暗殺・リトビネンコ事件(ケース)の作品情報・感想・評価

暗殺・リトビネンコ事件(ケース)2007年製作の映画)

REBELLION THE LITVINENKO CASE

製作国:

上映時間:110分

3.7

「暗殺・リトビネンコ事件(ケース)」に投稿された感想・評価

「私の身に何かあった時はこのビデオを公表し世界に伝えてほしい」

エリツィン元大統領からプーチンへ政権交代した2000年。まだ若々しいプーチンは、"強い大統領"像を誇示するため、自作自演による爆破事件を仕掛け、第二次チェチェン戦争を正当化した。また、勢力を拡大したオリガルヒの一人の影響力拡大を恐れて暗殺指令を出す。ここで汚職と腐敗に耐えきれず内部告発したFSB職員リトビネンコ氏がイギリスに亡命して暗殺されるまでを追ったドキュメンタリー。

KGBの後継機関であるロシアの国家安全保障局FSB。要は諜報機関。トップはプーチン。

リトビネンコ氏暗殺について、国民の半分はFSBだと知っていて、半分は信じていないとか。

圧政の歴史として、ドストエフスキー、ゴーリキー、レーニン兄がいれられていた旧ソの反体制派の監房が出てきたりする。あんな狭いところに入れられていたんだ。



ナワリヌイ氏をはじめ、最近もロシアの石油会社の社長など声を上げる有力者が「何者かに」暗殺されたり、行方不明になるニュースを見ます。

民衆が声をあげたら危険なロシアの一握りの貴重な声。このような映画を撮っている監督の身が心配ですが、現在も亡命せず、圧力の中で社会派作品(映画は少なめ)を撮っているようですね。日本でも見られるようになると良いです。

今作は、権力者の暴走を許した大衆の無関心についても断罪しています。権力者は大衆の目を逸らした先で何をしているのか、興味を持ち監視しなければ権力は集中し暴走していきます。日本国民としても、耳が痛い指摘です。
matsu

matsuの感想・評価

3.9
ロシアの闇が描かれたドキュメンタリー映画。

こちらが考える以上に、ロシアはとんでもなくヤバい国である。このドキュメンタリーを見て確信を持った。

2006年、イギリスでリトビネンコ氏が毒を盛られて殺害された。

欧州人権裁判所は国家ぐるみの殺害との判決を下し、ロシア政府に対してリトビネンコ夫人に賠償金を払うように命じた。

リトビネンコ氏…ロシア連邦保安庁(FSB)に所属していた。
※ソ連時代のKGBの後継機関がFSB。

1998年、彼は政府批判をする新興財閥ベレゾフスキー氏の暗殺の指令を受けたが拒否 & FSBは民間人の暗殺をしていると世間に暴露。
※当時のFSB長官がプーチン

2000年に命の危険を感じてイギリスに亡命。

チェチェン人が起こしたとされるロシア高層アパート爆破事件はFSBのでっち上げ事件と暴露。
※他にもFSBの悪行をいくつか暴露。

(ロシアは爆破事件後、チェチェンを攻撃。虐殺などを行う。その功績によりプーチンは大統領になる。)

2006年10月、ロシアで反政府の女性ジャーナリストが殺害されたのはプーチンの指令と糾弾。

2006年11月、リトビネンコ氏は放射性物質のポロニウム210を盛られて殺害された。

真っ当な心を持った正義感の強い人だったのでしょう。世の中、絶対にこんな事があってはいけない!! 悪がまかり通っていて、悔しい思いでいっぱいです。



(一時期ペレストロイカとして改革路線に乗りかけたが暗黒の国に逆戻りした)

ロシア政府&FSBのやり方
→恐喝・脅迫・証拠捏造・事件のでっち上げ・邪魔者はいかなる手を使ってでも消す

関係者も保身を考えて密告

平和的に反政府デモ活動を行ってもすぐに弾圧される

本当に恐ろしい国です。そして、プーチンは想像以上にヤバい奴。
Baad

Baadの感想・評価

3.6
芸術的、というか、ちょっとハイソサエティーの香りを感じるドキュメンタリーです。
それが、共産主義が崩壊した後のロシアの映画監督のものとなると、どこか、この国の文化の体質の一部に触れているようで妙な生々しさがあります。

