万事快調の作品情報・感想・評価

「万事快調」に投稿された感想・評価

映画においてスーパーマーケットというロケーションはなぜこんなにも映えるのか。
砂場

砂場の感想・評価

4.2
ゴダールとジャン=ピエール・ゴラン、ジガヴェルトフ集団の8本目。

映画を撮ろう、お金がいるわ、小切手を何枚も切る場面から本作は始まる。スターを雇えば資金が集まる、物語がいるわ、物語、、、
モンタンとフォンダになんていうの?
労働者も農民も資産家も出そう、働く労働者、俗物、ポンピドー大統領の映像。社会の変動、労組、ストライキ、社会の変動、機動隊
アメリカ人のジャーナリスト女性スーザン(ジェーン・フォンダ)、記者魂は死んだと英語で放送する。夫ジャック(イヴ・モンタン)と精肉工場の社長にインタビューするがちょうどスト中で社長は部屋に軟禁されている。ビルを断面で切ったセットで社長室と上下左右の部屋が見える。
社長がインタビューに答える。自分はイタリア出身だ。スト?組合とも大衆からも離反している、階級闘争?経済成長の恩恵、マルクス?
労働組合の代表が、ストのメンバーを批判する。数人の煽動者によりかえって労働者が迷惑している、組合側の人間とスト労働者の揉み合い
夫と育児、食事の支度で揉めるスト参加中の妻、男女の役割。
女の地位、新左翼の歌、組合は我々に待てというだけ
ジャックの語り。食うためにCMを撮っている。ヌーヴェルヴァーグで脚本家で映画界に入った。5月革命、水に合わずだった。スーザンとの出会い、馬鹿な映画よりCMのがましだ、体制とは距離を置く。
政治的映画を取りたい、ストッキングのCM撮影に戻る。
スーザンの語り。アメリカの新聞社のパリ支局に3年半、フランスにいまいち馴染めず。5月革命の記事で認められ新左翼の”専門家”に。英語、学生から労働者に取材対象を移す。スーザンとジャックは夫婦喧嘩、揉め事、映画、食事、セックス、ペニスの写真。現在(1)、大規模な工事現場、若者と機動隊の衝突。1972年。
映画を撮ろう、現在(2)、スーパーマーケット(カルフール)、長回しでレジを順番に写す。共産党のプロパガンダをする男、本の値段しか言わず内容は空疎で学生に突っ込まれる、略奪が始まる。現在(3)どんな映画も終わる、、、カフェでビールを飲むジャックとスーザン、1972年、フランス、

万事快調というとピチカートファイブの曲を思い出す人も多いかも、、それはさておき。
本作の舞台1972年というと68年の5月革命から数年経ってジガヴェルトフ集団の結成68年時点よりは”5月”に対する距離感が感じられる。68年の時ゴダールは38歳で、ゴランが25歳なのでゴランの方がガチの新左翼であっただろう。ゴダールは新左翼に共感することは多かっただろうけど。本作でも共産党やその配下の労働組合についてはより戯画的に描かれている一方で、新左翼側についても微妙に突き放した感もある。ジャック自身の語りで”5月”にはちょっと距離を感じたという場面があるが、そんなところか。スーザン役のジェーン・フォンダが素晴らしい!フランス語セリフの時はフランス女優のように見え、英語セリフの時はアメリカ女優のように見える。どっちにしても気が強いのだがw気の強さ加減がフランス語と英語では違う気がする。フランス語の時の方が性的であり、英語の方がキャリアアップ的だ。

名場面と言えるスーパーマーケットでの長回しの大騒ぎは事態は深刻ながら映画的なヒャッハー感がありクライマックスにふさわしい。その騒ぎの中論破される共産党のおっさんのしょぼくれ感がまた笑える。
コモダ

