女性の名前の作品情報・感想・評価

「女性の名前」に投稿された感想・評価

n

nの感想・評価

4.0
元はクリスティアーナ・マイナルディによる脚本で、この映画の成功の80%は彼女のおかげ、自分一人ではこのテーマには取り組めなかった…と監督。女性同士の連帯より分断の方が印象に残ってしまうのが苦しいけど、「反権力」「反不正」の切り口に不易のジョルダーナ節を感じて頼もしかった。
正直、どうしてこの題材をジョルダーナ監督が?と観る前は少し怪訝に思っていたのだけど、たった一人で沈黙に抗い声を上げて闘う主人公ニーナがペッピーノ・インパスタートに重なって見えたので大いに納得した。

クリスティアーナ・カポトンディが主役という時点でもう嬉しいのだけど、天使のように心優しく美しい令嬢…みたいな役のイメージが強い彼女の新たな魅力が見られてその点も大変良かった。折れない、媚びない、笑わないニーナの人柄を表すような、身軽で隙のない通勤スタイルのかっこよさよ。恋人役のステファノ・スカンダレッティはどこかで見たと思ったら『まなざしの長さをはかって』のあいつか!
#イタリア映画祭
ところで、ジョルダーナ監督の映画にスマホが登場するのが何かとても新鮮に感じられた。
birichina

birichinaの感想・評価

3.0
主役の女優さんがかわいかったのはよかった◎

残念だった点
1)主人公の同僚のヘルパーやセクハラ被害に遭った元ヘルパーが皆似ていて分かりづらかった。
2)主人公たちが抱えている問題の掘り下げが薄かった。
3)高級老人ホームで優雅に暮らす元女優のセリフで「セクハラのようなこと(molestia)は昔は社交辞令だったのよ」というセリフがある。この辺りもう少し掘り下げるのかと思ったが素通りだった。

疑問に思った点
セクハラ所長(?)の部屋に忍び込み裁判の証拠にするために監視カメラを仕組むシーンがあったが、不法侵入では?と気になった。(理解不足かもしれないが)

全体的な印象として、監督の愛が感じられない作品だった。
監督本人も冗談かもしれないが、この作品を手がけた理由は「カネだよ」とインタビューで答えていた。
原題「Nome di donna(女の名前)」はモデルにした事件の検察側の事件ファイルの名前だそう。

インタビューの中で監督はオズを敬愛してるという話が面白かった。でもオズの作品は吹き替えでなく字幕で見てほしい。
lili

liliの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

心待ちにしていた巨匠マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の新作。今作もリアリズムに徹し、無意味な脚色もなく、目を背けたくなるほどの辛いシーンも必要性のある部分だけを描いているところがさすがとしか言えない。そして、尊厳を傷付けられた女性が、事の発生直後は混乱して身近な人に話すこともできず、時間が経ってからようやく自分に対してなされたことの意味に気づいていく様も、なぜこの過程がこれまで描かれず、なぜ理解されてこなかったのか、なぜ今になってようやく、という悔しさがこみ上げるほどリアルだったが、監督がQ&Aで述べた「この映画は世に出るのが二千年遅かった」というコメントで救われる思いがした。決して気分の良くなる映画ではないが、地に足のついた、作られるべくして作られた、世に広まることに限りない意味のある映画であることは間違いない。公開してくれ。
老人施設で職を得たシングル・マザー。だが、施設長によるセクシュアルハラスメントを受け、混乱と逡巡を経て、法廷での闘いに挑む。実際にあった事件をもとに、入念な取材をした女性脚本家と巨匠ジョルダーナ監督が共同脚本。

入居者のひとりで往年の名女優がヒロインにさりげなくセクシュアルハラスメントに取り組む労働組合のビラを手に取らせる。加害者の娘が父親の歪んだ性癖を目撃して以来、葛藤し続けている。あるいは、施設長に呼び出された女性従業員がそれぞれに暗い表情をして執務室の重厚な扉の前で凍りついたように立ち尽くしているシーン・・・・・・。

