戦場にかける橋の作品情報・感想・評価

「戦場にかける橋」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

めっっっっちゃ良い。
戦争のさなかで敵/味方、支配/捕虜の立場に翻弄されながら自分の存在証明を求めて生きようとする物語。
サイトウ大佐が橋の上で「(夕陽が)美しい」と言った時、勘違いしたニコルスン大佐が「橋の美しさ」の文脈で応答して、でもサイトウ大佐もそれに合わせて橋の話を続ける、という場面のその気遣いが印象的だった。橋をつくる事業を通して心を通わせた2人がふと対等に話している、という人間らしさがしみじみと良かった。
あと明らかに太陽出てるのに画面全体が中間色を暗くしたようになって見えにくいシーンが、夜を表現しているのだと気づくのに時間かかった。まだ技術水準が高くない中での表現の工夫を楽しむのも昔の映画を観ることの醍醐味かもしれん。
だんご

だんごの感想・評価

3.7
むさくるしいほどの緑と、人間たちがつくった橋のコントラストが映像美。

アラビアのロレンスでも感じたが、デヴィッドリーン監督の作品は本当に映像がきれいだな。

私は何のために?
橋が崩れ去っても自然はびくともしない、何もかも無駄なあがきに見えてくる。でもたとえ自分が微力なことは分かっていても何か残したい、と感じるのが人間のやっかいな愛すべきとこ。
RY0

RY0の感想・評価

3.5
・2018/08/29

 クラシック。デヴィッド・リーン監督作。早川雪洲と若いころのオビ=ワン・ケノービが出てくる。とにかく長いものの、戦争の狂気と虚しさがよく描かれている。
日本軍かイギリス軍捕虜かどちらが狂ってるのかというのが、最後のセリフで全部わかる。

このレビューはネタバレを含みます

この手の映画は本当に評価に困る。
「戦争史実ものフィクション」とも言える内容だからだ。
まず、戦争ものというジャンルというだけで、人が無数に亡くなっている以上極めてデリケートな問題がある。

次に、史実に基づいているのだが、それは「橋を建設する」という点においてのみで、人物や人数、経緯などは全く違う。そういう意味でフィクション だ。

つまり「事実とは全く違う歴史物」なので、観る側のリテラシーが大いに試され
るし、ましてやアカデミー賞受賞作なので与える影響力もハンパなもの ではないわけだ。

僕自身、観ていて日本人の描き方として納得できない箇所は山ほどあるし(逆に脚色としては素晴らしい点も多い)、敗戦国なので仕方のない部分はあるというのも分かっている。
あーだこーだ言っても結論は絶対に出ないのだから、ここではあくまでも映画としての面白さについてのみ考える。


改めて、映画の出来としては。。。
めっちゃくちゃ面白い。
三時間近い映画ながら、まったく長いと感じない。
そして、50年以上前の作品ながら、一切古くさいとか退屈とか思わない。
CGがないことのデメリットも全く感じない。
むしろラストの爆破シーンなどは「え、これもしかして実写で撮ってるの?」とむしろそっちに驚く。

映像面での素晴らしさもさることながら、まずは映画全体の作りがほぼ完璧。
主人公格にあたる人物が4人ほど出てくるのだが、そのキャラの位置づけが実に見事。
戦争という現場においてその人物達が皆、間違いなく正しいし、逆に決定的に狂っている。

「絶対に信念を曲げないイギリス将校」が一見ヒーローのようにも写るのだが、彼もまた戦争にとらわれた狂人であり、見方を変えればマニュアル通り にしか動けないただの歯車である。しかも、最後にはマニュアル通りに動くことすら自分の信念のために放棄してしまう。

「信念を曲げてしまった日本人将校」は、信念のうえでは全てにおいて敗北してしまうのだが、結果としては一番の利を得る成果をあげる事になる。

「一番自由であることを愛するアメリカ兵」は、最後の最後に愚かな判断をして
命を落としてしまう(愚かな判断というのは、あくまでその人にとって)。

「物事を一番客観的に見ている医師」は、知的にバランスよく振る舞っているように見えて、結局は何も成し遂げられず全てが壊れていくのを観ている だけしか出来ない(この人が映画を観ている観客の代弁者でもある)。

キャラクター同士が裏表の関係になっており、しかもそれがクルクルと裏と表が入れ替わったりもする。

日本人にとっては目にしたくないシーンも多いが、キャラ毎の善も悪も明確にしていない為ある意味ではフェアに描いているとも言える。

「大脱走」がそうであるように全体を通して「クワイ河のテーマ」を代表に明るく雄々しい曲が流れる。
しかし、その明るい曲が流れた時こそ要注意で、その裏では明らかに人間が少しずつ歪んでいく対比となっている。
このへん、なんで今の映画業界では減ってしまったのか分からない。
ジョン・ウィリアムスの音楽がそうであるように、映画で起こっていることの補足のような音楽ばかりが多い気がする(あ、ジョン・ウィリアムスは大 好きですよ)。

ラストの爆破シーンによって、この映画は最終的に「三時間かけた映画を完全な振りだしに戻す」という結論で終わる。
劇中描かれないがおそらく斉藤将校も責任をとる結果となるだろうから、この映画においては「誰一人、何も成し遂げられず、死者だけが大量に発生する」結末だ。

