フリッツ・ラング監督作品。日本未公開がもったいないフィルム・ノワールの傑作ですね。
開巻10分でルイス・ヘイワード扮する主人公の売れない作家スティーブンがメイドを誤って殺してしまいます。もうフィルム…
死体を隠すはずの川が正常な役割を果たさない。この機能不全という現象が映画を覆う。出版されるはずの原稿は送り返され、葛藤を描写されるはずのルイス•ヘイワードはそれを欠いている、そもそも2階の水道は修理…
>>続きを読む【甦り続ける罪の記憶】
年末ベストの追い込みでフリッツ・ラングの『ハウス・バイ・ザ・リバー』を観た。あらすじ調べずに観たのだが私の好物である修羅場映画であり、想像以上の大傑作であった。
牧歌的な川…
殺人者の手首に絡みつくガウンの「紐」の忌まわしい反復/変奏。妊娠の嘘=臍の緒、船の錨、死体の重り、ネクタイ、コルセットの紐、鎖、カーテン。引き摺る脚もそのひとつ。身体障害は心理的な重みの視覚化、そし…
>>続きを読む清々しいほど下劣な主人公の、これからは改心するから~の言葉の軽さよ。意味ありげにピョンピョコと水面から跳ねる魚、結局とくに何でもなかったことに一番おどろいた!
東京近郊のU市内に流れる川に、膨らみ…
'30年代フリッツ・ラングの精髄再び! 生きているかの如きあの川(日差しや月光に照り映えているのではなく自ら発光しているし、己の意思によって流れることを拒んでいるように見える)が不気味すぎ。ズダ袋を…
>>続きを読むラングの「布」の映画だ。家政婦エミリー(ドロシー・パトリック)の死体を入れた布袋が浮いてくる、流れていく悪夢。妻マージョリー(ジェーン・ワイアット)がいない隙にスティーブン(ルイス・ヘイワード)が書…
>>続きを読む川に浮かぶ布袋を破くと、中の死体のブロンドが水面に揺れるという背筋が凍る描写がある。動物の死骸が流れる川、魚の跳躍、髪の流動、カーテンのゆらめき等で「川の映画」が現前する。物語はB級だが、ラングなの…
>>続きを読む再鑑賞。
川から風呂場、曇る鏡、排水音、それを聞いてニヤつくルイス・ヘイワード、そしてまた川へ。立地もさることながら人間の感情までもが高湿度。闇と光との相性抜群。それでいてラストで吹き抜ける風がカー…