青山真治監督が、「映画は風景のドキュメンタリーなんだとつくづく思わされます」と言っていたけど、この映画はまさに古き良き銀座をたくさん堪能できて、なんだかそればかり見てしまったずら。
なかなかにしん…
成瀬の子供映画だが、やはり厳しい。上京した大澤健三郎が東京で揉まれる一連の出来事群。一木双葉と晴海海岸に遠出するシーンや線路で手を繋いで歩くシーンの寂寥感が堪らない。
また一木双葉は単純なお嬢様キャ…
少年と社会との差が子供であることによる非力により人々と断絶されていく。その中にある少年には見えない力と感情が画面に充満していて素晴らしい。最後の走りの躍動感と希望も虚しく全てが去っていき孤独に包まれ…
>>続きを読む大人の事情に振り回される長野から出てきた小6の男の子と東京の旅館で母と暮らす小4の女の子を軸に、当時の市井の生活を表裏丸ごと描いた成瀬巳喜男監督作。
身勝手な大人薄っぺらい行動と子供たちの生き生きと…
「ドライな人間観」が成瀬的な主題の一つだが、本作はそれが上手く滲み出ている。
少年を捨てた母親にも不思議と負の感情は抱かず、「人間とはそういうものだ」的な空気さえ漂っているのがとても良い。
2000…
このレビューはネタバレを含みます
これは、『ヒデオ』の、『ジュンコ』に対する、初恋の物語だろう。『ヒデオ』の、母親は、男と駆け落ち。『ジュンコ』は、父親が、他の女と、デキて、母親と離婚。それぞれの両親には、事情もあっただろうが、子供…
>>続きを読む成瀬映画の掴みどころのない良さみたいなものがやっと目に見えて理解できるようになってきた気がするずら。トリュフォーの『大人は判ってくれない』とほぼほぼ同い年。主人公が大人であればちょうどドラマチックな…
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