1958年の「ハエ男の恐怖」をデイヴィッド・クローネンバークがリメイク。
原作はジョルジュ・ランジュランの同名小説「蝿」
原題:The Fly (1986)
科学者セス・ブランドル(ジェフ・ゴールドブラム)は、物体を分子と遺伝子レベルで分解してテレポート(転送)し、元の状態に戻す装置“テレポッド”を発明する。
無機物(無生物)に加え、有機物(有機生命体)での転送にも成功し、遂に自らを実験台にして転送を行う。
成功したかに見えたが、やがて身体に数々の異変が起こり、その原因は転送ポッドに1匹のハエがまぎれ込んで遺伝子レベルでセスとハエが融合したこと
だった…。
~他の登場人物~
・取材記者で後に恋人になるヴェロニカ・クエイフ(ジーナ・デイヴィス)
・ヴェロニカに未練のある上司、ステイシス・ボランズ(ジョン・ゲッツ)
主人公の爪や耳が剥がれ、歯が抜け落ち、口から溶解液を吐き…と肉体が変化していく過程と、終いには完全なハエ人間"ブランドルフライ"に変態(羽化)する、その(特殊メイクの)グロテスクなこと。
そして、妊娠したヴェロニカに堕胎を許さず、"ヴェロニカ及び胎児との融合"を企てる怖さ。
それでも、終盤は不気味な異物としてではなく人間らしさの残っているハエ男セスとヴェロニカの愛の物語にして、続編「ザ・フライ2 二世誕生」(1989)へ含みを持たせている。
テレポーテーションや融合などど、非科学的で余りにもあり得ないことがベースになっているので、評価はちょっとサービス。
それでも、オリジナルを観てみたい。