なんといってもヒロインが尊厳と権利を侵された怒りを透徹した意思へと昇華させていくことに打たれる。施設長に襲われかけた夜、直ちに彼女は同僚たちに「なぜ、知っていて警告してくれなかったのか」と怒りをぶつける。その段階ですでにヒロインは長年沈黙し続けてきた同僚の女性たちから一歩抜きん出ていたといえるだろう。性的な暴力に対する闘いはそのような強さと勇気を自らかき集めて立ち上がった女性たちによって切り拓かれてきたのだ。

法廷闘争では最後に加害者側の女性弁護士が−−−−彼女は利害か打算か、ひょっとして加害者とかつて情事があったのか、いずれにしろ通俗的な理由で弁護を引き受けたようだ−−−−「どうやら世論におもねったあなたの勝ちらしいわね」とイヤミを言う。それに対してヒロイン側の弁護士が毅然と、しかし穏やかに「私たちはお互いに全力を尽くしたわね。ただ、選んだ道が違っていただけ」と言い返すシーンが痛快!

@イタリア映画祭2019
イタリア映画祭オープニングにて。

特に最悪だったのは、主人公の裁判が終了して大団円と思いきや、その裁判を報道していた目の前の新人報道記者が同じようなセクハラ(ゆっくりと身体を触られる)を先輩社員から受けているシーン。「これからも問題はつづく」って感じだろうけど本当に最悪な気持ちになった。シーン以上に最悪なのが試写会ではおおきな笑いが起きていたこと。とても安直な例ではありますが、黒人差別がテーマの映画で、その裁判が解決し、その裁判所の目の前で黒人が未だに差別されているエンドだったら笑えるんですか? ギャグ調にしているのもやばいし、はっきり言って未だ性差別をどこかでギャグとして捉えているから笑えるんでしょうね。先が思いやられます。

「権力者に対して戦っているものを撮りたいと思って撮った」とのことで、いわゆるフェミニスト的な視点というより、セクハラ・パワハラを事件として取り上げて、その過程を追うような感じで進行する。今のいわゆるミートゥーなんかとは全く連動してないとのこと。顛末は想像できる高みの見物のようなストーリーのわりに、主人公のしんどさと行き場のなさがこちらにも伝わってきて見ていて体力だけ消耗する。

監督のトークショーの方が面白かったです。映画は嫌いでも人は嫌いにならないことを学んだ。
アメブロを更新しました。 『【イタリア映画祭】「女性の名前」日本の間違ったセクハラ裁判を直していかなければいけません。』
https://twitter.com/yukigame/status/1122929248186945538
あっこ

あっこの感想・評価

4.2
セクハラにしてパワハラの告発に挑む物語。愚かな行為がどんな代償を伴うかまで丁寧に描かれている。
日本でも公開したらいいのに
イタリア映画祭にて。

セクハラが横行しているケアハウスで働く女性たちの話。
Me Too運動が大きくなってきた今タイムリーな話だけど、それよりだいぶ前からこの映画の構想があったそうな。
ケアハウスという身近な職場で起こる、言いたくても言えない雰囲気、行動を起こせば逆に立場が危うい等、そのへんにありそう、主人公がシングルマザーってのも対象にされがちだったかも…といろいろ考えたよね。

ただ、劇中みっちりびっしり台詞で埋め尽くされていてちょっとね…あまり合わなかったな。
tonton

tontonの感想・評価

3.5
実際に起きた事件をもとにした映画。

近年のミートゥー運動にあわせたわけではないとの事。

権力者が生々しく描かれていた。

セクハラパワハラ、見ていて辛い内容。

事実を知りながらもかかわろうとしない回りの姿もリアルで印象的。
AS

ASの感想・評価

3.0
無風の穏やかな日常に強風が吹き始める展開には一瞬引き込まれるものの、法廷劇へと縺れ込んでからは意識がぶっ飛びそうになるぐらい平板。
女性の声なき叫びを世に問うのであれば違った切り口もあったのでは
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