とても複雑なことを、とてもシンプルな演出で語る。それだけで伝わると本気で考えている。凄いことをやっている映画。
コントラストのみならず、例えばピンクの淡い色合いは、画質の良いバージ…
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督が「ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の『嘆きの天使』(1930)を1950年代のドイツに置き換えて描いた映画」…だということで、昨日、『嘆きの天使』を再見し…
>>続きを読むローラが男達や上流階級と対等に見られるために必死にかき回してる姿に、愛おしさすら感じる。自分が二十歳くらいのときを思い出して泣きそうになる。
男からはそんなローラの立ち回りすら滑稽に感じるのかもしれ…
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督『ローラ』(1981)
市場経済を生き抜く女のエスプリー
ローラのライブ&ダンスシーンは圧巻。
ワンカットの中で観客を虜にしていく熱狂の高まりが感じられた…
真面目で有能な建設局長フォン・ボームの正義感と純愛。歌手兼娼婦ローラの純真さと手練手管。地元の土建屋シュッカートの不正やり放題と豪放磊落ぶり。「これで世の中全て上手くいくんだからいいんじゃない?」的…
>>続きを読むアーミン・ミュラー=スタールが踵を返した後にバーバラ・ズゴヴァが身を投げ出して歌い踊るシーンの美しさ。これはほとんど下津光史のライブでしか観られないような類の狂気的な美しさで、ドロドロとしたヘドロの…
>>続きを読む『嘆きの天使』をファスビンダーが調理すると更なる絶望。
ライティングが綺麗過ぎるし、インテリアも素敵。もちろんバーバラ・スコラ嬢の危うく脆さのある美しさがまたよく効いている。秘書もツインピークスのル…
全編に渡るラブホテルみたいな赤と青の照明に照らされての表と裏との人間模様。普通のもんはまず作らないだろうの遥か斜め上を行くファスビンダーの『嘆きの天使』リメイクで恐れ入る。オリジナルが1から0になっ…
>>続きを読むむっちゃオモロい。上半期いちばんリピートした映画。資本主義の体現とも言えるマリオ・アドルフが、主演のバルバラ・スコヴァ以上に尋常じゃない魅力を放っている。自分に対して敵意を向けている者をも手中に収め…
>>続きを読むマレーネ・ディートリヒの『嘆きの天使』にオマージュ捧げた作品らしい。
時代背景は戦後のドイツ復興期のとある町。
権力と富による腐敗に塗れた者たち、そしてそれに不満を抱き闘う者たちがいた。
そこへ新し…