予告編でリトビネンコが家族と一緒にいる場面に興味を引かれたこともあってこの映画を見ることにしたのですが、リトビネンコの暗殺そのものよりも、むしろ怒濤のような変化の中にある現在のロシアの社会の明暗と腐敗体質、かつての共産主義社会で培われた高度な技術や上質な芸術と一般民衆社会システムとの乖離などが実感として伝わって来て大変面白かった。

リトビネンコ氏は実直で有能な叩き上げの刑事というタイプの人だったようでその辺も意外でした。

(妙に芸術的 2008/6/28記 京都みなみ会館)
暴力と謀略の国、ロシア。

そう言わざるをえない、えげつない殺戮を繰り返す、世界最凶ランクの政府をもつ国々の中のひとつ。

まあ、ほかにも、アメリカとか、中国とか、ミャンマーとかアフガニスタンとか、やばい国はいくつかあるんですけどね、中でもロシアはチャンピオン級。

だって、邪魔者は消せ、ですもん。

さて、この映画は、ドキュメンタリーです。

娯楽作ではない。

リトビネンコさんという、もとロシアの将校さんが、所属していた連邦保安庁FSBの悪事を告発して、亡命先のロンドンで、放射性物質ポロニウム210によって毒殺された事件を軸に、リトビネンコさんご本人とそのゆかりの人びと、また、凶弾に倒れた、ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさんの生前の談話をまとめたものです。

邪魔なジャーナリストは、容赦なくぶっ殺す。

おかげで、ロシアの新聞社は殉職者が絶えない、警視庁七曲署状態!

日本の偉い人は、こんなクレージーな国から、北方四島、本当に返してもらえると思って、プーチンたちと付き合っているのだろうか?

交渉するだけ無駄だと思いま〜す。
mh

mhの感想・評価

-
おそロシアドキュメンタリー。
FSB(ロシア連邦保安庁、元KGB)にとって都合の悪い、政治家などの暗殺を依頼されたなど、いっちゃいけないことをしゃべってしまったFSBのテロ対策部門に勤務するリトビネンコさん。
東欧革命で衛星国家が次々と民主化するなか、独立運動を認めないロシアがチェチェン紛争で裏工作をしていたことも暴露してしまいとうとう放射性物質のポロニウム210によって毒殺されることになる。
「ロシア政府はFSBに乗っ取られてた」みたいなことをいわんとしているんだけど、それは当たらずも遠からずなんだろうね。
このドキュメンタリーに出演している女性ジャーナリストものちに暗殺されてしまうとのこと。
ロシア怖ええし、FSBも怖ええし、プーチンも怖ええね。
面白かった。
ロシアのプーチン政権下での政敵と見做した者への傍若無人な犯罪行為についてのノンフィクションを何冊か読んでいたが、殺された本人が出ているドキュメンタリー作品。

なんとも痛ましい限り。しかもこのフイルムに関係者で出ていた反プーチンたる政商ベロゾフスキーも女流ジャーナリストのボリトコフスカヤも既に殺されてしまった。

よくよく考えると保守的で専制的なプーチン、習近平、トランプ、安倍が揃って牛耳っていたついこの前。とんでもなく危うい時代なのかもしれない。(安倍が辞め、先日トランプが大統領選で負けたのには心底ホッとした)

まさに大多数の「無関心」という消極的な支援は本当に恐ろしい結果を生んでしまう。犯罪者はそうした世評を読み、コントロールするのが何より得意な事をゆめゆめ忘れてはならない。
OnOrOff

OnOrOffの感想・評価

5.0
これを観てリトビネンコのファンになった。『ロシア闇の戦争』という著書も買った。
昔、あまりにも好きになったので映画のパンフを壁に貼っていたら友人から悪趣味と言われた。

アンナ・ポリトコフスカヤの事件も、、、こうして我々が知ることが出来るのは、氷山のほんの一角に過ぎない。

正義のために命をかけたリトビネンコ、そして奥さん、あとこの映画を撮った監督に、敬意を表したい。
2006 年、ロンドンで放射性物質を飲まされて殺されたアレクサンドル・リトピネンコ。その真相をめぐるドキュメンタリー。チェチェン戦争の裏にあるロシアのプーチン政権の陰謀も。

