なにげない会話やコミュニケーションの中にぽっかりと、たしかにそこに”不在”の痕跡があって。周りの人たちも観客たちでさえもそっと主人公を見守っている。
出てくる人みんな芝居をしているとか演技をしてい…
日々の生活の中でだんだん薄れていくあの人の記憶。でも決して消えずそこに居続けている。もう話しかけても笑いかけてもくれないけど。
淡々と毎日を過ごす沙知の表情や会話のひとつひとつがずっと心に残ってる…
このレビューはネタバレを含みます
沙知やその周囲の人々へのまなざしといいますか視点の取り方が優しくああ、観て良かったなあと思った。
一見するとなんの実りもないようなコミュニケーションのみが淡々と紡がれる、そこに溢れる人間への愛。
話…
英題は『Haruhara-san’s Recorder』
作家・歌人の東直子による歌集『春原さんのリコーダー』の表題歌「転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー」からインスピレーションを得…
[] 100点
人生ベスト。圧倒的大傑作。存在が奇跡のよう。雑にまとめると『ひかりの歌』『ひとつの歌』『四月の永い夢』というオールタイムベストが三つも集結した感じで(しかも二つはトップ10)、そん…
『ひかりのうた』には『ライフ・ゴーズ・オン』のような理性的な柔らかさを感じたのだけど、今作でも同じことを思う。今作も『ライフ……』でも手持ちの食べ物を頬張るシーンが印象的。夜、一人でどら焼きを食べる…
>>続きを読む理由を語らず出来事(コミュニケーション)のみで物語っていく、というところは以前から変わりなくといったところでわけのわからなさにもなりえるが、扉や窓が届いて外音(環境音)が確かに彼女にとどいているよう…
>>続きを読む© Genuine Light Pictures