金星ロケット発進すの作品情報・感想・評価

「金星ロケット発進す」に投稿された感想・評価

yayuyo

yayuyoの感想・評価

3.0
DEFA70周年 知られざる東ドイツ映画 特集にて。

原作は『惑星ソラリス』で有名なスタニスワフ・レムの最初のSF小説。
金星から飛来した磁気録音コイルの謎を解明すべく、金星へと飛び立つ乗組員達のドラマ。


宇宙センターで働く研究員やロケットの乗組員が様々な国・人種の人々で構成されていて目をひく。
世界各国からなる乗組員が一致団結する様は、どうやら共産主義の理想を映画の中に落とし込んだ結果らしい。
因みに日本人の谷洋子さんという方も科学者のスミコ役で出演。
ロケットの乗組員で、過去にヒロシマで被爆し、原爆の後遺症に苦しんでいる役どころ。
主役級のキーパーソンの1人として熱演されています。


巨大なコンピューターや船内、金星の情景は、今見るとキッチュに見えるのは仕方ないけど、
レトロフューチャーっていうのかな、なかなかセンスあり。


一見娯楽SF映画の様でありながら核の脅威や世界平和について言及しているのも興味深い。
もう少し個々の背景の掘り下げがあれば、もっとドラマチックになるだろうし、中弛みも無く眠くならない気がする。
でも、それだとハリウッド映画になっちゃうか。
chinechan

chinechanの感想・評価

4.1
1960年に東ドイツ、ポーランドの合作で製作された。
非常にローテクなSFものですが、金星に降り立ってからの描写は、チープながら探検のドキドキワクワク感あり、なかなか好みでした。
でも学祭のお化け屋敷レベルの手作り感です笑。スタッフが一生懸命小物を製作しているのが目に浮かびます。

内容としては、60年という時代背景もあって、核に頼るものは自滅する。反戦・反原子力色が濃い作品。

US版だと、ヒロシマあたりが大幅にカットされて、US都合で修正が入っているとのことで、フルで見れて良かったー。貴重!

人種もあえてバラバラにして、セリフからも戦後の平和がやたら強調されています。でも終盤の諸々の出来事は、なぜそのお国のチョイスなの?と勘ぐっちゃいました。

完成度がどうとかじゃなく、とっても好きな作品です。
東ドイツの映画。
チープな特撮映画だと思ってたけど、意外とシナリオ面でも特撮面でも見応えがあった。

あと、働いている人たちが人種も性別もまんべんなく網羅しているのに驚いた。
改めて、自分も無意識に男性社会主義になってたのかな?と思った瞬間。


ラストの金星人の正体が判明したところや、それでも成長すると言う言葉など、広島を意識したストーリーもとても良かった。
1908年6月30日ロシア、ツングースの大爆発は隕石落下ではなく、金星人の宇宙船の墜落事故だった!

冷戦時代の映画、ということもありますが、核に対する懸念が色濃く現れています。
金星みたいにならないように、人類みな兄弟、仲良くしましょう!というメッセージ。

ソラリスのスタニスラフ・レムの原作。
金星に到着してから、いろんな現象が起きるんだけど、あそこら辺はスタニスラフ・レムつながりで是非、タルコフスキーに撮って欲しかったなぁ。
ゲテモノ映画かと思っていたら真っ当なメッセージ映画な上に好みの感じで楽しめました。
とはいえ真面目過ぎる(谷洋子の裸背中のサービスカットはあるけど)というか素人映画クサくてある意味ゲテモノ。
『不思議惑星キン・ザ・ザ』みたいなのとも全然違った。

谷洋子が親を広島の原爆で亡くし自らも被爆者で子供が産めないということで、さりげなくというより徹底的に原爆反対を唄っていた。

当時の共産圏なら反アメリカかと思っていたらそんな事はなく「金星問題は一国の問題ではない」と考え方を超えてあらゆる国と手を取り合おうというスタンスがよかった。

あと、国際色豊かなキャストで人種平等は見ての通り、女性のTVカメラマンがいたり谷洋子が船員として同等だったり時代の割には男女平等も進んでいたようにも。

関係ないけど「人種差別をしないのはアカ」というような台詞がある多分同じ頃製作の映画があったと思うけど何だったけ? 多分邦画…。

登場人物のキャラ説明不足でイマイチ分かり難かったり(黒人船員が待つ女性?とか)、演出とかカメラワークとかがガタガタで特に後半は眠くなるのは仕方ないけど、そんな感じさえも独特で私は大好きでした。

『サウンド・オブ・ミュージック』みたいな山間の野原でおっさん二人が腕を取り合ったりして宇宙飛行のことを話し合うシーンは偶然なのか。狙っていたのか。

特に好きなシーン : 宇宙飛行中、人工知能ロボットと船員がチェスに興じる。何度やってもロボット全勝。それを見ていた谷洋子が「このロボットには何かが足りない…そうだ、魂だわ! 魂があれば一度くらいチェスに負けるはずなのに!」みたいなことを言うところ。

(以下、激しくネタバレ)

地球ではなく金星だけど、文明が発達し過ぎて自滅してしまうという発想(それも核で)は『猿の惑星』(9年後の1968年製作)と同じ。アメリカでも公開されたというから、まさか影響を与えたりしてて。

ついでに言えば最近『最後の家族』(2016年ポーランド)を観たので、荒れた金星の風景がベクシンスキーの絵に近いようにも思えた。まさかベクシンスキーにも影響を与えたりしてて。
ポスターのビジュアルで「これ、おもしろそう」って思っているうちがいちばん楽しい。
Moe

Moeの感想・評価

2.7
ゼログラビティを彷彿とさせる。
この時代にしてはお金かかってそうな映画だった。なんとなーく戦争反対を示唆するかんじ〜
とても好きだった!純粋で良い社会主義ドイツのSF映画。金星の映像も素敵だし。