背を丸める男の後ろ姿。最初のカットからぞっとする。世間ばかり気にする男。告白で一瞬こころが軽くなるが、すぐ泥沼に堕ちていく。真実を知り戻れなくなった妻。暮らしを守るため、罪の連鎖に巻き込まれていく。…
>>続きを読むクズな主人公の葛藤の話。
本当に自分本位な話で、それを正義漢っぽく堅物っぽく振る舞う主人公の性格が不快の一言に尽きる。
秀作ミステリーにみせた、真面目風クズのヒューマンものというか。主人公がすっ…
開幕最初の、大通りを歩く男の足取りのどこか不安定さ、どこか虚ろな表情。その後その男の知人の妻の殺人事件が分かるのだが、この時点で犯人の予想は付く。この後捜査はどう進むか、関係者はどう動くのか、人の心…
>>続きを読む成瀬の良さはブチ殺されているような気がしますが成瀬一面白く見ました。皮肉ですね。テーマと成瀬が相殺して変なところに落ち着いてしまった感があります。めしが見たくなりました。私はめしのほうが好きなんだと…
>>続きを読む【1966年キネマ旬報日本映画ベストテン 第10位】
エドワード・アタイヤの『細い線』を翻案した作品。成瀬巳喜男としては異例の本格ミステリー映画。
殺人という物語的にも、演出的にもおよそ成瀬作品と…
成瀬ががっつりサスペンスを描いたらどうなるか…晩年の傑作「乱れ雲」のような雰囲気はあるものの、ストーリー展開も演出もそれほど秀でた部分は見出せず。殺人の原因がいかにも俗っぽいのと、トンネルのシーンの…
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