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あのこは貴族2021年製作の映画)

上映日:2021年02月26日

製作国:

上映時間:124分

ジャンル:

4.0

あらすじ

「あのこは貴族」に投稿された感想・評価

緑茶

緑茶の感想・評価

4.6
2021年2月26(金)公開の、
映画「あのこは貴族」を一足先に東京国際映画祭2020で観ました。

「あのこは貴族」はとても素敵でチャーミングな作品でした。社会に厳然と存在する「階層」をテーマに描かれてるけど、その切り口や焦点が21世紀的に俯瞰なので、余韻がとても良い。

今日観て素晴らしい映画なのは分かったので、劇場公開したらもう何度か観て、掴んだイメージや概念の細部を味わいたいです。
もしかしたらこの映画は、2021年の大収穫なのでは…と言うくらいの傑作だったので、公開が楽しみ。

門脇麦さん 、水原希子 さん、石橋静河 さんが素晴らしかった。

岨手由貴子監督、凄い才能ですね…

そして主演の門脇麦さんの魅力が炸裂してましたね…♫
滲み出る美しさと可愛いさと…華子の心情を、表情の演技で繊細なところまで体現していて、さすがプロの女優さんと敬意。

なんて言うか、多分麦ちゃんが生来持って育った「品」が、華子をよりチャーミングに見せてるのかもしれないです。
みさと

みさとの感想・評価

5.0
原作を読んだときから、映像化するなら岨手さんがいいなと思っていて、その通りの座組みになったときから期待すること約1年。

ガッカリしたくないから期待し過ぎるのはやめようと思ってたけど、そんな気持ちは見ている間にするすると無くなっていった。

華子も美紀も幸一郎も記号的になりそうなところだけど、全くそんなことなかった。

とにかく良い映画になってよかった。

このレビューはネタバレを含みます

女同士なんてすぐにマウントを取り合うし基本的に友情が成り立たないんだ、みたいな偏見をぶち壊してくれる快い映画。婚約者に他の女性の影を見つけたらすわ修羅場だとか、中流家庭に育った人は上流の人たちを妬むはずだとか、大学中退を余儀なくされた人は無事に卒業した元同級生とは縁が切れるだろうとか、種々の思い込みを蹴散らし放題。

特に美紀(水原希子)と里英(山下リオ)の“二ケツ”シーンに感動した。二人の笑顔を見るとうれしくなってこっちまで口元がゆるむので、マスクがあって本当によかった。この二人は会話シーンも好き。二人とも地方の高校から慶応大に進んだ設定で、語彙が豊かで頭の回転が速くて、地味にいつも聞きごたえのある会話をしている。

そういうところも含め、設定の一つひとつがディテールに落とし込まれてしっかり生きている(そもそも原作がそうなんだけど、この映画もちゃんとしていた)。目に見えにくい形で日本にもしっかり存在する“階級”というものの描き方がリアル。

たとえば、“貴族”の華子(門脇麦)はホテルのラウンジでメニューも見ずに「アールグレイ」を注文する。「紅茶」とは言わない。美紀はとても美しい人だけど、狭いマンションの部屋にあるヘアブラシは猪毛などではなくチープな樹脂製。その美紀の部屋を見て華子が「落ち着きます。この部屋にあるものは全部、美紀さんのものだから」と言う。華子が結婚前まで暮らした部屋には、両親が買いそろえてくれたオーダーメイドの家具が並んでいたんだろうなと思わせる。

こういう描写が本当にこまごまあって、境遇が明確に違うんだということがくっきり描かれるので、そんな二人であっても、ふと交わったときに、敵対とか嫉妬とかと違う関係を結べるんだという、その事実がかえって私たちに強い印象を残す。あ、今さりげなくすごいことが起きたぞ、とディレイぎみにでも気づかせてもらえる。

ただ、華子が幸一郎と別れてしまうのが、この映画の流れだとちょっと安易に見えてしまった。自分の足で立つことを選ぶ華子ってことなんだと思うけど、華子は打算じゃなくて幸一郎その人をただ好いて結婚したんだから、その気持ちを彼にぶつけて夫婦の関係を築き直しにかかるほうが、彼女らしい人生を生きることになるのでは。映画なので別に正しくあってほしいとは思わないけど、華子には本当の意味で強くなってほしかった。

それはそれとして、門脇麦さんのお芝居がやっぱり好きだ。この人の目はよく語る。説明ゼリフが要らなくなる女優さんだと思う。華子が橋の上で手を振るシーン、クサくなりそうでクサくなく、しみじみいい。水原希子さんも素敵だった。ラウンジで逸子(石橋静河)や華子が言うことに頷くそのトーンなんかが好きだ。

