サウスランド・テイルズの作品情報・感想・評価・動画配信

「サウスランド・テイルズ」に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

2.5
【『重力の虹』になれなかった寓話】
皆さんは、ドウェイン・ジョンソンがカンヌ国際映画祭コンペティション作品に出ていたことをご存知だろうか?

2006年のカンヌ国際映画祭に出品された『サウスランド・テイルズ』は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの『バベル』やギレルモ・デル・トロの『パンズ・ラビリンス』、ケン・ローチの『麦の穂をゆらす風』などと鎬を削りました。『ドニー・ダーコ』で脚光を浴びたリチャード・ケリー渾身のSF超大作だったのですが、蓋を開けてみれば大ブーイングだったようで、あの映画評論家ロジャー・イーバートもあまりの難解さに頭を抱えた代物だ。ブンブンも10年前、中学3年生の頃に本作を観たのですが当時のブログに「SFの要素を限界まで詰め込んだため、何回も観ないと理解に苦しむ映画である。」と苦言を呈していました。

さて、先日MUBIにて本作が配信されていたので観てみました。

訳がわからなかったのですが、少しまた感想を書いていこうと思います。

本作は、『ドニー・ダーコ』同様カルト映画を目指してカルト映画にすらなれなかった作品だ。

第三次世界大戦後を舞台に、監視する者、抵抗する者、そして巻き込まれたドウェイン・ジョンソンの3つの視点がぐちゃぐちゃに入り組んだ群像劇であり、どうでもよくなった世界に対して人々が猥雑にお祭り騒ぎする様が延々と2時間半近く続いている。サブカル要素として、ネタを仕込んでいるのだが、それが例えば、核爆発のメタファーとしてテレビにさりげなく『キッスで殺せ!』のワンシーンを流すみたいに非常に分かりにくいものだったりする。リチャード・ケリーは完全に『ドニー・ダーコ』での実績に胡坐をかき、自分だけが分かっていればそれで良いという気持ち全開で映画を作っているのだが、そのセンスが結局ヴィジュアルでゴリ押ししているだけで芸がないように見えます。そもそも、この映画自体が何故か第4章から始まっており、肝心な1~3章はスピンオフのグラフィック小説を読んでねという傲慢な作りになっているところもかなり臭いところあります。

ただ、そんな中でドウェイン・ジョンソンが輝くことでこの映画は少し脱臭され、今観ると割と面白いかもと思えてきたりします。今となっては、筋肉でどんな困難も破壊してみせる男、ファミリー・ファーストな男としてブロックバスター映画内を蹂躙しているのだが『サウスランド・テイルズ』の場合、誘拐されて記憶喪失となった男を演じています。記憶を失って、自分が何者なのか分からない彼は常に指をクルクル回し挙動不審にあらゆる陰謀の舞台に現れる。しかし、おばさんに銃を突きつけられるなどといった極限状態になると、記憶の断片を思い出して正気に戻ったりする。その切り替えのさり気なさと圧倒的存在感は、約10年後に知らない者はいないトップスターになる素質の片鱗を感じさせます。

まあ、『フリクリ』のような理解不能な混沌劇を楽しむと思ってみればそこそこ面白いのですが、それでも失敗した『重力の虹』のイメージが強すぎる作品でありました。
ILC

ILCの感想・評価

3.0
これ一発で理解できて人に解説できるやついる?(笑)
難解なんだけどなかなかぶっ飛んでたから楽しめた。
『ドニー・ダーコ』っぽいなと思ったらやっぱり君かリチャード・ケリー。
正直、今回はわけわからなくて降参。『ドニー・ダーコ』も『運命のボタン』も集中しやすい映画館で観たからそこそこ楽しめたのかな。
堊