コモダの感想・評価

4.5
誰もが自身の歴史家であれ。政治の季節を経たゴダールの商業映画復帰作。5月の後の、食品工場でのストライキと、それに巻き込まれる知識人夫婦。スト現場の断面を剥き出しにしたセットの中で、労働者と労働組合の代表、経営者の三者三様の諸事情があけすけに語られる。相手にも事情があるだなんて大人な対応では何も変わらない。工場の外に広がる工場のような巨大なスーパーマーケットでの大胆な横移動の長回しのシーンが異様に面白い。期せずして無期限ストに巻き込まれ、軟禁されたことから社会への、歴史への目が開かれていく。自分を歴史の中に位置付けようとする試み。誰もが、自分自身を、歴史において見出そうとしたならば?社会の授業でろくに扱われない近現代史の、その描き方を、私たちはいかにして身につけるべきだろう?
イヴ・モンタンとジェーン・フォンダ出演でフランス以外ありえないでしょ!と冒頭から突っ込みたくなるしブルジョワブルジョワ言ってるのも笑っちゃう。工場を縦割りにするアイデアから始まったらしく、固定ショットの水平&上下移動が印象に残る
踊る猫

踊る猫の感想・評価

4.6
単に私の育ちか頭が悪いということだと思うのだけれど、コントに似ていると思った。というよりはコメディだ。もちろん5月革命などのバックボーンを知らないと少し難解に感じられるところはあるかもしれない。だが、ゴダールは理解するものではなく感じるものだと私は勝手に思っている。つまり「mind」ではなく「heart」で理解したもの、それが答えだ、と。コロナ禍の最中に観てしまったからか、ラストのスーパーマーケットを襲うカタストロフがそのまま今の日本を描いているようでこのゴダールの眼力には唸らされる。というより、この映画が描く労働者階級の落ちぶれぶりは今の日本のプレカリアート/ワーキングプアのそれと瓜二つと言ってもいいような気がするのだ。だが、そう考えてみると彼らほどの逞しさを持ち得ていないことを日本人のひ弱さと見るか、あるいは貞淑さと見做して安心するかが鍵となってくるように思う。観る者を拷問にかけるかのような退屈なショットもさほど(「さほど」だけど)見当たらないので、ゴダール初心者にもお勧めと言えるのではないか。
‪政治的映画の製作集団、ジガ・ヴェルトフ集団による8本目となる作品。‬

‪食肉工場にインタビューにやってきたジャーナリストの女とその夫で映画監督の男が5月革命に巻き込まれる話。‬

‪オタサーの姫理論とでもいうべきか、これまでの作品がセリフの応酬する難解な記録映画だったのに対し、商業映画として物語がつくため比べ物にならないほど楽しい。‬

‪明らかに1968年5月14日に勃発したブギュネ工場の社長監禁をベースにしているが本作自体はフィクションである。‬

‪にしてもヌーヴェルバークの風を受け『イージーライダー』によってアメリカンニューシネマの風を起こしたピーター・フォンダの姉が、風の発生源であるゴダールの元で映画作りをしているかと思うとなんだか感慨深い。‬

‪また平面の構図を多用するウェス・アンダーソンは明らかに本作の影響を受けている。‬
ウシ

ウシの感想・評価

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意味わからなさが知りたくて立て続けに見たけど理解できず
セットがすごい

商業映画への復帰とみせかけて、商業的な目的のための映像への自己言及的批判であるという、皮肉の効いた一本。

いささか中途半端さも漂うが、アイディアとしては面白く(会社の断面むき出しのセットなどはなかなか効果的)、同時期の政治的メッセージをあらわにした作品群のなかでは、コミカルな政治コントとしてまとまっていると言える。

ラストのスーパーマーケットの長回しはなかなか秀逸。
えらくひろいスーパーだが。
冒頭の領収書のショットのリズム感がすごい。後半、工事現場のショットあたりからめちゃくちゃ良い。煙突にトラックが被るところは『PASSION』が始まるかと思ってビビった。
Aki

Akiの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

労働、労働環境、賃金について、この作品も難しいというかフランスの政治と歴史。工場の事務所のセットが可愛らしい。スーパーの長回し、若者の「全部無料だ」はお金に働かされているという部分。
この映画でも芸術、映画が希望という事。
うーん難しい。
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