菩薩

私、君、彼、彼女の菩薩のレビュー・感想・評価

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)
4.4
これが相席食堂なら確実にノブが「バンヤヤヤイーンじゃない!」となるし「もうボインしか見とらん」となるのだが、そんな男性の目線を見透かしたかの様な第二部に俺のメンタルが全力滑り込み土下座をかました、自分も男性の端くれとしての加害性には自覚的でありたい…。そもそも第一部のただひたすら暴力的に砂糖を食い散らかすアケルマンの時点で目が離せないが、30分ひたすらメンタル死亡女子の日常を見せつける度胸が強すぎる。そして問題の第三部、大蛇の交尾かの様に絡み合いもはや溶け合った様にすら見える二人の交合、圧倒的過ぎる。欲望される客体が欲望する主体になる事により輝き出す生命。「優れた」映画と言う点では『囚われの女』の方に軍配が上がるだろうが「好き」であるのは絶対にこっち。聞いてもいないクソどうでもいい情報を賢者タイムに垂れ流すトラック運転手、やる事やったらさっさと帰っていくアケルマン。短編に入り切らなかった全てが爆発しているのでは…。
菩薩

菩薩