変なことを口走る老婆の過去には、若い頃に男と不倫した悲劇的なことがあり...というお話
第一部は現在、第二部は過去の構成で進んでいく。単なる恋愛映画かと思いきやちゃんとミゲル・ゴメス監督らしい演出…
映画の構造そのものが記憶の在り方を体現しているように感じた。
前半(現代パート)は現実的で乾いたトーンだが、後半(過去の回想パート)に入ると、まるで夢の中に引き込まれるような没入感がある。とりわけ後…
老婆の死とともにその青春時代が回想され、禁断の恋愛によって「楽園」から追いだされてしまったその原罪とポルトガルの植民地政策が重ねられるという良くも悪くも端正な内容。夏目漱石の「こころ」みたい。
雨の…
かつての不倫相手、ヴェントゥーラに語られるアウロラの回想録。
妊娠中のアウロラと不倫して別れたという事実をただ述べているだけで、不意にマリオが殺害されたりはしましたが、それ以上のドラマがなかったの…
やろうとしてることがsuper happy foreverと似てると思いました。当事者がいなくなってきて、なかったことになってしまう個人的な記憶を映画にしているので、サイレント映画や疑似ヌーヴェルバ…
>>続きを読むスタンダードサイズ・モノクロ。
ポルトガルの植民地での開拓者がワニに自ら喰われたという短い言い伝えから始まる冒頭。一部の「楽園の喪失」で耄碌した婆さん・アウロラが周囲の人間を振り回す描写を隣人の視点…
まあ不倫ものなんだけど、植民地やオリエンタリズムを重ねることで奥行きとしての業の深さが出て好き。「熱波」にした邦題がじっとりした湿り気を伴ってやってくるようなそういう無我夢中な雰囲気。あえてサイレン…
>>続きを読む