このレビューはネタバレを含みます
大切な人を喪った痛みに、静かに向き合っていくというプロットは『四月の永い夢』を彷彿させるし、淡々とした日常の大部分をフィクスで撮るのは『ジャンヌ・ディエルマン』に近いものを感じたが、本作は全く好きに…
>>続きを読む不寛容の時代にこんなにも悪意の無い作品が生まれたことは、望外の喜びに他ならない。
サチの食卓に二人分の皿を見つけて泣き出す叔父のように、喪失に遭った者に対する周囲の善意は容易に挫け、そんな風に腫れ…
正直一度観たぐらいでは自分の中に物語を精製できず困惑に似た感情が勝っている。極限まで説明を排除しているにも関わらず、決して突き放されてるような不親切な感覚はなく、むしろ寄り添うようにカットが紡がれて…
>>続きを読む東直子の短歌「転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー」を元に作られた作品。説明的なシーンを極限まで削ぎ落とした語り口に面食らったが、全編を覆い尽くす喪失感に押し潰されそうになる。徹底的に…
>>続きを読む【不思議な映画体験】
短歌から創り出された作品。
まさに詩が紡ぎでるようにシーンのカットが重ねられる。それぞれのシーンの前後の関係はない。
そこにストーリーも存在しない。
ただ「存在しないも…
初日13時の回
2月4日 トークショー付きの回 再見
他者と同じ空間にいながらも、ふと別のところを見る主人公。それに対して誰かが何かを言うでも無く、ただそこに映されている。
1人の空間になったと…
このレビューはネタバレを含みます
夜に帰ってきた主人公がベランダに干していた洗濯物を取り込んで部屋に座る場面、かなり暗い画面ながら、画面右で揺れるカーテンと少し遠目のカメラ、そして荒木知佳の佇まいが、痛いほど欠落を伝えてくる。
…
試写にて。杉田監督の織りなす、誰かをおいつめることなく、ありのままの今を大切にしてくれるような温度感に心からやさしい気持ちになれたし、光のさし方や悲しみを背負った彼女の気丈ぶりに励ましてもらった。監…
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