このレビューはネタバレを含みます
素晴らしい…胸をかき乱されるのに、どこか落ち着くところがある。巧すぎる。
どんな男にも靡かぬ主人公が、唯一「好きな人にお金の話をするのは嫌だった」と気持ちを落とす相手である藤崎が森雅之によって狡く渋…
銀座バーマネージャー小松仲代達矢が、夫の骨壷にラブレター💌と写真を入れた純情な未亡人矢代圭子高峰秀子をスカウトして五年、圭子は、性欲に駆られた男性客の誘惑を振り切り雇われマダムに出世したが、密かに想…
>>続きを読む〜成瀬巳喜男命日・ユリイカ特集に倣って〜
お傑作です。黒澤明が「「成瀬さんは、短いカットを積み重ねるが、それを継いだのを見ると、決してそうは見えないで、一つの長いカットのように見える。見事に流れてい…
鋪道の並木も冷たい風を受けながら新しい芽を育てていく。私もそれに負けないように生きていかなければならない。
風が当たれば、当たるほど…。
【感想】
良すぎる。
銀座の7丁目で働かせてもらった1年間…
最近、師匠に教えていただいた高峰秀子の「わたしの渡世日記 上下巻』を読みました。
母親が強烈なステージママだったのは噂には聞いていましたが、想像以上でした。
彼女は生まれた時から、波乱に満ちた人生で…
佃島の風景、特に住吉神社の隅田川に面した鳥居と両脇の住宅は今と大きく異なり新鮮に映った。ホステスの圭子は周囲の期待に縛られながらも、力強く前を向く姿が生き生きとしている。人々の葛藤は今も変わらない。…
>>続きを読む愛や思いやりが突然暴力性に変わる瞬間、人間の社交的な表層と動物的な奥底の表裏一体を描いた傑作。
精神的に自立した圭子という一人の女性が、水商売の中でどんどんと心をむしばまれ崩壊し、そこに男性がいかに…
救いとか希望とかが提示されるわけじゃない(あっても主人公のほうが拒絶する)けど、単なる女が辛いだけの映画に終わらず、辛いけどそれでも前を向いてプロに徹していきます、というスタンスのオチだったのが救…
>>続きを読む名作。
ダメ男達のせいで散々な目に遭うバーの雇われママ。でも最後は階段を駆け足で上る。
以下はそのときのト書き。
『なんのためらいもなく上って行く。上りきって、髪を直し、襟のあたりをつくろうと、…
そして誰もいなくなった。終わった後思わず拍手してしまった、同じ女として激励される。孤独に打ち勝ち1人で生きていけるように強くいないとな。シンプルに人に裏切られると何も信じられなくなるけど、逆に言い寄…
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