堊の感想・評価

4.5
バグった『ファイトクラブ』。ブラー、ミューズ、そしてwave of mutilation…
加速主義とオルタナ。
TaiRa

TaiRaの感想・評価

-
『ドニー・ダーコ』と『ドミノ』の脚本で華麗なホップ、ステップを見せたリチャード・ケリーがジャンプの助走で盛大にコケて脳天かち割ったのが本作。

2005年にテキサスが核攻撃され第三次世界大戦が勃発。アメリカは愛国法を拡大し国民の監視を強化した警察国家に。舞台はそういった前段をダイジェストですっ飛ばして大統領選を控えた2008年のアメリカになる。映画はいきなり第4章から始まるが、それまでの流れはケリーが描いたグラフィック・ノベルにあるらしい。主人公は共和党の上院議員の娘と結婚したアクション俳優のドウェイン・ジョンソンで、彼は失踪した後、記憶喪失になる。その彼を発見して面倒見てるのが意識高い系ポルノ女優と怪しい映画製作者で、彼らは政府打倒を掲げる新マルクス派の活動家と繋がってる。新マルクス派の活動に協力するイラク帰還兵の警察官や元映画俳優の帰還兵なんかも話に絡んで行く。その上、新エネルギーを発見したノーベル賞科学者が裏で暗躍しているというポリティカル・サスペンスも混入。かくして世界は崩壊への道を突き進むのだ。混沌とした群像劇にブラックユーモア、そしてSF要素とセカイ系要素。まるでデヴィッド・リンチと『キッスで殺せ!』と『ナッシュビル』をミックスしたような感じ。『ドニー・ダーコ』に引き続き時空移動の要素が組み込まれる。実は失踪したドウェイン・ジョンソンは時空移動して現代にやって来た少し未来の彼であり、現時間帯の彼は既に暗殺されていたのだ。その未来の彼の脳には世界崩壊のシナリオが埋め込まれていてそれを映画脚本にしている。一度死んで蘇った彼は現代のキリストで彼に寄り添うポルノ女優はマグダラのマリアって事か。そして混沌の中で世界が終わる。T.S.エリオットの「世界はドカンと終わらずメソメソと終わる」をひっくり返した言葉「世界はメソメソと終わらずドカンと終わる」が何度も語られる。『ドニー・ダーコ』は青年の死を世界の終わりとして描いたが、今度は傷付いた帰還兵の自己肯定によって世界が文字通り終わる。ポスト911の黙示録をセカイ系として描いたリチャード・ケリーはアメリカの庵野秀明になれる逸材だったな。

元俳優の帰還兵をジャスティン・ティンバーレイクがやっていてザ・キラーズの「All These Things That I've Done」を歌うミュージカルシーンまである。
ドゥエイン・ジョンソン(説明不要。声は定番の小山力也!)
サラ・ミシェル・ゲラー(TVドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』主演。声は同じ水谷優子!)
ショーン・ウィリアム・スコット(『アメリカン・パイ』シリ-ズのスティフラー。声は同じ高木渉!)
この3人主演ならさぞやノーテンキなSFアクションコメディ
と思いきや、
なんと暗くて重いカルトSF映画であった。

舞台は第三次世界大戦勃発後で荒廃状態のアメリカ。世界の終わりを政治サスペンスとして淡々と描いたのだが、肝心のドゥエイン・ジョンソンは脅えてばかりでアクションはない。でもタイムスリップはする。ここら辺がよくわからない。
日本でビデオスルーされたのも無理はない。

監督は誰かと思ったら『ドニー・ダーコ』のリチャード・ケリー監督じゃないか。
娯楽性は乏しく難解ながらも、そこそこ楽しめた。
お薦めは出来ないが、再評価の待たれる作品なのかもしれない(多分、忘れ去られるだろう)。
設定、ガジェット的とも言えるエピソードの投げ込み具合が、ディックへのオマージュで、
その部分はもう、最高。

薬物影響下での、
主観的な時間と、現実時間のズレを表現した鏡の前のシーンは、優秀かと。

ドラックは、燃料!でもあり、他の服用者との意識共有が起きてしまう、この設定の説明不足は惜しいトコロ。もったいないなぁ。

せっかくここまでぶっ散らかしたハナシなのに、エンディングへの収束の仕方が何とも腰砕けで-1。

散らかし具合は、ほんと素晴らしい。

借り物の設定は、ピカイチなのに、オリジナル要素は陳腐で、いかがなものか。
タイムリープとか、もういい加減にして欲しい。

まあ、気に入って随分みてるんだけど。

全長版、見てみてみたいです。

面白くないですかね、やっぱり。
ちょび

ちょびの感想・評価

1.0
わけわからんっていうのが率直な感想。難解とかじゃなくって、設定を詰め込みすぎて何一つ昇華できてない感じ。

核戦争後のディストピアを描いてるのにディストピア感ゼロだし、登場人物の描き分けができてないし、監督の頭の中だけにある凄い設定が映画から完全に抜け落ちてるし。素人が描いた漫画みたい。

恐ろしいことに、この状況が2時間半も続く。
車で運転しながら見たからなのか意味が良く解らなかった(^^;
もう一度見た方が良い気がするが見る気が起きない(>_<)
どうしようヾ(;゚;Д;゚;)ノ゙
2MO

2MOの感想・評価

1.7
WW3が勃発するディストピアに、レジスタンスやポルノスターや記憶を失ったザ・ロックを登場させて
「世界の終わり」
がどうのと言われても。
ひけらかされる妄想に付き合ってはみるものの、ちょっと何言ってるかわかんないっすって言わざるを得ない駄話。
伝わらない社会風刺は笑えないし、笑えないコメディはどうしようもない。

ただし、セカイの終わりの妄想それ自体を否定するわけではない。
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