たくさんの映画レビュー・感想・評価 - 37ページ目

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ひとくず(2019年製作の映画)

3.3

自ら虐待を受けて育った前科者の男が母親の男から虐待されてる少女に自分を重ねて救おうとするプロットが、ついこないだ観た「虐待の証明」とそっくり。
監督・脚本・主演を務めた上西雄大の不器用な優しさがいい味
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虐待の証明/ミス・ペク(2018年製作の映画)

3.5

自ら虐待を受けて育った女性が父親と内縁の妻の二人に虐待されてる少女を救おうとする話で、やさぐれてて影のある役をハン・ジミンが上手く演じてた。
まあこの人いつまで経っても若いよね。

ペクには理不尽な前
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カット/オフ(2018年製作の映画)

3.8

良くできたサイコスリラーで、頭の切れる犯人の仕掛けに次々と誘導されていくのが「セブン」ぽかった。
いったい誰が犯人なのか、この先の展開がどうなるのか全く読めなくて、複雑な設定が苦手な自分にとって手際の
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ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

4.0

若手人気俳優と少年の長年にわたる密かな文通の真相を追っていく話で、暗い内容かと思ったら最後ジーンとくる人間賛歌になってたね。

学校でいじめに遭ってるルパートと、ゲイを隠して生きてるドノヴァンがそれぞ
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酔うと化け物になる父がつらい(2019年製作の映画)

3.3

酒飲みの自分としては避けて通れない映画。
飲むと必ず泥酔する会社員の父に家族を引っ掻き回される娘視点の話で、いかにも邦画っぽいチープな演出にしばらく入っていけなかった。
特にサキの心情を吹き出しの文字
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サボテンの花(1969年製作の映画)

3.8

なんたってイングリッド・バーグマン登場シーンでかつての絶世美女オーラを完全に消してるのが驚いた。007を密かに慕う秘書みたく完全に脇役の雰囲気で、ゴールディ・ホーンのピチピチした小顔の魅力に全部持って>>続きを読む

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢(2018年製作の映画)

3.5

絵に描いたような人生再生物語で、私生活にいろいろ問題を抱えた中年の男たちが何故かシンクロナイズドスイミングを通じて自信を取り戻すっていうベタベタ展開。

冒頭で丸だの四角だのっていうちょっと哲学的な説
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.8

現代のフランスでアフリカ系移民を威圧的に取り締まる警察の実態を描いてて、題名はヴィクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」と同じ街が映画の舞台になってるからなんだね。

新入り警官が転任してくるところから始
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パピヨン(2017年製作の映画)

3.8

1931年フランスで、殺人の濡れ衣により南米の刑務所に送られた通称パピヨンの凄絶な脱走劇。

1973年のスティーブ・マックイーン版の印象が強烈だっただけに、リメイクどうなのかなーと不安を抱えつつ観た
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.7

なんたってレネー(昔はレニーだったような‥)・ゼルウィガーの痛々しさに尽きる。彼女といえば長らくこれといった出演作がなく、「別人みたく顔が変わった」みたいなネット記事で目にするぐらいで、もう終わっちゃ>>続きを読む

淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

3.7

下半身不随の老人を若い家政婦が世話するという「最強のふたり」を連想させるような話で、ラストがジーンと来た。

最初互いに言葉も通じずギスギスした関係がやがて変化していくのがアルアルで、ご主人様と家政婦
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

3.5

予告編であまり興味わかなかったんだけど、監督が「サニー永遠の仲間たち」のカン・ヒョンチョルと知って観てみた。

朝鮮戦争中の巨済捕虜収容所でイメージアップのために作られたタップダンスチームの話で、真面
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

4.2

すごいものを見せつけられた。
最近シリアのドキュメンタリーをいくつか観たんだけど、精神的に一番来た。

監督のワアドが学生時代の反政府運動からシリアの現状を伝えるために映像を撮りためていく中で、信念を
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初恋(2020年製作の映画)

4.0

余命いくばくもないボクサーとヤク中の少女との道行きの恋にヤクザの抗争が絡んでくる先の読めないクライムコメディーで、今まで観た三池崇史作品で一番面白かった!

全ての出来事が少しずつボタンのかけ違いみた
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空母いぶき(2019年製作の映画)

3.5

日本の外交防衛における有事シミュレーションで、話の展開がリアルで手に汗握った。架空の近隣国からの突然の攻撃を受けて自衛権を発動するかどうかの決断を迫られる総理大臣の姿が、それに近い状況をギャグ的に描い>>続きを読む

名もなき生涯(2019年製作の映画)

3.6

ちょっと苦手意識のあるテレンス・マリック監督の最新作。
「ツリー・オブ・ライフ」と同じく断片的な映像を繋げていく作りになってるけど、実話が基になってるせいか難解さは感じなかったね。

第二次大戦中にナ
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.5

紳士的な銀行強盗を続けた黄昏ギャングの実話で、これが引退作となるロバート・レッドフォードの老いっぷりがちょっと痛々しい。彼に寄り添うシシー・スペイセクの年齢相応の美しさと対照的だったね。
バーで昔自慢
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.7

不穏過ぎるタイトル出しからいかにもアリ・アスター監督らしい気持ち悪さで、緻密で美しいカメラワークと不気味なBGMで何かが起きそうで起こらない不安を掻き立てて行く。