この映画を踏まえてなお、何故アメリカはベトナムへの戦争へと向かっていったのか。
ベトナム戦争の結末もまた、この映画の結末と非常に近しいものがある。
マリオ

マリオの感想・評価

2.0
「不朽の名作」を観れた点ではよかったが、長時間で兵士の苦労をひたすら映すドキュメンタリー的な感じで、少し退屈で忍耐が必要。

あんなに頑張って橋を作ったのに、最後があっけない。心が救われない。

しかし、Alec Guinnessカッコよかった!特に前半で、敵方に無茶を言われても屈さずに将校としてあるべき姿を保とうとするところが素敵だった。

昔の映画をふつうに見ると、映像効果が足りないせいか、いつも物足りなさを感じてしまう。映画館や名画座でこの映画を観たら、もしかして圧倒されて、もっと評価が上がるかもしれない。
つぼい

つぼいの感想・評価

3.0
たまたまBSでやっててなんかバカ映画感もありつつ夢うつつに観てたらアカデミー賞取っててわろた。
私は何のために……


デヴィッド・リーン監督 1957年製作
主演アレック・ギネス、ウィリアム・ホールデン


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日、8月4日は「橋の日」です。
昨年は「ブリッジ・オブ・スパイ」をレビューしましたね。その時に考えていたもう一本の映画が今作「戦場にかける橋」でした。


そして、1年ぶりに再開します「娯楽映画で振り返る第二次世界大戦」。お盆休暇を利用したシリーズパート2です( •̀ω•́ )و✧

昨年はシリーズを通して、第二次世界大戦、特にドイツと連合軍のヨーロッパにおける戦闘を中心に振り返りましたが、その縛りがけっこう面倒だったので(笑)、今年はあまり縛りを入れずに、観たいものを観ます( ¯−¯ )フッ

とりあえず、今回のセレクションは、今作「戦場にかける橋」をスタートに東部戦線、太平洋戦争など、ワールドワイドなセレクトにしたいと思います。



さて、「戦場にかける橋」です。
言わずと知れた傑作戦争映画ですね。
アカデミー賞作品賞や主演男優賞をはじめ7部門の受賞。残念ながら早川雪洲の助演男優賞はノミネートに終わりました。

監督はデヴィッド・リーン、あの「アラビアのロレンス」や「ドクトル・ジバゴ」で知られるイギリス出身の大監督。僕の大好きなスピちゃんが、撮影の前には必ず観るとか!


この作品も本当に素晴らしいものでしたね。
実際の戦闘シーンはあまりないのですが、戦争の悲惨さや虚しさ、戦争って本当に何も生み出さないことをこれでもかと伝えています。特に、ラストシーンが本当に素晴らしいです( ˘ ˘ )ウンウン
155分もあるのに、あっという間でした( •̀ω•́ )و✧


イギリス軍捕虜の将校、ニコルソン大佐役がアレック・ギネス。今作でアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
言わずと知れた僕らのオビ=ワン・ケノービです。
ただ、オビ=ワンとなって銀河を救うのは、この先20年後なので、痩せててかなり風体が違います。まぁ、捕虜がムキムキだとおかしいからね。


収容所を脱走するシアーズ少佐役はウィリアム・ホールデン。ちょっとだらしなくて、いかにもアメリカ軍人という役作り。イギリス軍の中で異彩を放っていましたね。


そして、収容所の所長で日本軍の大佐、斉藤役には早川雪洲さん。この方、すごい人ですね。実は、この作品以外で全く知らなかったんですが、戦前から戦後にかけてハリウッドを賑わした日本人俳優でした。こんな方がいたなんて!
1907年、21歳の時に渡米し、ハリウッドで俳優デビューするんです。サイレントの時代にチャップリンやウィリアム・ハートと並び称される大スターになりました。大戦当時はフランスにいたようですが、戦後、再びアメリカに戻り、ハンフリー・ボガートに請われて銀幕復帰したそうですよ。凄いですね!


これはスクリーンで観たい作品でしたね~。
いつかゴゼジューでの再映、お願いします!





最後に、プチ音ネタ💩ウンチクン

この映画の音楽を担当するのはマルコム・アーノルドというイギリスの作曲家です。映画音楽を専門とするのではなく、9つの交響曲を書き上げ、大英帝国勲章が授与された凄い方。

「クワイ河マーチ」で知られるテーマ曲は、オリジナルを「ボギー大佐」と言い、この映画で使われたことにより有名になりました。日本では「サル、ゴリラ、チンパンジー」で有名ね(笑)

この曲は1914年にケネス・アルフォードが書いた行進曲です。作曲者のケネス・アルフォードはアメリカのスーザと並び称されるイギリスのマーチ王だそうですよ。勉強になりました( •̀ω•́ )و✧
Reika

Reikaの感想・評価

3.5
カンチャナブリーへ先日行ったので鑑賞。最後が救われなさすぎてびっくり。日本人が悪役で流暢な英語を話せるのは羨ましい限りだなと。
戦争映画ながらも、派手な戦闘シーンやどっちが勝つかの攻防戦などはほとんど無く、収容所内のヒューマンドラマに焦点が当てられた作品。

今から60年以上前の作品なのに、訴えかけるメッセージ性、娯楽性は極力排除した作風で、オスカー作品賞受賞したのも頷ける完成度です。

映画音楽史上でもトップクラスの知名度を誇るあの音楽。この映画の音楽だと知らず知らずのうちに口ずさんでいた経験がある人も多いはず。
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