洞窟は1960年代に実際に行われた洞窟探検を題材にしながら、台詞、ナレーション、音楽といった「語りの要素」を排除し、構造のみで情景を提示するという極端に沈黙した表現形式を選んでいる。
この作品にお…
このレビューはネタバレを含みます
映画に於ける空間というのは全体をどう照らすかというより、一部を照らすことで拡張されていく。洞窟内へ火をつけた雑誌を放るワンカットはそれを裏付けるように空間を赤い光により拡張するのだが、老人が死亡し…
>>続きを読む映画越しに洞窟の肌寒さや湿度が伝わってきて、投げ込まれた火のついた雑誌の切れ端と一緒に私も落ちていった、浮遊感さえ感じるくらい。
少しずつ描き足されていった洞窟内の地図の細かさ、丁寧さ。
鑑賞後もカ…
2020年代にレナート・ベルタのどえらい新作が見られるなんて。
カメラがゆっくりとパンして洞窟の全貌(実際はほんの一部だが)が現れ、燃える雑誌がどこまでも落ちていく恐るべきショットに脳が焼けるような…
目的の映画。
洞窟の最深部に調査隊が達すると映画も終わるし、
お爺さんが死ぬと映画も終わる。
その過程がそれぞれひたすらに
セリフもなく描かれるだけで
映画になってしまうし、
そこに意味など見出すの…
未知の深淵に辿り着く時一人の老人の命は潰える、ってだけの映画。明確な意味は何も分からないが解釈は幾らでも可能だろうし、それすらも拒むくらい神秘的な雰囲気と芸術的な撮影で溢れている。所詮は一本の管であ…
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これはもし円盤あったら欲しいな、って思うくらい好き。期間限定の配信だけ…なんて💦
人と自然の描写にバベットの晩餐会を思い出す。
雄大な自然と牛と人、
イタリア南部の山の洞窟の探検をただただ見る。
…
どえらく面白かった。結局、映画とはどんなジャンルであれ光と闇、音響(オフスクリーン)、奥行きをいかに平面の画面上に捏造していくかがポイントになる。その点、本作は大変オーソドックス、今どきの時代に正攻…
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