アメリカの若者たちが夏のスウェーデ
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.8

アメリカの巨大メディア内に横行するセクハラを告発する女性キャスターの姿を実話を基に描いてて、局内で常に監視の目が光ってるために社員が互いに疑心暗鬼になってる様子が怖かったね。
予告で観たときシャーリー
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失くした体(2019年製作の映画)

4.0

すごい良くて、ジーンと来た。
切り落とされた手がサバイバルを通して必死に生きようとする姿と、主人公の冴えない日常を対比させながら描いていくんだよね。
シュールな話にしては冒頭で飛び散る血が妙にリアルで
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ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

3.8

アサド政権下のシリア反体制革命の隙をついて台頭したISに乗っ取られた故郷のラッカを取り戻すためメディアを通して戦う、自主団体「ラッカは静かに虐殺されている」の活動を捉えたドキュメンタリー。

複雑な政
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.8

第一次世界大戦の西部戦線で、撤退と見せかけイギリス軍の攻撃を呼び込むドイツ軍の罠を防ぐため攻撃中止命令を伝えにいく伝令兵の話で、全編ワンカットが売り。
目的地に着くのが夜になるってことで、それをワンカ
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HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ(2017年製作の映画)

3.6

思春期の青年が一夏の経験を経て成長する話‥かと思ったらけっこうエグい内容で、実話が基になってるんだね。

非社交的な喘息持ちのダニエルを演じるティモシー・シャラメの初々しい魅力に尽きる感じで、最初は街
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どこへ出しても恥かしい人(2019年製作の映画)

3.8

ノーマークだったけど、友川カズキがちあきなおみの「夜へ急ぐ人」の作詞作曲をした人と知って俄然興味が湧いた。
本作は彼の競輪狂いっぷりや息子と過ごす姿、ライブシーンなど彼の日常の一コマをとらえたドキュメ
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37セカンズ(2019年製作の映画)

4.0

ジーンときた!
愛情の強すぎる母親に生活を縛られ、人気クソYouTuberの漫画制作のアシスタント(ゴーストライター?)として利用されてる脳性麻痺のユマが自分の人生を切り開こうとする成長物語。ユマ役の
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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.0

これは良かった!
今まで自分が観たホラー映画で最上位に来る。

少女時代のトラウマシーンに始まり、大人になったベスがそのトラウマを基に大ヒットホラー小説を出す‥っていう順当な出だしからの予想外の展開が
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儀式(1971年製作の映画)

3.5

儀式の時だけ集まる親族という、形だけの存在の不気味さを描いているような話で、満洲男が祖父を中心とするアクの強い親族関係の網目に何度も絡めとられるようにして翻弄されていく蟻地獄状態に観てて胃が痛くなって>>続きを読む

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

3.7

当時の膨大な記録映像と帰還兵のインタビュー音声をつないで第一次世界大戦の開戦前から終戦までを見せていく作品で、前線に入ってからフイルムが急に綺麗なカラーになって人の動きも自然になる瞬間に息を飲んだ。>>続きを読む

ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.6

2008年のリーマンショックで稼ぎを失ったストリッパーたちがその原因を作った金融界の元上客達から金を巻き上げて行く復讐劇を軸に、血の繋がらない彼女達が家族のようになって行くという「万引き家族」じゃん!>>続きを読む

アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲(2017年製作の映画)

3.0

前作は敗戦から月に逃れたナチスが地球を攻撃する話で毒の効いたおバカ映画に吹っ切れてた覚えがあるんだけど、本作はわずかに生き残った人類がいかに活路を見出すかみたいな割と真面目な話で設定がごちゃごちゃして>>続きを読む

his(2020年製作の映画)

3.8

大学時代に別れたゲイの恋人が時を経て子連れで目の前に現れるところから始まる話で、同性愛に対する世間の偏見というよりは二人が自分たちの本当の気持ちにいかに向き合っていくかに重点が置かれてた。
恋人にして
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守護教師(2018年製作の映画)

3.3

マ・ドンソクを今一つ活かしきれてない感じで、B級映画になり切れてないのがちょっともったいない気がした。

韓国映画のすごいのは自国の権力の腐敗を恥じらいもなく赤裸々に描いていくとこで、本作も政治家に始
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.8

割と最初の方で真相が明らかになっちゃうので、これはミステリーに見せかけて別ジャンルに持ってく展開かな?って思ったけど最後まで観るとなるほどねーってなった。

大作家の85歳を祝う誕生会の翌朝に彼の自殺
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前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

3.8

バカバカしくて良かった!
建設会社のWEB連載企画としてマジンガーZの格納庫を実際に設計するプロジェクトに取り組むファンタジー営業部の話。

冒頭のいかにもマンガチックな描き方にちょっと地雷臭が漂った
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.0

普段ミステリーをあまり観ない自分がのめり込むほど面白かった!
「犯人はこの中にいる!」的なありがちな話かと思ったら、最後の最後まで予想をどんどん覆していく展開に引き摺り回された感じ。

世界的にヒット
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サヨナラまでの30分(2020年製作の映画)

3.5

人との関りを避けて自分らしさを押し殺してる青年がバンド体験を通して成長するというド直球の青春音楽モノで、お客さん若い女の子ばかり。おっさんには眩し過ぎたかなー。
で、何がすごいって曲が全部素晴らしくて
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