この映画にはモエ・シャンドンが協力していて、劇中のシャンパンがとても美味しそうだったので、帰りに泡の出る飲み物を買って帰った。1本1000円しないスパークリングワインをスーパーで。うちにあるブラシは天然豚毛だけど、まあやっぱり貴族じゃないので。
安眠

安眠の感想・評価

3.8
前日に原作を読み終えて東京国際映画祭で鑑賞。
原作の余韻に浸ったまま観たのであのシーンやあの台詞入れてほしかった!って気持ちはあるけど、映画単体としては色んな人が何かを感じる作品になってたと思う。
要所要所で東京の街並みが映されるけど、東京タワーがあんなに綺麗だと思ったのは初めてかもしれない。
2月の劇場公開が待ち遠しい。
Aoi

Aoiの感想・評価

3.8
今年の東京国際映画祭で唯一見た作品。

面白いと薦められていた原作は読むのが間に合わず鑑賞。


裕福な家庭で育ち、結婚を急ぐ箱入り娘の華子。
田舎から大学進学のために上京するも、学費が払えずドロップアウトした美紀。
その二人をつなぐのは、敷かれたレールに乗る人生を受け入れた幸一郎。

住み分けされた街・東京で、異なる階層に生きる人々が交わる瞬間を描く。


物語は華子のお見合い写真の撮影から始まる。
遠くを見つめた高貴な微笑みは、まるで中世ヨーロッパ貴族の肖像画のようだ。

一方、地方から上京して働く美紀は20代前半で社会の現実を知り、既に人生を諦観しているように見える。

対照的な二人の人生が交錯することで生まれるストーリー。

同時に華子・美紀・逸子・里英という四人の女性が古い価値観に縛られず、一人の人間として社会で逞しく生きていく姿を見せてくれる作品でもあった。


美紀と幸一郎が通った慶應はよく知る大学なので、あの感覚をまざまざと思い出した。
よく知るといっても完全に端くれだった私は地方出身組の二人に共感しっぱなしだった。

慶應は幼稚舎からの人、途中から系列に入った人、帰国子女、推薦枠、受験で希望して入った人、国立大に落ちた人などが一定の割合で共存する面白い大学だ。

関東圏出身の割合も高い。田舎でのうのうと暮らしてきた自分にとっては、あのシームレスに続く都市部というエリア自体がカルチャーショックだった。

同じ学舎で過ごしたはずの友人のFacebook でのぞく私生活は別世界。

内部生の中でも、外部生の中でも目に見えない階層が存在する。
(実際はある程度みんな常識を持っているから、うまくやっているものだけど)

そんな社会の縮図のような世界でありながら、金銭的・学力的に入学できるかできないかで既にフィルターを通されているのもたしかなこと。

現実の世界はもっと下から上まで、価値観もバラバラな人間の集まり。

大都市を見下ろす生活を送る者もいれば、タワーを見上げて必死に居場所を作る者もいる。

異なる世界の人間が、同じ空間でみんな肩をぶつけないように生きている。


生まれ育った環境も、歩いてきた道のりも全て白紙にできたらどんな人生を送るだろう。

でもそれができないから、限られた選択肢から懸命に選びとって生きているんだ。
それでいいんだと思わせてくれる映画だった。
QOne

QOneの感想・評価

4.2
映画「あのこは貴族」シネマエッセイ

学内階級格差から逃れられない元慶應ボーイの憂鬱。

https://note.com/qone0205/n/n087fbbfe3138

昔、とあるプロのライターの方に「書くことはサービスである」と教わった。

決して文章でマウンティングを取ってはいけない。

自身がいい感じのステータスを持っていてもそれを隠した方がいいと。

しかしこの映画を語る上で、避けては通れないことがある。

私は、慶應義塾大学法学部卒だ。

この唐突に学歴を披瀝して始まったエッセイの行く末にあるものは、悲哀しかないので許してほしい。

先週、東京国際映画祭で「あのこは貴族」という映画を観た。

主演の門脇麦、水原希子、高良健吾、岨手由貴子監督の舞台挨拶付きということで、最近「鬼滅の刃」以外元気のない日本映画の晴れやかな一幕を観に行こうと、六本木TOHOシネマズで一番大きい7番スクリーンの中央端の席に向かった。