この監督、命狙われるんじゃ?と思うくらいかなり際どい内容。

本当にこんなことが行われているのかと思うと恐ろしくなるし、暴こうとした人々が次々に殺されていったって…監督は大丈夫なのか。

現在ロシア政府に係わる人も(大統領も)名前がでてきているし。それにリトビネンコの上司や、暗殺の容疑者、政権が暗殺に係わると明言する関係者も。

よくここまで映画にしたよね…。

ロシア本国では上映されていないらしい。
次から次へ。目が離せない展開。

こうして映画になるから人々の記憶にも残る可能性がぐっと広がる。
タイトルの事件についてほとんど何も知らなかったから、事前にwikiで予習して鑑賞。
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けれど直接事件について描かれるのは最後の15分くらい。それもそのはず、彼が不審な死をとげたのは2006/11/23、ロシアの非協力的態度で事件の真相究明はほとんど進展しないままの2007年5月の作品だから。
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リトビネンコ氏の行動にかねてより注目していた監督(アンドレイ・ネクラーソフ)が、彼に接触して、暗殺前の5年間にわたり収録したインタビュー映像をもとに作られたドキュメンタリー。ロシアでの彼の経歴、彼の所属していたFSB(ロシア連邦保安庁)はどんな組織で、彼はそこで何をしていたか? そしてその長官だったプーチンがどんな人物なのかが語られる。彼の話の裏を取った現地での取材映像もその後に流される。
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つまり、これはどうやら本当の話のようだ。エリツイン時代の民主的な空気はプーチン登場によって潰され、FSBがかつてのKGBのように政敵を抹殺する、まるでソ連時代に逆戻りしているかのようなロシアの内情。この監督も当局に狙われてます(荒らされた彼の家の映像もありました)
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何故日本のニュースではこれをほとんど流さなかったのだろう? 私が見過ごしていただけ? じゃないよね。 金正男暗殺ニュースは連日やっているというのに。なんだか似てますよ、この二つ。
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キム・ジョンナム ⇒ リトビネンコ
キム・ジョンウン ⇒ プーチン
北朝鮮 ⇒ ロシア
マレーシア ⇒ イギリス
VXガス ⇒ ポロニウム210(放射性元素)
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**** アレクサンドル・リトビネンコ(Wikiより) ****
1962年生まれ
1988年、ソ連の諜報機関KGBの防諜部に勤務
1991年からFSB(KGBの後身)で勤務。テロ対策と組織犯罪対策が専門

1998年、上司からボリス・ベレゾフスキー(ロシアの新興財閥の総裁、当時の政界の黒幕)らの暗殺を命じられたが、拒否したと発表
1999年、逮捕、釈放、2000年まで3回の逮捕と釈放
2000年11月、トルコ経由でイギリスに亡命

2002年 「ロシア高層アパート連続爆破テロ事件(1999)はチェチェン人によるテロとされたが、実はチェチェン侵攻の口実を得るためにFSBが仕組んだ偽装テロだった。プーチンを権力の座に押し上げるのに好都合だった」と証言

2006年11月1日 ロンドンで食事後体調急変、病院に収容、23日死亡

11月24日、BBC放送の報道:彼の体内からウランの100億倍の比放射能を有する放射性物質のポロニウム210が大量に検出。英タイムズは、「動機、手段、機会の全てがFSBの関与を物語っている」 と指摘。英外務省は、駐英ロシア大使を通じ、事件関連情報の提供をロシア政府に要求。

2007年1月、イギリス警察当局は、リトビネンコ毒殺の容疑者を確認したと発表、FSB元職員ルゴボイを殺人罪で告発、ロシア政府に対し身柄引き渡しを要求。ロシア側は憲法によりロシアの市民の受け渡しは出来ないとして拒否。イギリスは抗議としてロシア外交官4人を国外追放、ロシアもその報復としてイギリス外交官を4人追放。

2007年12月、容疑者とされたルゴボイはロシア下院議員選挙に極右政党・ロシア自由民主党の候補者として立候補、当選。
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