夕陽に向って走れの作品情報・感想・評価

「夕陽に向って走れ」に投稿された感想・評価

再見。
いや~やるせねぇよ…
初見時はなんとも思わなかったのだが、多分VHS のクソ画質とトリミングで見たせいでコンラッド・ホールの崇高なカメラを堪能できなかっただけかと。
夜霧の中、息を殺して追手をやり過ごすシーンの美しさ…‼

このレビューはネタバレを含みます

黒塗りキャサリン・ロス!
本物のネイティブアメリカンが見たらどう思うんだろうか?

作品自体はラスト10分のスリリングさが良い。
イワシ

イワシの感想・評価

5.0
再見。まるで『夜の人々』のような犯罪映画であり、逃走/追走の並行編集によって抽象的な空間が生じるモンテ・ヘルマンの西部劇のようであり、『悪の力』で見せた凄まじい下降運動の強力な政治性を含んだ変奏でもある。この映画で一番底にいるのはロバート・レッドフォードなのだ。

ロバート・ブレイクを射殺したレッドフォードが彼の遺体を肩に担ぎ、山の斜面を降りてきたあと、インディアンの助手たちにブレイクを火葬するよう指示するシーンがある。そのショットを見ると、ロバート・ブレイクが最も高い位置(地から足が離れてる)に、レッドフォードが最も低い位置にいる。火葬の際に立ち昇る煙は『悪の力』のジョン・ガーフィールドの上昇運動の変奏であり、そして『悪の力』で地の底のような場所に放置された兄の死体と同じ位置にいるレッドフォードが画面から歩み去っていくことが、それまで描かれてきた逃走の横軸への運動を総括し、煙の上昇運動に対する平行運動として対比される。この対比によってアメリカそのものが『悪の力』の地の底として表象される。ジョン・ガーフィールドに許された微かな希望への上昇運動が、ロバート・レッドフォードには許されていない。

途中でインディアンの助手がロバート・ブレイクを評して「雲みたいな奴だ。誰もあいつを捕まえられない」と言うのだが、ラストの煙の上昇運動がその言葉の正しさを物語っている。犯罪者としてではなく、インディアンとして死ぬこと。それこそがロバート・ブレイクの逃走なのだ。逃走するこもが気体と結びつけられるシーンはそれ以前にもあり、ロバート・レッドフォードらが偽の痕跡を追っているシーンの背景で、山火事による大量の白煙が立ち昇っている様子が画面に映る。逃走の達成と煙の関係がここではじめて提示される。
furamin105

furamin105の感想・評価

4.8
キャサリン・ロスの白いドレスに見惚れていたらあれよあれよと悲劇へ突き進んで行った。
シュールな西部劇。
西部劇といっても、かなり現代に近いかな。
居留地に押し込められ、差別を受けるネイティヴ・アメリカン。
『明日に向かって撃て』では徹底的に逃げたロバート・レッドフォードが、今度は徹底的に追う保安官。
終始、音楽も含めて、ダークな香り。
僕はかなり好きな部類に入ると思う。ビバ・アメリカになってないところがいい。
あの大国アメリカも大いなる侵略大国なんだものね。

それをちゃんと忘れてはいけないね。

地味ではあるが、見応えもあって、考えさせられるな。
キャサリン・ロスはとても美しい。
 走り、追うという追跡の徹底的単純化が独自性を生み出しているような気がする。