前知識なしで観て驚いた。

私の一番観たくない、そして観たい映画だった。

見えざる東京の格差社会の「上流」と「下流」で生きるアラサー女子の恋と人生が主題なのだが、私が感じて生きてきた息苦しさがその映画には見事に詰まっていた。

私は今でも大学の同窓会に行くことはほとんどない。

昔の友人の何人かは、今の私の年収の10倍くらいある。

そんなこと気にしなくていいことは分かっている。

でも、お互い一瞬にしてわかるのだ。互いの境遇の残酷な格差を。

慶應の繋がりは卒業しても終わらない。なぜか益々存在感を増す。Facebookを見る度に格差を身近に感じることになる。

自分が圧倒的な成功を収めない限り。

この映画は山内マリコ原作の映画化で、慶應義塾大学の内部生(幼稚舎や中高から慶應)と外部生(大学受験組)の学内格差がモチーフの一つとなっている。

生粋の東京生まれで箱入り娘の華子は、30歳に近づき結婚を焦って、お見合いを繰り返しているがうまくいかない。ある時、ついにハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出逢う。彼は慶應幼稚舎出身で政治家一家の御曹司で華子は心惹かれていき、結婚を決める。

一方、地方生まれの上京組の美紀は、猛勉強の末、慶應義塾大学に入るも金欠で中退し、キャバクラで生計を立てていたが、ある時、大学時代に一度ノートを貸したことのある、‘内部生’だった「青木幸一郎」と店で再会し、それから身体の関係を重ねている。

そんな境遇の全く違う華子と美紀は、同じ男をきっかけに巡り合い、決して交わることのなかった、お互いの生きる階級が交差していく。

「誰もあえて言葉にはしないけど、実際は日本も階層社会で成り立っている」と以前参加した社会人ゼミで語られた元慶應義塾大学准教授で作家のジョン・キムさんの言葉を思い出す。

この映画を観て、目を背けていたことにもう一度直面せざるを得なかった。

役者はメイン3人とも素晴らしい。

世間知らずのお嬢様の華子を演じた門脇麦は、きょとんととぼけた部分と無意識に人を差別するいやらしさが同居していて実にうまかった。

地方の進学校で努力して慶應に入ったものの、父親の仕事が破たんして中退し、東京をどうにか生きていく美紀役の水原希子も生命力が溢れて目を奪う。

生粋の御曹司の青木幸一郎を演じた高良健吾の何を考えているのか分からない高等遊民的な雰囲気と醒めた眼が印象に残る。

バイオリニストとして独立独歩で進む華子の友人役の石橋静河や、美紀と共に、高校から慶應に行った友人役の山下リオもそれぞれの魅力を発揮している。

華子と美紀。そんな対極の2人の女が、1人の男と関係をもつ。

1人は結婚相手として。

1人は遊び相手として。

中盤まで彼女たちのシーンはそれぞれ単独で進むのだが、二人が出会うシーンが非常に味わい深い。そして予想外の展開に進んでいく。それが面白い。

この作品の魅力は、実は無数に分別された「自分たちの東京」での居場所を受け入れながらも、自分らしく生きていこうともがく彼女たちのリアルな息吹だ。

青春終わりし時代の青春映画として傑作だと思う。

富山から出てきた美紀は慶應の日吉キャンパスでいきなり、内部生が余裕げに寛いでいる姿に驚き、学校帰りにお茶に誘われ、パークハイアット東京のアフタヌーンティ4000円に度肝を抜かれる。

慶應に入ってまず気づくのはこの金銭感覚の恐ろしい乖離だ。

政治家一家で御曹司の「幸一郎」のような男も私の身近にいる。とてつもなく金持ちで、ハンサムで、スマートで、その上性格がいい。

そんな彼らとの出逢いは、茨城の片田舎から出てきた私にとっては衝撃的なものだった。

纏う空気感が全然違うのだ。

着ている服、乗っている車、行くお店、付き合う人々。

ワクワクした初めての三田祭の時、彼らはファーストクラスで南フランスやニューヨークに旅行に行っていた。

日吉キャンパスの中で、たむろする彼らは圧倒的な余裕を放っていた。

そんな彼らと別世界に生きながらも、私はダンスサークルに入って出会った帰国子女の友人の繋がりで、内部生3人と話すようになった。1人とはゼミで共同論文を書いた。彼の住まいは慶應の三田キャンパスから歩いて行けた。

