スピロスは戻ってきたはずの祖国から、拒絶される。
それはイデオロギーの違いだけでなく、時代そのものからの排除とも言える。
彼の姿はもはや社会にフィットしない過去の亡霊のようであり、船出のラストシーン…
ギリシャ内戦の過酷さ、その重さが映画の全編を覆っている。暗い色調、風雨、汚れた雪、これがギリシャかと思うほどの陰鬱とした風景。
枢軸国による過酷な占領、それに対して抵抗運動を組織ししていく人びと、…
長回し、セリフ少な目、奇妙なストーリー。すべてが好みにぶっささった!!
エンディングもすごくよかった。わけわかんないけど、美しさを感じた
奇妙なメタ構造は別になくてもよかったかなとは思った
ただ、…
山の無法者の声、軍事裁判で自分が四度も死刑宣告をされた新聞記事、国籍を持たない者
スピロが墓場で踊るシーンがすばらしい(バイオリン、ギリシャの山岳民族の音楽なのかな)
なぜ土地がひとの所有物なのだろ…
テオ・アンゲロプロス監督、国境三部作の一作目。
ちゃんと集中してみないと、冒頭から置いていかれる。
本作における現実と劇中劇の境界が非常に曖昧で、分かりづらい場面が多い。
その曖昧さ故に観客は混乱…
このレビューはネタバレを含みます
老人の、老いた男女の、夫婦の映画。男女が性交に及ぶ場面が二つあるが、それらは意味的な繋がりこそないにせよ、物語の中の老いた男女、夫婦に於いてその実存が晒されている精神の飢餓と、それ故にこそ生じる希求…
>>続きを読む初アンゲロプロス。とにかく長回しと画がバッチリ決まっててかっこいい。32年振りに帰ってきた老兵であり父、土地に固執したこの男は町の嫌われ者。
映画の中で映画をやる二重構造が面白いが、その構図がどの…