乱暴者の作品情報・感想・評価

「乱暴者」に投稿された感想・評価

otom

otomの感想・評価

4.0
狡猾な人間達に翻弄される脳みそ筋肉のペドロ。ある意味、一番純粋な男が憂き目を見る。筋肉自慢やら屠殺場、肉屋、絞め殺される鶏、焼かれる肉等々、更には肉欲と、とにかくやたらと肉が出てくる。誰にも負けない乱暴者のペドロが家を追われたメーチェよりも無力な気がしてならない。
初ブニュエル。なので、ブニュエルらしいとか、らしくないとか、全く分からないのですが、シンプルにドラマチックで大変面白かったです。
序盤30分ぐらいで飽きてしまって流しで観てたので真面目な採点はしない。おそらくメキシコ時代のブニュエルが肌に合わない。
メキシコ時代のブニュエルは面白いぞ 「乱暴者」

ブニュエルが目を向ける対象。
それが耽美的か、現実的か、神秘的か、衝撃的か、背徳的か、反宗教的か、あるいは超現実的か、不合理的か?

いえいえ結局「ブニュエル的」なのだと思います。

そして映画に漬けられた私たちは何よりもこの「ブニュエル的」であることを深く愛します。
pika

pikaの感想・評価

4.0
すげーシンプルでストレートな話なのにブニュエルらしいユーモアに溢れていて、おじいちゃんは愛くるしいし鶏や肉などのアイコンの使い方に演出の魅力が迸ってる。

文章にすればドラマとしてベタな話であるのにどれもこれも暗喩的な深みに満ち満ちていて、シンプルだからこそ普遍的で何がしかに投影できてしまうような掘り下げんばかりの味わいがある。
なんだこいつ、みたいな主人公にジワジワと滲み入るように惹かれてしまい終いには魅力にやられてしまう徹底した描写力。
主人公が石原裕次郎に見えて仕方がないんだが石原裕次郎の映画は見たことがない。

「あなたに出会ったから変わった」とか「善悪は意図に反映しない」など、行動の是非か人間臭い魅力なのかの深さから、愛という表裏一体な狂気まで、ドロドロな恋愛劇をキナ臭い展開でライトに調理してみせるからこそジワジワと本質という出汁が滲み出る傑作。
ブニュエル、マジハンパねぇーっす。内容に反してめちゃクール。
マ

マの感想・評価

3.5
ラストの鶏。これからは鶏がどんな役目を持ってるのか気にして観ようかなと思った。大体出てくるから。
見せるとこと見せないところの使い分けがうまい。それぞれのキャラもくっきりしてていい。
これも鶏と生肉が出てきてた。
最後の鶏が素晴らしい。

このレビューはネタバレを含みます

メロドラマでもあるしノワールでもある。
支配―被支配、貴―賎の関係が残酷に映る。

主人公の"乱暴者"が世話になった親父さんを殺すシーン、親父さんの頭を机の角に何度もぶつける音がかなり生々しい。
直接的には撮されていないだけに、"何の音かはっきりと分からない"不気味さがあって良かった。

ラスト10分の展開の早さには目を見張るものがある。
梅田

梅田の感想・評価

4.0
借家から借主を追い出すために大家が雇った「乱暴者」が巻き起こす愛憎劇。
ブニュエルにしてはずいぶん普通にメロドラマしていた。同時に、アンドレスの父の描写にブニュエルらしさが炸裂していて笑ってしまう。ブルジョワは歳をとればとるほど煩悩まみれの俗物になるのだとでも言いたげ。
ラストの鶏が最高。超かっこいい。
初期の中でも、人気のある作品。
物語が非常にしっかりしていて、見事なノワール映画。
ブニュエル的な肉や鳥の存在がなにより、全く派手さはないがリアリズムも存在していて、かなり引き込まれる。
メタ的な描き型の小細工もうまい。
相反する女性の描きたい方も上手いところである。
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