現在、彼らは何をしているかというと、1人は内閣の主要ポスト、1人はフランスで外交官、1人は老舗メーカーの代表取締役社長だ。

Facebookで彼らの世界的かつ国家レベルの活躍を目にすると、何とも言えない気持ちになる。

私は新卒で入った会社に飽き足らず、28歳で会社を辞め、3年間アルバイト生活をしながら映画の専門学校に入って一文無しになり、それから某映画会社で7年間映画プロデューサーをした後、撮影所に異動になり、その後、地域でミニシアターの開発・運営に携わり、番組編成マネージャーを4年間したが、母体企業が倒産してミニシアターも閉館となった。そして今は外資リゾート関係の仕事をしている。コロナ以降、仕事への影響も大きく、W受験の息子ふたりを抱え、経済的に余裕はない。

そんな中、私のFacebookでは彼らがワイン片手に談笑する姿が繰り広げられる。

別に見なければいいのだ。

でも私は今もその「慶應内格差社会」から逸脱できずにいる。

この映画で登場する圧倒的上流社会は実際存在する。

普通は見なければいいし、見えなければいい。でも、身の回りに目につくのはいささかきつい。

今から慶應に行く人。

あなたの子供が慶應に行こうとしている人。

一生、‘それ’を目にすることになるから、その心づもりでいた方がいい。

それをリアルに体験させてくれる映画だ。

そして、公開日前日に長男が後輩になった。

この映画は敢えて薦めないでおこう。

格差社会は急速に広がっている。この作品はその極端な例だ。でも現実だ。

華子と美紀。この映画の2人の女性は自分がいる「階層」を認めながらも、それに囚われることを捨て、新たな一歩を踏み出していく。

残酷な現実を見せられながらも、劇場を出るとなぜか清々しい気持ちになった。

気づかないうちに「階層社会」に生きている私たち。

それが目を背けることのできない現実だとしても、私はここからまた勝負するつもりだ。

彼女たちのように。

後輩となった長男も頑張ってほしい。
dkc

dkcの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

登場する女の子がみんなキュートでかっこよかった!!!

麦ちゃんが舞台挨拶で言っていたように
わたしもこの映画は解放が描かれた物語だったように思う
ラストの華子の解放された表情がすごくすごくよかった

華子がいる東京と美紀がいる東京
同じ東京でも見えない階級があって
でも華子から見る東京も美紀から見る東京もどちらも好き
華子は美紀と出会えてよかった

高校のジャージにマグカップ、あるある〜
猛特訓したという石橋静河さんのバイオリンも必見!
第33回東京国際映画祭 特別招待作品。

育ってきた環境も生き方も違う華子とミキの生き方を通して東京という街を描いています。
お嬢様の華子と家庭の事情で大学を中退しながらも仕事によって自分の価値を見いだそうとしているミキ。
普通に暮らしてたら出会うことのない2人だけど華子の婚約者幸一郎がきっかけとなって出会った時、2人の中で何かが変わったようにも見えました。
この出会いによって華子の中に結婚という選択肢だけじゃなく働くという選択肢が増えたのかなと思いました。
人って生まれた環境によって人生が決まってくるけど、人との出会いによって変えられるんだなと感じました。
華子とミキそして2人のそれぞれの友人達の演技が素晴らしかったです。
来年公開されたらまた観たいですね。
ワールドプレミアにて鑑賞。

僕自身も東京で生まれて、東京で育っているため、美紀よりは華子に近い視点で楽しめた。僕のような東京の外側に住んでいるような人間にとっては、地方住みとそこまで変わらないような気もするが。

ふたりの女性をメインとしながらも、東京を描いた作品であると思う。映画に出てくるほど階級社会を日本で目の当たりにしたことはないし、あそこまでの金持ちに会ったこともない。あきらかに少数派、しかも政治家一家とかを見せられても、階級社会というよりはファンタジーに見えてしまう。
一方で美紀と華子の差は意外と現実的。ふたりの会話とその場に流れる空気感だけで飯が食える映画。
ハル

ハルの感想・評価

4.1
東京国際映画祭にて鑑賞。
原作未読。

『東京の街』と『階級社会』がメインテーマの作品。

「家柄とは何か?」「上流と下流の違いは?」これらの日本が抱えている普遍的な問題に対してそれが当たり前の生活として成り立っているモノと地方から東京に出てくるモノを対比として描いている作品。

主演の門脇麦、水原希子それぞれ本来のキャラクターに近いようなイメージを抱く役柄で違和感なく映画に入り込めた。

東京という街の多様性、生きる事の難しさや虚しさを全面に押し出している作品で『綺麗事』じゃない言葉の数々が逆に気持ちよく、ガンガン心に刺さってくる部分には刺激も貰えた。

事前情報無しで鑑賞したため、それがプラスに働き、より一層楽しめた気がする。

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