&クライド。
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