7分間の作品情報・感想・評価

「7分間」に投稿された感想・評価

映画祭にて。
小さなコミュニティの話で、かつ、ワンシチュエーションの濃密な会話劇で繰り広げられる社会派ドラマだった。とにかく濃密な討議が見ごたえあり。雇用問題から人間同士、仲間同士のぶつかり合いまで見事に織り込んでしっかりまとまってた。
糸くず

糸くずの感想・評価

4.0
第29回東京国際映画祭にて。

21世紀の『十二人の怒れる男』、いや、『十一人の怒れる女』か。しかし、『十二人~』は「少年は有罪か無罪か」という、とりあえず白か黒かはっきりとさせることができる問題を扱っていたのに対し、この映画は白黒つかない問題を扱っており、そこが「現代のリアル」という感じ。

何より、『7分間』というタイトルが秀逸。たかが7分、されど7分。このわずかな時間に込められた意味は複雑かつ重い。

そして、当然のことであるが、人種も年齢も家庭環境もバラバラの十一人の女性たちにとって、「7分」という時間の重さは全然違う。イタリアに限らず、「働く場所があるかないか」は死活問題であるから、仕事を失うくらいなら時間など差し出してしまったほうがずっと楽であろう。しかし、そのわずかな時間が失われることで犠牲になることがあるのではないか。それは、今すぐ生活を左右するものではないだろうけども、近い将来に私たちの生活をゆっくりと打ち壊すことにつながるのではないか。きれいごとなのかもしれないが、働くことが全てではない。個人の尊厳と自由が守られてこそ、そこで働く意味がある。

複雑かつ多様な現代の労働者たちの困難の縮図として、実に見事な密室劇。世界の「今」を切り取った、コンペにふさわしい力作だと思う。

物語とは関係ないことだけど、クレマンス・ポエジーはハン・イェリに似ているような気がする。
籠

籠の感想・評価

3.9
東京国際映画祭4本目

隣に主役が座っていたのだが登壇してビックリの「山猫」や「アラン・ドロンのゾロ」とかしか知らない現在のオッタビア・ピッコロだった!
昨年の国会議事堂前デモ騒動がすっかり忘れ去られた感のある我が国に必要な魂がここでの11人の怒れる女を通して気づく事が出来る「サンドラの週末」とは違うアプローチのある広く観られるべき意欲作だった。導入での人物紹介から本題への繋ぎが秀逸。
小夜子

小夜子の感想・評価

4.7
密室会話劇って、なんでこんなにおもしろいんだろう!"7分間"の意味をよく考えたい
いち麦

いち麦の感想・評価

5.0
東京国際映画祭2016にて鑑賞。
現代の雇用条件悪化や格差社会の原因の一端である労組の弱体化を再顧させる硬派なテーマを、大仰な演劇風にも映る人間性ぶつかり合う見事な対話劇に。団結すること、異なる意見に耳を傾け議論することの大切さが力強い。
アメブロを更新しました。 『【TIFF 2016】「7分間」密室の中で行われる討議を追う心理描写がスゴイ。』https://twitter.com/yukigame/status/792374353442639872
korin

korinの感想・評価

4.0
圧巻。労働問題に鋭く切り込んだ考えさせられる映画。会議室で繰り広げられる女たちの熱い議論。それぞれの境遇や思いに泣ける。たかが7分、されど7分。
JunIwaoka

JunIwaokaの感想・評価

4.0
2016.10.26 @ 第29回東京国際映画祭

ギリシャの次に破綻すると言われるイタリア。停滞する経済の中で統廃合され、新経営陣から雇用の保証を"7分"という要求を条件に迫られる。日本でいう労働組合のような代表者である11人の女性が、この要求を呑む/呑まないの採決ををとる。職を失い生活に窮する社会のなかで、安易に要求を呑む多数に対して、ベテランの異議によって揺れるプロットは「十二人の怒れる男」まんまだけど、全員が同じ価値観でYESかNOを選択出来ないところが現代的で辛辣。年齢・社歴・出身もまったく違う11人全員がバックグラウンドを抱えて、それぞれ守るべきことのために互いを罵倒し、困惑し、疲弊する。張り詰めていく緊迫感に身を乗り出しそうになりながら、どちらかの選択に共感するんだけど、苦しい生活のなかで守りたいことは変わらないので反対の選択も責められないのがこの映画の面白さであって、やり切れないところ。罵倒する気持ちも分かるんだよな。
グローバリゼーションによって加速していく格差社会の、その構図をあからさまなまでに描いていて、虐げられる弱者が自分の身を守ることについて疑問を投げかける。会社が求める生産性の向上やコスト削減は本当に正しいことなんだろうか?守るべき生活のために闘う相手とは誰なんだろうか?働くことの尊厳という今までに考えてもみなかったことについて思いをめぐらせる。
スクリーンで久しぶりにお見かけするアンヌ・コンシニが新経営者を演じて、人当たりが良さそうねと言われる感じと、終盤の強張る表情の2面性が相変わらずハマっていてよかったです。
りりー

りりーの感想・評価

4.2
イタリアの織物工場がフランスの企業に買収された。新しい経営陣が労働者たちに告げた、ある提案。それは、解雇に怯えていた労働者にとって、拍子抜けするほど軽いものだった。解雇されないことを喜んだ労働者たちは、ろくに議論をすることもなくその提案を受けようとする。しかしただ一人、異を唱える女性がいた。
たかが休憩時間、それもたったの数分間。手渡すことは簡単だ。ほんの少しの我慢で、仕事も、明日からの生活も手放さずにいられる。でもその我慢が、自分を少しずつ殺していくということに、どうしたら気づけるのだろう。たったの数分間だとしても、それはわたしの時間で、わたしの身体だということに。会議室で話し合われたのは労働条件についてだけじゃない、人間の尊厳と未来についてだ。この力強いドラマが実話を基にしたものだということに、どれだけ奮い立たされるか。一般公開が決まるといいなあ。
最後の決断を託されるのが、最も若い女性であるのもよかった。未来は若者の手の中にあるべきでしょ?
naonaohr

naonaohrの感想・評価

4.0
長廻しの討論は迫力があって惹き込まれる。
12人の怒れる男 +サンドラの週末 という感じ。
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