人物、建物、木々や草花を丁寧に慎ましくレンズに収める監督の演出が嬉しくなる。「ここ」にある全てを肯定する、生きていたいなと本気で思う。
毎回(まだ2作しか観てない)インテリア美術が良い。こういうの…
映画を観ているとき(新作を観る時は特に)〜のオマージュだとか、〜は〜の手法だとか、もしかして自分が観ているのは過去作られたモノに近づくために行われている無意味な反復過ぎず、かつて以上の感動を映画から…
>>続きを読むルーマニアからベルギーに出稼ぎに来ている青年が休暇で帰省する前に、偶然中国系移民の苔研究者の女性と出会い…という物語。面白かった。前作「ゴーストトロピック」とは打って変わって森の中のシーンも多く、瑞…
>>続きを読むゴースト〜から連続鑑賞、2作ともに「居場所」がテーマだと認識したし、こちらはより明確に描かれてた、出稼ぎでもここが自分の場所だと主張し維持したい思いを、多様な人との交流として一見そうではなさそうに静…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
彼がスープを作って配る意味。
あの時映ってなかった上半身の表情を想像する。
シュテファンのショートパンツが彼のアイデンティティなのかと気になってたが、おばさんが、スープ届けに来た彼のことを短髪でショ…
風が身体を通り抜け、自然に耳を傾けながら、夢と現実の間を歩いているような映画体験だった。スクリーンからマイナスイオンが放たれているような、澄んだショットの数々。特別な瞬間に立ち会ってしまった、忘れら…
>>続きを読むスープを配る眠れない男と蘚苔学者の出会い。
写真集のような美しいショットの連続と、心地よい環境音、繊細な言葉によって作られた、静かで豊かな映画。
ストーリーラインで語るよりも、映像を通して観客の…
言葉がわからなくなった朝、世界と一体化しているよう、動物になった気分、というセリフがすごく印象的だった。そのセリフ以降、動物のように観察しながらじっくり映画を観れた気がする。とにかく全てのカットが美…
>>続きを読む冷蔵庫にあるいろんな野菜、飛んできたのかポケットに入っていたいろんな植物の種、研究対象のいろんな苔。両手に包みこんだ、過去からの緑色の光。持っているものを誰かに手渡すことで「何か」が生じたり、既にあ…
>>続きを読む映像と音による斬新な16ミリ世界の構築
シャンタル・アケルマンの再来と言われているベルギーの新鋭バス・ドゥヴォス監督作品。
故郷・ルーマニアへの帰国を考えていたブリュッセルの建設労働者シュテファ…
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