【第54回ベルリン映画祭 コンペティション部門】
『旅芸人の記録』テオ・アンゲロプロス監督作品。エレニ三部作の一作目だが、三部作の最終作撮影中に事故で急死したため未完となっている。日本ではアンゲロプ…
20世紀ギリシャの歴史を1人の女性の視点から見つめた作品。
ギリシャの歴史には疎かったけど、それでもエレニの姿には強烈な悲痛を感じる。
空と水辺の美しさは、もはや狂気でしょ…
これを劇場で観た人が…
水面に映し出されるオデッサの最後の日
ギリシャの男も女も子供たちも哭いている
ロシアのいたる所で起きた革命の煽りを受けて煙と血に溢れるプーシキン街に1人でいたエレニ
大人に手を引かれ最後の船に乗…
難民の一群が大きな水たまりの前に立ち止まる様を正面から捉えた奥行きのある、冒頭のロングショットが映画全編を水のイメージに導きいれ、長回しのキャメラは列車が画面を横切る度に引き起こる受難に耐えるエレニ…
>>続きを読む川の対岸から望遠レンズで村の風景を追う、画面の隅々まで村人を配置する完璧な構図。エレニを迎える馬車を移動撮影で捉え、上流から小舟で運ばれるエレニと合流するこれ以上ない絶妙のタイミング。何度入念なリハ…
>>続きを読む画がキマりにキマっていて興奮した。古い歌劇場に難民を集めるアイデアの拓跋さ、そこに響く花嫁に逃げられた男スピロの怒号と小さくなる背中のシークエンスは印象的な一節だ。後半は戦争で何もかも喪う話、観てい…
>>続きを読むどこまでも動き続ける止まらないカメラ、フィックスのショットは全編通して4回か5回だったと思うがそれでもこれだけ重厚で静かな映画になる。動くカメラと動く人間と広がってゆく地平線。洪水で村ひとつが水に沈…
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ロシア革命で両親を失ったギリシャ難民のヒロイン、エレニが辿る過酷な運命を描く。
少女エレニはロシア革命で両親を失い、ギリシャ人難民の一団を率いる男スピロの家族として育てられる。成長したエレニは、…