『Vous n'aurez pas ma haine』
2015年11月、パリで起こった無差別テロ。ライブ会場に向かったエリーナ。息子と共に家で帰宅を待つ夫アントワーヌ。不穏なサイレン音と知り合いか…
ふたりなら、きっと大丈夫。
アントワーヌ・レリスが上梓した実話をベースとした同名小説を、キリアン・リートホーフ監督、脚本、ピエール・ドゥラドンシャン主演により映像化したドイツ、フランス、ベルギー製…
「ぼくは君達を憎まない事にした」
テロの犠牲になった妻のため、息子のため、自分のため、そして家族のための誓いのメッセージ
最後の最後まで赦し、憎しみ、怒り、悲しみが入り混じったぐちゃぐちゃな感情が…
主人公の男はまるで槇原敬之のよう。もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対、と同じように恨まないと宣言しているのだ。世界に、テロリストに、自分にも。
だけどメチャメチャ悲しいし寂しいのだ。ただの強がり…
赦しと耐え
憎しみを送らないことが一番抵抗。
まさしくそうだと思いたいところだが、、
もしも、自分の身にも同じようなことが起きたなら苦しくて、悔しくて、怒って、何も手につかなくなる。
同じように…
人に赦しを与える行為がどれだけ尊く、困難であるのか。
「赦し」の向こう側に立っているのはきっと他者でなく自己の像であると感じる。
今、憎しみの連鎖が広がるこの世で意味を成す作品。
言葉に操られ…
このレビューはネタバレを含みます
最悪を描こうとする映画は多い。だがこの映画のテーマは最悪の「その先」にあるものだ。テロで最愛の妻を失い、幼い息子は母親の名前を呼んで駄々をこね、そして息子が眠りにつく夜になると、今度は途方もないかな…
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