鉄砲玉の美学の作品情報・感想・評価

鉄砲玉の美学1973年製作の映画)

製作国:

上映時間:100分

3.9

「鉄砲玉の美学」に投稿された感想・評価

鬱屈したプライドとゴミみたいな人生。薄っぺらでかっこ悪いチンピラ男が、かっこ悪いながらに人生最高の女を抱き、命を張った生き様、死に様を見せる。惨めな男の回想シーンがたまらん。渡瀬恒彦はこういうチンピラこそはまり役
頭脳警察の歌が最高です。渡瀬恒彦の走り方はちょいと笑っちゃいますね。鉄砲玉の標的小池朝雄も小池朝雄感はんぱなくてよかったです。
imapon

imaponの感想・評価

4.2
「わいは天佑会の小池清や」
鉄砲玉として送り込まれても拓ぼんをボコるくらいであとは女とイチャついてるだけってのがイイ。
憧れの杉本美樹が半裸で待ってていよいよベッドインの場でモテなかった時分の回想になるのが泣けるwww

頭脳警察とウサちゃんと霧島観光バスガイドさん。
俺のオールタイムベストの一本。学生時代に宿も決めずに東京を1週間放浪していた時、たまたま入ったラピュタ阿佐ヶ谷で鑑賞して衝撃を受けた作品。
頭脳警察のセックスピストルズよりも3年以上も先立ったジャパニーズパンクサウンドに乗せて、本当に惨めで情けなくて救いようの無い渡瀬恒彦演じるチンピラが一瞬の快楽や栄光とともに破滅していくピカレスクロマン。今まで出会って来た中での最高の女(杉本美樹)を抱くシーンで見習いコック時代のモテない主人公がトイレでセックスの絵を描きながらオナニーする所がカットバックされる所なんか、男なら誰しもが涙してしまう名シーンだろう。当時絶大な人気を誇ってた仁義なき戦いシリーズの陰に隠れてあんまり認知されてない作品だけど、個人的には70年代邦画屈指の大傑作だと思うので是非とも観ていただきたい
搾取され尽くされて、ゴミ捨て場に打ち捨てられる男。
それでも一瞬の夢を見たのだから、幸せだったろうと思う。
おれも霧島目指してがんばろ
シズヲ

シズヲの感想・評価

4.7
ヤクザ映画なのに派手なドンパチや組の描写は皆無と言っていい。それどころかヤクザの登場人物すら殆ど出てこないし、せいぜい主人公が出会う端役のチンピラや店舗のオーナーくらいだ。組同士の抗争が絡んでいるのに、終始こじんまりとした世界で話が進む。それもその筈、この映画はショボい舞台で何も知らずに舞い上がった小物の物語なんだよな。こんなに惨めで悲しくなる男は早々いない。

渡瀬恒彦演じる主人公がとことん強烈。しょっぱなから「こいつはクズだな」と解る。実際どうしようもない奴だ。自力では何者にもなれない癖して何処までも見栄っ張りで、薄っぺらなプライドに縋っている。鉄砲玉になってからは有頂天になって気取り始めたのに、土壇場での度胸は無いし人並みの臆病さも誤魔化しきれていない。本当にただのチンピラでしかないんだよな。しかし渡瀬恒彦の熱演もあり、作中では奇妙なほど魅力的に映っている。変な繊細さや幼稚さを内包した人物像の生々しさがとにかく凄まじい。

前述の通り、物語をひたすら狭い視点に収めた構成も秀逸。小さな箱庭の中で調子に乗る哀れな主人公の描写とがっちり噛み合ってるんだよな。頭脳警察のけたたましいロックミュージックも無様なヤクザの姿が描かれる本作の雰囲気とマッチしてて好き。主人公の本質をとっくに理解している最初の彼女や、主人公と同じように狭い空間の中でぬくぬくと肥えるウサギの描写も実に印象的。そして何より終盤~ラストシーンの流れがもう堪らない。本当にどこまでも無価値でカッコ悪くて、それだけに圧倒的な悲哀に溢れている。
床ずれ

床ずれの感想・評価

3.0
銃をとって叫べ!
頭脳警察のサウンドとともに当て所なく豪遊し、自惚れ、突っ走る渡瀬恒彦。しかし、もうどこにも銃を突きつけるところがない、1973年…。
【祝・DVD化】【追悼・渡瀬恒彦】
「ものを食べること」と「収集車に巻き込まれるゴミ」が並行モンタージュされそのバックに頭脳警察の超絶名曲『ふざけるんじゃねぇよ』がかかるシーンから始まるこの映画は、鉄砲玉として消費される塵芥な人間と、それを生む社会の機構を告発し反権力のイメージを浮かび上がらせる。
「銃を持って叫べ!」「逃げろ!鉄砲玉!」。素晴らしいパンクムービー。天下を取った一瞬の夢が悲哀を誘う……「かっこわるいことはなんて、かっこいいことなんだろう」。行き場のない怒りや哀しみが迸る!
頭脳警察。
突っ走るしかない男のラストの涙。
恒さん 最高
深谷守

深谷守の感想・評価

4.5
大学の頃に観たきりなので30年以上ぶりの鑑賞。確か前は文芸地下の中島貞夫オールナイトで観たはず。「893愚連隊」や「現代やくざ 血桜三兄弟」などと一緒に観た記憶がある。
再見して意外な発見は、これがATG作品であったこと、音楽が頭脳警察だったこと、そして何より渡瀬恒彦や小池朝雄の顔芸がすごかったこと。最近の塩顔の役者では絶対にできないような圧倒的な表情と熱量の高い演技は、それだけでも観賞に値する。
かっこいいヤクザや任侠を描いてもピカイチの中島貞夫だが、その真骨頂は情けなくてどこが人がよくて弱いくせに強がる男を描いた時にこそ発揮されるようだ。
実に見応えのある一作。
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